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638.会話 古い時代の話

本日もこんばんは。

古い時代とは一体いつのことやら。

「とっても昔の夢をみたのです」

「魔王さんが言う『昔』って、どれくらい前のことなんですか?」

「まだ世界に人間が存在しなかった頃とか」

「ああー、いにしえ」

「神様の力で世界が創られていった頃とか」

「ああー、ファンタジー」

「ぼくがうまれた頃とか」

「ああー、なんて言えばいいかわからない」

「遠い過去のことですよ」

「その夢と私たちが向かい合っていることに何の関係があるのでしょう」

「過去の話をすることで、未来に繋がることもあるのです」

「よくわかりません」

「題して『ジェネレーションギャップを感じよう大会』です」

「まだわかりません」

「ぼくが古い時代の話をするので、気になったことがあれば手を挙げてください」

「なるほど。強制参加ですか?」

「任意です」

「では、ご遠慮させていただきます」

「ちょっ、ちょっとだけでいいので、ね。お願い、お願いです」

「ほぼ強制じゃないですか」

「えー、こほん。何が知りたいですか?」

「また勢いだけで始めたようですね」

「勇者さんとおしゃべりしたいだけです」

「ジェネレーションギャップと言われても、文化を多く知っているわけではありません」

「ぼくたちだけの文化を挙げていきましょうか」

「殺し合い?」

「また物騒な」

「だって、勇者と魔王ですよ。やるべきことはひとつでしょう」

「ははーん、わかりました。殺し合いと書いてびっぐらぶと読むのですね?」

「そんなルビは存在しません」

「ぼくの目には見えますよ」

「紛れもなく幻覚ですし、どこ向いてんですか?」

「普通のひとには見えないものが見える不思議ちゃんキャラもいいかと」

「すでにじゅうぶん不思議です」

「またの名を霊能者といいます」

「お帰りください」

「お還りください?」

「そういうことをだな……」

「いやぁ、すみません。遥かいにしえの時代の魂に想いを馳せてしまって」

「馳せたところで人間の魂は巡るのですから、想いの一方通行ですよ」

「地縛霊がいるかもしれないでしょう?」

「どれだけ未練が強いんですか」

「おいしそうな食べ物がどんどん生まれる……。羨ましい……」

「食の恨みはすごいと言いますもんね」

「かわいい子がどんどん生まれる……。びっぐらぶ……」

「誰が発言しているかで問題に発展しかねません」

「ぼくです」

「安心しました。ちゃんとアウトです」

「いつも通りの発言だと思うのですが」

「いつもがアウトということです」

「長く生きてきて、新たな発見をしましたよ。この驚きも後世に伝えなくては」

「ちゃんと残りますよ。逮捕歴として」

「んもう、勇者さんったらポリスメン」

「今と昔では価値観に違いがあったでしょうから、魔王さんの犯罪が許された時代もあったと思うと不思議な気分になりますよ」

「愛情たっぷりの発言は犯罪ではないのですが」

「今と昔、どちらがよかったと思いますか?」

「そうですねぇ……。いつの時代も大事ですが、やっぱり今ですね!」

「なぜです?」

「決まっているじゃないですか。勇者さんがいるからです」

「もっといにしえのことも大事にしてください」

「大事にしていますとも。過ぎたものもちゃんとぼくの中に残っていますよ。ほら」

「これはまさか」

「勇者さんコレクションです」

「物的証拠」

「や、やめてください。盗撮はちょっとしかしていません!」

「ちょっとしてる時点でアウトなんですよ」

「だってぼく魔王ですもん!」

「やかましいですよ。もしもし、ポリスメン?」

「通報しないで!」

お読みいただきありがとうございました。

ポリスメンもびっくり。


魔王「先に疑われるのは勇者さんの方ですよ」

勇者「偏見ってよくないですよね」

魔王「フードを深く被るからじゃないですか?」

勇者「赤目を見られたらアウトなんですよ」

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