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725.会話 双子の話

本日もこんばんは。

ミステリー作品でお馴染みのトリックについて。

「双子の入れ替わりトリックってあるでしょう? ほんとうに成立するのでしょうか」

「意外とできちゃうんじゃないですか?」

「声の違いはないのでしょうか」

「双子ですから、似た声なのかもしれませんねぇ」

「CVが一緒だと、ギャラも二倍なんですか」

「急に何の話ですか」

「一人二役って大変そうですね。魔王さんも一人何百役でしたっけ」

「そうですね。時代ごとにキャラを変えて……って、ぼくはいつもぼくですよ」

「ギャラもその役ごとにもらえるんですか」

「ぼくは演者じゃないですよ」

「面識がない相手や、浅い相手なら騙せそうですけど、知り合いにも効果があるのやら」

「勝手ですが、親は難しそうなイメージがありますね」

「注視されないよう、目立つ何かを利用する手もいいかもしれません」

「特徴的な髪型や服装、荷物などですね」

「私も、魔王さんの光輪ばかりが記憶に残り、顔が思い出せないんです」

「こんなに一緒にいるのに」

「魔王さんが入れ替わっていても、私は気づかないでしょう」

「きみは真っ先に気づくべき人ですよ」

「こうして、双子トリックは完遂されるのだった……」

「ぼくは何のためにトリックを使ったのですか」

「決まっているじゃないですか。人殺しですよ」

「やめてください、物騒ですね」

「ミステリー小説の話ですよ。人間の一人や三百人くらい殺害してください」

「多すぎませんか?」

「トリックなんか気にするから、お命頂戴する人数が減るんですよ」

「ミステリー小説の話ですよね?」

「そうですよ。では、本日は僭越ながら私が双子トリックの謎を解明してみせましょう」

「トンデモ展開のしっちゃかめっちゃか小説になりそう」

「『ナントカ館の五百人殺人事件』とかどうですか」

「まず抱く感想が『被害者多っ』ですね」

「一人目の被害者が出たことで、双子トリックを見破られる犯人たち」

「バレるの早すぎません?」

「幸先の悪さも逆手に取り……たかったけど、無理だった犯人たち」

「無理だったんですね」

「自棄になった二人は、片っ端からお命頂戴する作戦に変更する」

「作戦というか、強行突破というか」

「双子であることを全面に押し出しながら突き進む」

「そこまで出しちゃったんですね」

「果たして、二人は無事に五百人のお命を頂戴することはできるのか……!」

「もう一度訊きますけど、ミステリー小説の話ですよね?」

「そうですよ」

「双子トリックの他にも、読者の想像力を刺激するトリックがあるんですよね?」

「もちろんです。聞きたいですか?」

「ぜひお願いします」

「『ナントカ館の七百人殺人事件』には、ほんとうのトリックが存在します」

「あれ、なんか増えていませんか?」

「実は、双子だと思われた犯人たちは、五つ子だったのです」

「おおっ、それはびっくりです!」

「変装していた残りの三人により、二百人のお命が無事に頂戴できました」

「毒薬か爆弾でも使ったんですかね」

「ナントカ館に集まった八百五十人を葬り去った五つ子の犯人たち」

「また増えていませんか?」

「最後に、同じ顔の共犯者にナイフを向けます」

「おや、急展開ですね」

「そして、こう言うのです。『わたしは一人でじゅうぶんだ』と」

「そんな、仲良くしましょうよ」

「五つ子はナイフを向け合うと、まっすぐに駆け出します」

「どうなってしまうのですか」

「ナイフを放り投げる五つ子たち」

「おや……? 捨てちゃうのですか?」

「五人は溶けあい、吸収されてひとりの人間に変化します」

「ミステリー小説……じゃなくてSF?」

「ひとりになったそれは、九百人殺人事件が発生した館を静かに去って行くのです」

「犠牲者がどんどん増えていく」

「これで双子トリックの謎が解明されましたね」

「そうですね。あの、どの辺が?」

お読みいただきありがとうございました。

天目にはミステリーは書けないことがわかりました。


勇者「自分のドッペルゲンガーに犯罪をさせるのはどうでしょう」

魔王「そういう使い方で合ってるんでしたっけ」

勇者「消えたくなければこいつをやれ、と脅すのです」

魔王「主人公ワルすぎません?」

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