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688.会話 スカウトの話

本日もこんばんは。

SSのネタ考える係がほしい。

「勇者さん、考え直してください」

「嫌です。私はもう決めたんです」

「なんでですか。勇者さんだっていいじゃないですか」

「止めないでください。もう嫌なんです。我慢できません」

「だからって、新勇者のスカウトにその辺のおばあさんを選ばなくても!」

「じゃあ、その辺のおじいさんにします」

「そういう問題ではなくてですね」

「もう我慢の限界です。お昼寝中に神様が夢に乱入してくることに!」

「それはぼくも怒りの極みなんですけど、まずは落ち着いてください」

「あのおばあさんは優しそうな顔をしていました。昼寝乱入事件も許してくれそうです」

「許しはしそうですが、戦える年齢ではありませんよ」

「時代は剣ではなく、言葉です。わかりますか、魔王さん」

「人と会話しない勇者さんから出たとは思えません」

「言葉を交わすことで争いを治め、絆を結び、平和をもたらすのです」

「勇者さんには難しいですね」

「私だって言葉のキャッチボールくらいはできますよ」

「きみの場合は豪速変化球ですけどね」

「人間の言葉を発しているだけ感謝してください」

「元怪物?」

「おばあさんとおじいさんがだめなら、買い物帰りの女性を」

「これからご飯を作るのです。見逃してあげてください」

「では、日曜大工で自分の指に釘を打ってしまった男性を」

「すでにケガしているので候補から外してあげてください」

「元気いっぱいに走り回り、池の中に飛び込む男児を」

「はやく選択しないと服の汚れが取れません」

「お花を摘んでかんむりを作っている女児を」

「微笑ましい光景なので遠くから見守るだけにしましょう」

「じゃあ誰にすればいいんですか」

「勇者は勇者さんなんですよ」

「仕方ありません。こうなったら最後の手段」

「一体なにをする気ですか」

「こんにちは。勇者になる気はありませんか?」

「ひなたで昼寝している猫に話しかけ始めた」

「あなたのもふもふと鋭い爪があれば、魔王の首や頭皮をすぱっとできます」

「ぼくの頭皮になんの恨みが」

「そして、倒れた魔王さんの耳元でこう言うのです。『にゃー』……とね」

「翻訳してください」

「『勇者の力をとくと浴びよ。これまで犯した罪に苛まれながら死ぬがよい』」

「そんな喋ってしました?」

「魔王さんが最後に見るのはそう、猫の超かわいい顔なのでした」

「うれしいかも」

「こういった点を考え、勇者に最も適しているのは猫という結論が出ました」

「猫が人間だったら勇者になれるんですけどね」

「猫が人間だったらなんの意味もないじゃないですか」

「この結論は最初から破綻しているのですよ」

「なんとかルールを改変して、猫も勇者になれるようにしましょうよ」

「世界改変ができるなら、ぼくはとっくにしていますよ」

「何を変えるんですか?」

「え? そりゃあ、勇者に関するあれやこれやそれやどれやですよ」

「やっぱり魔王さんも猫の方がいいんですね」

「ぼくは勇者という存在をびっぐらぶですから」

「私じゃなくてもいいんだ」

「勇者さんが拗ねてる! かわいい!」

「猫でもミミズでもオケラでもアメンボでもトンボでもカエルでもいいんだ」

「この世界のみーんなともだちです」

「顔があんぱんでできているヒーローみたいな発言」

「みんなで太陽に手をかざしましょうか」

「神様も?」

「誰があんなやつの手なんか絶対に握らないこの身が引き裂かれようと絶対に」

「さっきみんなともだちって」

「カッコ書きで神様以外」

「魔王のくせに嘘はいけませんよ」

「魔王ならうそのひとつやふたつ」

「あ、そうだった。また見た目に騙された」

「騙したつもりはないのですが、相変わらず聖なる美少女ですみません」

「やっぱり見た目って重要ですね。ところで魔王さん、お話があるのですが」

「なんでしょう。なんとなく察しましたが、なんでしょう」

「あなたも勇者にならないか」

「確認するところが偉いです。その点、神様ときたら相手の意思も確認せずくどくど」

「これは長くなりそうですね」

お読みいただきありがとうございました。

あなたもSSを書かないか。


勇者「そろそろ愚痴り始めて二時間ですよ」

魔王「少なくともあと五時間は」

勇者「では、愚痴聞き人間をスカウトしてくるので待っていてください」

魔王「なんですかその人間」

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