720.会話 進化の話
本日もこんばんは。
久しぶりのあのコーナー。
「似たような姿の魔物だったのに、以前より強く感じました」
「めっちゃ雑魚がちょっと雑魚に進化したのかもしれませんね」
「低級が中級みたいな?」
「というわけでやっていきましょう。久しぶりの『教えて! 勇者さん』のお時間です」
「第十一回ですよ」
「以前も言ったことがあるような、ないような話をします」
「誰も覚えていませんね」
「魔なるものの強さは固定ではありません。生まれた時から強いものもいますが、雑魚にも強くなれるチャンスが残されているのです。ほんと厄介な話ですよ」
「本音が聴こえましたね」
「他の魔物を喰べたり、なんか色々したりすると強くなるとかならないとか」
「曖昧すぎる」
「便宜上、これを進化と呼びましょう」
「ゲームみたいでおもしろいですね」
「進化があるなら退化があってもいいと思いませんか?」
「強くなるのがよほど許せないんですね」
「聖なる力を浴びせると退化するシステムにしましょう」
「気持ちだけでなれば苦労しません」
「ぼくの眼圧で退化する可能性はありますか」
「残念ながら」
「魔物同士の共喰いで一匹魔物が消えても、強くなった魔物が生まれるのです」
「いいんだか悪いんだか」
「雑魚二匹の方がいいですよ」
「人間にも対処できますもんね」
「超級一匹と雑魚百匹なら、断然後者ですから」
「私も超級とは戦いたくないです」
「勇者でも手こずる力ですから、一般人には対応が難しいのです」
「魔王さんなら?」
「お任せください」
「笑顔でこぶしを突き合わせないでください」
「木っ端微塵にしてやります」
「あ、疑問がこんにちは」
「どうぞ、学びの姿勢にらぶあんどぴーす」
「共喰いをしまくって、強い魔物たちが生まれるとして、長い年月が経てば、そこら中に超級とか絶級とかの魔なるものが蔓延る世界になりませんか?」
「すばらしい疑問です。拍手」
「ありがとうございます。ぱちぱち」
「勇者さんのご心配はもっとも。ぼくも世界がつよつよ魔族ワールドになることを憂い、定期的に吹っ飛ばして粉々にしてみじん切りにして頭をカチ割ってぼきゃぼきゃにしています」
「魔王さんのおかげなんですね」
「とはいえ、世界を全て見て回ることは難しいので、人間に友好的な魔族を利用しています」
「魔族に魔族を倒させているのですか」
「いいアイデアだと思います。えっへん」
「ただ倒すならいいですが、喰べていたらさらに強くなりませんか」
「人間に友好的なら強くなっても許しましょう」
「寝返ったら?」
「ぼくが、ふふ、にこり」
「なるほど。よくわかりました。こぶしをしまってください」
「他にご質問はありますか?」
「勇者に進化のシステムはありますか」
「聞いたことないです」
「勇者にもそういうのほしいです。魔物を倒すたびに経験値が溜まるとか」
「一定以上溜めるとレベルアップですね」
「『ゆうしゃ は あらたなちから を てにいれた !』」
「どんな力ですか?」
「デコピンで魔物を粉砕する力です」
「つよ……いのでしょうか」
「決め台詞は『んもう……、悪い子ね』」
「妖艶な美女しか言わないやつですよ」
「私は言っちゃだめなんですか」
「勇者さんにはもっと似合う台詞があります」
「聞いてあげましょう」
「頭部粉砕した勇者さんが言うのです。『残念でしたね、頭からっぽのおばかさん』」
「私のイメージどんなんですか」
「イメージというより、ぼくが言われたい台詞です」
「特殊な趣味やめろ」
お読みいただきありがとうございました。
魔物より魔族の方が強い傾向にあります。強い魔物もいます。もうなんでもいる。
勇者「聖水をがぶ飲みすればパワーアップするとか」
魔王「せめて『たくさん飲む』にしてください」
勇者「では、ラッパ飲みで」
魔王「絵面が」




