13.ゼロゼロも研究所に運び込まれていた-さてと、これで打てる手は打ったぞ-
全43話予定です
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カズと共にゼロゼロも研究所に運び込まれていた。本体の修理と[アップデート]である。アップデートはカズが直接指示を出した。
レイドライバーは整備ドックに置かれており、サブプロセッサー単体で中央にある研究室に運ばれていた。
「ゼロゼロ聞こえる?」
問いかけると、
「カズ君、どうしたの?」
と直ぐに疑問形で返って来る。その言葉に、
「修理を行っている間に[アップデート]と、いろんな意味で指示を出してほしいんだ。例えば」
「クスリの改良、でしょ? そこに生理課の主任はいますか?」
「はい、私ですが」
指名を受けた女性がそう受ける。
「あのあと資料を見ました。現在の技術ではテロメアの減少スピードはどうやっても遅くならないようですね。そうしたら分子構造を少しだけいじってみましょう。六位のベンゼン環の二十番にに水酸基を付加してみてください、方法は任せます。それで実験投与してみてダメならまた別の手を考えましょう」
「分かりました、やってみます」
いまのゼロゼロは、襟坂恵美だった頃より生体コンピューターを積んでいる分、思考処理能力は格段に上がっている。もちろん、自分が考案したクスリというのもあるが、分子構造はしっかりと頭に入っている。クスリのどの部位が脳のどの部位に効くのか、そして副作用はどうか、貯留性は? 代謝は? その辺りは論文含めてすべて頭の中だ。なので、主任の座は他の人に譲ったが、サブプロセッサーであるにもかかわらずまだ立場としては上なのだ。
「さてと、話が終わったら次は」
「あれ、嫌なんだよね」
これも即答である、が、
「これも能力向上の為、でしょ? 大丈夫だからやって」
と返って来る。
「じゃあ、プログラムを流すよ」
カズはそう言うと職員に合図を出す。と共にプログラムの書き込み作業がスタートする。
「うーんこの気持ち悪さ、なんとも言いようがないねぇ」
どうやら相当嫌なようだ。
「そのまま耳だけ貸して。このあと、焼かれた背中の修理をして数日中にはここを経つつもりでいるんだ。なので、もしここでやっとく事があれば……ってさっきやったか、まぁ、でももしあるようならいつでも呼び出して」
「りぉーかーい」
――さてと、これで打てる手は打ったぞ。
「ねぇ」
ゼロゼロだ。
「何?」
「今ってみんなで[面会]してるんだよね?」
という質問が来る。
「そうだけど?」
カズがそう答えると、
「私も混ぜてくれないかな、ゼロワンのパイロットの子には悪いけど、これからはそういった場面も出てくるでしょ? そうしたらあらかじめ顔合わせしておいた方がいいかなって。それにどんな子たちなのかも知りたいし」
――確かにそれは一理あるな。
「じゃあ、それが終わったら整備ドックに向かおう。彼女たちに一度サブプロセッサーがどんなものかも見せておきたいしな」
「そうね、私のこの体を見てもらうのも勉強になるかも」
そうしてアップデートは順調に進んだのだ。
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