第2話
「だれかー。子犬が溺れています。だれかー。」
普段この道は人通りが多いが、今に限って俺しかいない。
やばい。どうする。子犬一匹なら片手で運べそうだが、それには危険だし。
そんなことを考えてると、子犬のもがく力がだんだん弱くなっていってしまい、沈みかけている。
「そんなことを考えてる暇はない、俺がやるんだ。」
俺は動きやすいように、上着を脱いで、川に飛び込んだ。
「こっちだ。こっちに来てくれ。」
俺は川の真ん中にいるが子犬は動こうとせず沈んで行ってしまっている。俺は昔、スイミングスクールに通っていて、クロールが得意だったので、犬との距離を詰めていった。
「おいついた。あとは腕に抱えて。いった!」
子犬は知らない男につかまれたからか、最後の力を振り絞って、俺のあごを蹴ったのだ。
「だいじょうぶだから、落ち着いて。」
子犬にそう言うと、少し落ち着きを取り戻したように暴れなくなっていった。
「よし。いい子だ。」
最後は泳ぎにくかったけど何とか岸に上がることができた。
「はぁはぁ……ぜぇ、はぁ……もう安心だぞ」
俺は疲れ果てて岸に倒れこんでると、子犬は走ってどっかに行ってしまった。
「飼い主のところへ戻るんだぞ~」
子犬がどこかへ行ってから3分後、またもやさっきの犬が帰ってきた。
「なんで戻ってきたんだ?もしかして飼い主が何処かわからないとか?」
そう子犬に話してると、リードを持った女の子がやってきて
「もーペロってば。なんでそんなに濡れてるの?って、えええええ!?だいじょうぶですかー?」
「まあ何とか。あなたはこの子犬の飼い主ですか?」
「はい。ペロって言います。」
「実はこの子犬がこの川でおぼれていたのを見まして、助けたらあなたが来たってことです。」
「え!?ペロ溺れてたの?助けてくれてありがとうございます。」
「いえいえ。困ったときはお互い様です。」
ーと、
「……くしゅん!」
俺は盛大に大きなくしゃみをしてしまった。
「もしかしてかぜひきました?」
「、、、かもしれない。」
「そうだ。私の家に来ませんか?今高校生なので一人暮らしをやってますし、あなたはペロの命の恩人ですから。」
「いやいや見ず知らずのひ、、、」
「どうしました?」
やばいことに気が付いたかもしれない。
「いや、あの、もしかしてだけれど、あなたのお名前って優香さんですか?」
「しってるの?もしかして知り合いとかかな。」
「いや、学園一の美少女と言われているから名前と顔くらいは覚えてるんでね。」
そう。この人は、学年問わず、合計約100告白されるという偉業をなしとけだのだ。
そんな学園のアイドル優香さんが、なぜか俺の目の前にいたのだ。
「なるほど。ってそんなことはいいから早くうちのシャワーを使わないと風邪ひいちゃうよ。」
「いやいや。優香さんのの家のシャワーを使うなどは―—―くしゅん。」
「ほら、くしゃみしちゃってるじゃないの。身体が冷えてる証拠よ?」
「いやでも、自分の家で入りますので。」
「もう、優君って大人しそうに見えて、意外と聞き分けがない子なのね。ちゃんということを聞きなさい」
「えぇぇ。」
まって。俺って聞き分けのないキャラだったのか?俺はそう思いつつも優香さんに連行されていった。
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