465.会話 生活リズムの話
本日もこんばんは。
寝る前に画面を見るのはよくないそうです。SSを読んだら3秒以内に寝てください。
「ぐーたらのんびりしている割に、意外と生活リズムが整っている勇者さん?」
「ただ呼ぶだけなのに前置きが長いですね」
「根が真面目なんですねぇ」
「魔王さんは生活リズムが終わっていますけど」
「そ、そんなことありませんよ」
「朝、全然起きないじゃないですか」
「起きないだけでリズムが崩れているわけではありません」
「妙なことを言いますね」
「トラブルがなければ三食きちんと食べますし、日付が変わる前に眠りますよね」
「夜更かししたら魔王さんがうるさいですし」
「早寝早起きができて偉いです」
「ご飯を抜いたら魔王さんが心配しますし」
「体調不良の合図です」
「そもそも眠いので寝たい」
「怠惰の神ですもんね」
「やかましいわ。それに、ご飯だって食べたいから食べているのです。食べたくない時は食べません。眠くなくても寝ますけど」
「愉快なくらい人間らしくていいですね」
「人間など滅べばいい」
「愉快なくらい勇者らしくなくてだめですね」
「流れでいけるかと思ったのですが、だめでしたか」
「むしろ、よくいけると思いましたね」
「魔王さんってちょろいから」
「そうですね。そうですねじゃないですよ、怒りますよ」
「怒るんですか?」
「ぷんぷんって言います」
「うわ」
「うわとか言わないでください。傷つきます」
「うわぁ」
「言い方の問題ではないのです」
「でも、生活リズム以上に何もかもが乱れている魔王さんだからワンチャン」
「何が乱れているというのですか」
「美的センスとか」
「それは乱れていません。壊れているのです」
「もっと悲しい方にいきましたね」
「事実です。ぐすん」
「歌唱力の乱れも凄まじいですよね」
「歌唱力と書いて破壊力と読みます」
「切ない」
「ぼくはこう見えて、ちゃんと現実を見ているのですよ」
「目が泳いでいますけど」
「目の運動です。視力を回復させ、勇者さんをより鮮明に見ようと思います」
「目が悪いんですか?」
「悪いと言ったらよしよししてくれますか?」
「そりゃあ、もちろん」
「えっ、ほ、ほんとですか」
「しませんよ」
「ですよね」
「こびりついた油汚れは金たわしで、ということわざがあるように」
「どこで聞いたんですか」
「魔王さんのしつこいねぼすけも力技で解決」
「繋げ方が無理やりですね」
「生活リズムの乱れを一刀両断」
「勇者さんの場合、一刀両断の意味がそのままのような気がします」
「油汚れと魔王さんは同じということです」
「一緒にされたくないです」
「金たわしが効くということで」
「ぼくは魔王です。油汚れじゃないです」
「ごしごし削ぎ落としていこうと思います」
「冷静になってください」
「金たわしを掲げるだけで本日の勇者業ノルマは達成です」
「ハードルの低い勇者ですね」
「ハードルは超えるためにあるものではない。潜るためにあるのだ」
「名言っぽく言わないでください」
「横をすり抜けてもいい」
「悪知恵ばかり働くんですから」
「へし折っても可」
「可、じゃないんですよ」
「こうして生まれたのが、ハードルのハの字もないぐーたら生活ということです」
「なるほどとは言いませんよ」
お読みいただきありがとうございました。
生活リズムは狂ってるくらいがちょうどいいです。嘘です。
勇者「食事の提供時間が決まっている宿にいると強制的に直される気がします」
魔王「リズムが崩壊した時はお宿に決まりですね」
勇者「その前に、魔王さんに直される気がします」
魔王「それはそう」