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710.会話 ハロウィンの話その④

本日もこんばんは。

その①は第141話、その➁は第385話、その③は第549話です。ご参考まで。

「やけに大きなかぼちゃが置いてあるのですが、これはあれですか?」

「はい。今日はハロウィンです」

「そろそろやることなくなったんじゃないですか」

「そうなんですよね。ぼくもいま困っているところです」

「仮装もいたずらもジャック・オー・ランタン作りもした。他に何かありますか」

「なくはないですが、イベントって感じがしないです」

「魔王さんは人間のイベントがお好きですね」

「彼らと同じように過ごすことで、より人間の傍にいるように感じるのです」

「人間の言葉を真似る化物の話してます?」

「ぼくは愛をもって接していますよ」

「それがほんとうに愛なのか、誰も知らないのだった……」

「ホラー映画の始まり方やめてください」

「魔王さんの愛とかどうでもいいですが、パトロールに行きましょうか」

「どうでもいいって言われちゃった。ぐすん。いまなんて?」

「一個ずつ反応しなくてもいいですよ」

「勇者さんがパトロールだなんて珍しい。ほんとに勇者さんですか?」

「どういう意味ですか」

「ハロウィンの夜に混じって別の存在が出現していませんか」

「魔王さんには勇者のなんかそういう感じのあれがわかるのでは?」

「語彙力が乏しいですが、言いたいことはわかりました」

「残念ながら私は勇者ですよ」

「パトロールする勇者さんは残念枠なんですね」

「今日は人間と魔なるものが交差するおかしな夜です。見回りは必要かと」

「セリフが勇者すぎて違和感」

「あまりに失礼だなおい」

「何か企みがあるのですか」

「もちろんです」

「あ、よかった。これでなかったら、いよいよ病院に連れて行こうかと思いました」

「あとで一発殴っていいかな」

「勇者さんがパトロールをする気になった企みってなんですか?」

「あれですよ」

「町中でおかしを配っていますね。こどもも大人ももらえるようです」

「黒いフードを被っていれば、簡易仮装のできあがり」

「いつもの勇者さんじゃないですか」

「魔王さんも聖女の真似事ですね」

「いつものぼくですけどね」

「こうして町を練り歩きながら、問題がないかどうか見ていくのです」

「ちゃっかり籠を持ってきている勇者さん」

「もらえるものはもらっておきましょう」

「ここぞとばかりにもらいに行きましたね」

「ハロウィンなので黒髪でもなーんにも言われません。赤目を見られても、です」

「毎日ハロウィンなら勇者さんのような人も過ごしやすいんですけどね」

「毎日ハロウィンの国ってないんですか」

「探してみます?」

「三食お菓子は困るかも」

「ほどほどが一番ですね」

「共存という意味では最もそれに近い日がハロウィンじゃないですか」

「当然のように魔族が紛れていますからね」

「案外、これが理想の形だったりして」

「ハロウィンの夜が終わればいつも通り。夢幻のような時間なのですよ」

「私はいいと思いますよ。ずーっとハロウィンが続く世界」

「おや、そうですか?」

「だって、見てください。勇者の仮装をした人間たちがこんなにもたくさん」

「勇者さんがいっぱいですね」

「つまり、私が仕事しなくて済む」

「出たな、怠惰勇者さん」

「右を見ても勇者、左を見ても勇者、上を見ても勇者、隣を見ても勇者」

「隣は魔王ですよ」

「おかしな世界なのです。魔王さんも勇者になりましょう」

「世界中が勇者だらけになってしまいます」

「多ければ多い方がいいです」

「お菓子みたいに言わなくても」

「数が増えれば、私のだらけ具合も隠れるでしょう」

「たしかに、戦える人が多いことはよいですが、勇者はその時代に一人だけですよ」

「ハロウィンなのでだいじょうぶです」

「理由になっていない」

「なんてすばらしいハロウィン。勇者がいっぱい」

「勇者は多いですが、他にも増えているものがありますよ」

「なんてことでしょう。あの仮装軍団はもしや……」

「魔王がいっぱいですね」

お読みいただきありがとうございました。

個人的にはハロウィンSSが四回目ということがホラーです。


勇者「勇者軍団対魔王軍団ですか」

魔王「あれだけいたら、本物が混ざってもバレないでしょうね」

勇者「私たちはぽくないので目立つんじゃないですか」

魔王「追い出されちゃいますね」

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