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679.会話 最高気温の話

本日もこんばんは。

ほどほどが一番。たぶん。

「今日も暑いですね、勇者さん。身体の内側も外側も暑い気がします」

「最高気温は四十度らしいですよ。ここまで暑いと、もう何もわからなくなりますね」

「ほんとです。もはや、自分が燃えているかのように暑いですよ」

「そうでしょうね。実際、燃えていますから」

「え? えっ? え⁉ 火!」

「魔王さんの最高気温を更新しようと思いまして」

「ナチュラル火炙りはやめてくださいよう。びっくりするじゃないですか」

「燃えながらしゃべるのやめてください」

「どちらにせよ暑いので、もういいかなって」

「絵面が大変なことになっていますよ」

「事件ですか? 事故ですか?」

「事件ですね」

「それは大変です。犯人の姿は見ましたか?」

「ああ、はい。私です」

「んもう、勇者さんったらギルティ」

「魔王さんって燃えても平気なんですか?」

「ソーシャルネットワークの炎上に比べれば余裕の喜平(よしへい)です」

「知らんひと出てきた」

「今の時代すぐに燃え上がりますから。勇者さんもちゃんとお仕事しないとだめですよ」

「努力はしたりしなかったりします」

「ぼくが熱く燃えるような応援をしますから、がんばってくださいね!」

「物理的に燃え上がっているひとに言われても」

「そろそろ消火してもいいですか?」

「むしろ、なんで今まで燃えていたんですか」

「一度、ぐっと熱くなった方が今後の暑さに対抗できると思いまして」

「ずいぶん乱暴な発想ですね」

「いやぁ~、冷たい川の水が身に染みますねぇ~」

「あの、なんか魔王さんの見た目が、なんか、黒い靄みたいなんですが」

「おっと、燃えたので形が保てなくなったようですね」

「魔王っぽいですね」

「靄の姿でも勇者さんのことはびっぐらぶですから安心してくださいね!」

「その姿のどこから声を発しているのですか」

「そりゃあもう、こ、こ、ろ……ですよ、勇者さん」

「うわ、やかましい」

「姿かたちがなんであろうと、ぼくの勇者さんへの愛は超ファイヤーですから」

「アウトな発言で炎上するってことですか?」

「一応、気をつけています」

「あんまり配慮は感じませんけど」

「基本的にびっぐらぶで通しているので、ポリスメンの出動はないのです」

「たまに危ういですけどね」

「勇者さんへの気持ちが燃え盛るとそうなります」

「冷水でもかけとこうかな」

「きみの塩対応が厳しい暑さによく効くのです」

「首から上がなければ静かになるのでしょうか」

「冷や汗が塩になる気配がしました」

「今日も暑いですね、魔王さん」

「そうですね、勇者さん。ライターカチカチするのやめてくださいな」

「これからもっと暑くなるみたいですよ」

「そうなんですか。厳しい猛暑ですね。あの、ライターカチカチ」

「今からもっと熱くしましょうか」

「漢字が違うよう」

「もやもやした魔王さんが不気味で仕方ありません」

「すみません、いま形成中ですので」

「応援しています」

「ぼくのもやもやの中にライターを入れているのは幻覚でしょうか」

「今日は暑いですからね。熱中症ですよ」

「着火タイミングを計っているような気がするのですが」

「ちゃんと使えるか確認しているのです」

「ぼく、さっきも燃えましたよ」

「もっともっと熱くなりましょうよ」

「勇者さんに似合わないセリフですね」

「気持ちの最高気温を更新するんです」

「熱血コーチが言いそうな」

「燃え上がった先に新しい景色が待っている」

「もやもやした世界が」

「陽炎が私を呼んでいるような気がします」

「それこそ幻覚……って、勇者さんが目を回している!」

「魔王さんのそばにいたら熱くなりました」

「そりゃ、ぼくは身も心も大炎上ですから。そう、きみへの愛はキャンプファイヤー!」

「発言には気をつけてくださいね」

お読みいただきありがとうございました。

靄魔王さんの登場はひさしぶりですね。


勇者「魔王さんが捕まる日も近いかもしれません」

魔王「その時は魔王ぱぅわぁーでどうにか!」

勇者「面会は行けたら行きます」

魔王「それ来ないやつですよ」

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