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514.会話 パイナップルの話

本日もこんばんは。

パイナップルの日と聞いて、これは書かなくては……!と思ったり思わなかったりして書いたSSです。

「魔王さん、これは新しい武器ですか」

「まさかパイナップルのことじゃないですよね?」

「だってこのとげとげを見てください。触ってみてもこんなに……、痛いっ」

「ケガをしないでくださいね?」

「魔王さんが武器を机の上に置くからです」

「武器ではありません。食べ物です」

「ついに頭がおかしくなりましたか」

「なっていません。勇者さんにおいしいフルーツを食べていただこうと思っただけです」

「これが食べ物ですか。最初に食べようと思った人はチャレンジャーですね」

「空腹でどうしようもなかったのでしょう。さて、これをこうして、はいどうぞ」

「きれいな黄色です。まずはミソラに食べさせてあげよう」

「平和な光景」

「ハッ、危険があるかもしれないので、まず私が毒味します」

「やっぱり物騒」

「甘い。おいしいです。どうぞ、ミソラ」

「トッテモオイシイヨ!」

「どこから声だしてんですか」

「僭越ながらミソラさんの感想を代弁させていただきました」

「そうですか。魔王さんもどうぞ」

「ありがとうございます。それはとげの部分ですね」

「舌に突き刺さるおいしさです」

「痛みで何もわからなくなると思います」

「……?」

「どうしました?」

「ひはがひりひりすふるようなひがひまふ」

「舌がひりひりするような気がします? ああ、それは成分によるものですよ」

「毒かと思いました」

「ぼくが食べさせるわけないでしょう」

「とげを渡した腹いせに」

「ふふん、勇者さんのいたずらなんてかわいいものです」

「パイナップルにびっくりしたので、葉っぱの冠を作りました」

「ワイルドな冠ですね」

「魔王さんに贈呈します」

「ありがとうございます。うれしいです。ちょっと刺さっていますけど」

「魔王のくせに王冠すら被っていないので、ちょうどいいですね」

「輪っかはありますよ」

「王に相応しいとは思えません」

「パイナップル王冠もどっこいどっこいです」

「なんとなく強そうじゃないですか?」

「なんとなくどころか痛っ割と強いです痛っ刺さると危険です痛っ」

「被る者すら傷つける。王の器たらん者には鉄槌が下るのですね」

「まだ鉄槌の方がいいかもしれない」

「パイナップルを武器にする。意外といい方法かもしれませんね」

「食べ物としては攻撃力が高いと思いますよ」

「いざとなったら食べられる点もポイントが高いです」

「食用可は旅人にとって重要ですね」

「戦う前に、まあまずはお茶でも」

「ぼくのことかな」

「パイナップルを食べながらお話でもいかが?」

「ぼくを思い出します」

「穏やかな空気になったところでとげとげアタック」

「さようなら、平和」

「パイナップルのような色の太陽を二度と見られると思うなよ」

「決め台詞ですか?」

「太陽の色って黄色ですか? 赤色ですか?」

「時と場合によります」

「では、パイナップル勇者の場合は黄色の太陽ということで」

「ですが、見られなくなるんですよね」

「そうですね。目潰し攻撃によって」

「平和に戦いましょうよう。早食い対決とか」

「何を早食いするんですか?」

「え? えーっと、えっと、ううーん、……パイナップル?」

「今ここにある食べ物がそれしかありませんもんね」

「パッと思いつくものがありませんでしたぁ……」

「アイスクリーム三本勝負とか」

「ぼく、途中で落としそうです」

「牛乳早飲みとか」

「ぼく、途中でリバースしそうです」

「パイナップルのとげとげ部分早食い勝負」

「それは食べ物じゃないです」

お読みいただきありがとうございました。

対決ファンタジーワールド。


勇者「舌がばかになれば、なんでも食べられると思います」

魔王「だからってとげとげは食べちゃだめです」

勇者「焼けばいける?」

魔王「いけません」

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