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626.会話 恐竜の話

本日もこんばんは。

ロマンと肉汁が溢れる恐竜の話。

「魔王さんはとても長生きなんですよね」

「はい。この世界の初め辺りから存在していますよ」

「では、実際の恐竜も見たことがあるのですか」

「もちろんです」

「ホネホネしていました?」

「これは化石ですから、実際はニクニクしていましたよ」

「よかったです。これだとあまりおいしそうには見えなかったので」

「食べる気でいらっしゃったのですか」

「いらっしゃいましたよ」

「さすが勇者さん。なんでもかんでも食べようとする幼児に負けず劣らずです」

「褒められている気がしないな」

「とはいえ、恐竜は大きな個体が多かったので、食べるのは大変でしょうね」

「私の魔法には毒作用があるので、恐竜時代なら重宝されたと思うのですが」

「今でも強力ですよ」

「大切にされたかもしれない時代」

「ぼくが大層大事にしている今の時代をお忘れですか?」

「想像するだけなら罰は当たりませんよね」

「想像ではなく現実ですよ。こっち見てください、ほら」

「どんな味がするのかなぁ」

「こっち見てください、勇者さん!」

「ホネホネした魔王さん?」

「それはアンモナイト化石です」

「ああ、魔王さん……。こんな姿になっちゃって」

「ぼくは隣でしゃべっていますよ」

「たまには固まりたい時もありますよね」

「どんな感情なんですか」

「ホネホネしたくなる時もあるかもしれません」

「これまでの経験を踏まえ、勇者さんの脳内を当ててみます。骨付き肉の話ですね?」

「おお、正解ですよ。すごいですね」

「一応、ヒントもありましたので」

「骨付き肉って、骨の分だけ食べられる肉が減るはずなのに、なぜかおいしいのです」

「旨味が出るのでしょうか」

「獣がしゃぶるのも理解できます」

「人間になってください」

「もし、こんな大きな骨付き肉が夕飯に出てきたらと思うと……」

「夢がありますね」

「食べ切れない分をどのように保存するか考えておかないといけません」

「現実的な勇者さん」

「干し肉にしましょうか」

「保存食になりますね」

「そうと決まれば、今すぐ恐竜を捕まえに行かないとです」

「時代を遡るのですか?」

「そんなことできるんですか?」

「神様からアウト判定をくらいますね」

「つまらないひとです」

「時をかける勇者さんを見てみたいのですが」

「神様と会話したくないので遠慮します」

「仕方がありません。まだ生きている恐竜を探しましょう」

「いるのですか?」

「前にも言った気がしますが、恐竜をペットにしている魔族を知っています」

「ペット……。じゃあ……、食べちゃだめですね……」

「すごく残念そう」

「ひとかけらだけでも……」

「よほど食べたいのですね」

「ホネホネ恐竜を見ていたら気になっちゃって」

「ぼくも、恐竜に乗る勇者さんを見てみたいです」

「乗るんですか」

「遊園地内の公園に恐竜の模型があって、楽しく遊ぶこどもをカメラで撮るでしょう?」

「え、いや、知りませんけど、何の話ですか」

「恐竜はこどもに大人気なんです」

「そうなんですね」

「きみも然り」

「私は食べたい派ですけど」

「人気であることにかわりはありません」

「興味は出ました」

「こどもの期待に応えるべく、ぼくは恐竜ハンターになろうと思います」

「誰かのペットを無断で攫ってこないでくださいね?」

「そんなこと言われましても、この化石だって無断採掘ですよ」

「土地の所有者に許可取っていないとか?」

「いえ、ご本人の方」

お読みいただきありがとうございました。

そもそも、恐竜っておいしいのでしょうか。


勇者「墓荒らし的なイメージですか」

魔王「かもしれません」

勇者「祟られますか?」

魔王「ちょっと時代が古すぎますね」

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