表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
485/705

485.会話 願いごとの話

本日もこんばんは。

七夕ですので、それっぽいSSです。

「勇者さん、短冊を用意したので願いごとを書きましょう!」

「楽しそうですね」

「るんるんるんるんるんるんるんるん~!」

「楽しそうですね?」

「だって一年に一度の行事ですからね。楽しまなくては損ですよっ」

「毎日がエブリデイのくせに」

「毎日がオンリーワンデイなのですよ」

「願いごとを紙に書くんでしたっけ。前にもやりましたね」

「国独自の文化はたくさんありますからね。こちらも似たようなものですが、星に掲げるのではなく笹に括り付けます。これです。わっさわっさ」

「笹ですか。おいしそう」

「パンダ勇者さん」

「願いごとね……。私はいいです」

「ぼくは勇者さんのあるてぃめっとはっぴーをお願いしようかと思います」

「ご自分のための願いごとを書いてください」

「ぼくもはっぴーになるための願いごとなので、これでいいのですよ」

「やれやれ……。魔王さんは人間の文化がお好きですよね」

「楽しいので」

「全世界の楽しいイベントを網羅する旅に出るとか言い出しそうですね」

「お望みならば」

「お望んでいません」

「願いごとはなんでもいいのですよ。例えば、人類滅亡とか」

「私に寄り添った例を出さないでください」

「和洋中食べ放題とか」

「風情も何もない」

「超高級最上級至高布団」

「目が疲れる」

「どうぞ、こちらにペンが」

「今の中から選ばないといけないのですか?」

「例えばなので、お好きに書いていいですよ」

「今日の夕飯のメニューでも?」

「それは言っていただければ作りますので」

「この願いごとは誰が叶えてくれるのですか?」

「夕飯のメニューならぼくですね」

「人類滅亡だったら?」

「とりあえず緊急会議をします」

「では、間をとって魔王さんの首」

「存在しない間をとらないでください」

「もらってもうれしくないのでいらないです」

「もっとロマンチックな願いごとにしませんか? 流星群とか」

「命中率が九十パーセントの?」

「そっちじゃない」

「まあ、きれいな星は見たいですけど」

「そういうことを短冊に書けばいいのですよ」

「その願いごとは私が書くものではありませんから」

「では、きみは何を書くのですか?」

「うーん。あんまり思いつかないですが、どうしてもと言うなら、はい」

「見てもいいのですか?」

「どうぞ」

「なになに……、『今夜は晴れますように』ですか」

「天候ならわかりやすいですし、今のところいい天気ですから」

「これなら叶いそうですねぇ」

「晴れたところで私は宿の中にいますけど」

「いつもの勇者さんですね」

「魔王さんは書きましたか?」

「もちろんです。ほら、『勇者さんがあるてぃめっとはっぴーになりますように』」

「まじで書いたんですか」

「とーぜんです。ぼくに二言はありませんよ」

「こればかりは二言があってもいいと思いますが」

「すいぱーはいぱーあるてぃめっとうるとらはっぴーに変えるというのなら」

「い……いいです。ちょっとよくわからないですし」

「ぼくの語彙力に圧倒されてしまったみたいですね」

「そーですね」

「なんでそっぽ向くんですか」

「いい天気なので、今夜はきれいな星空になりそうですね」

「そうですねぇ。それでは、ぼくはおそうめんを茹でてきますね」

「今日の夕飯ですか?」

「そうですよ。他に食べたいものがあれば言ってくださいな」

「笹は?」

「あれは食用ではありません」

お読みいただきありがとうございました。

やっぱりロマンチックにはならない。


魔王「きれいに晴れましたねぇ。星がきれいです」

勇者「天気予報が当たってよかったです」

魔王「勇者さんの願いごとのおかげかもしれませんよ」

勇者「そういうことにしてあげましょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ