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449.会話 ブアメードの血の話

本日もこんばんは。

たまによくわからんサブタイがつくことで有名だったり有名じゃなかったりする作品はこちらです。

「今から魔王さんの首をちょびっと切ろうと思います」

「待ってください、ぼくたちは全年齢の味方だということをお忘れですか」

「私は誰の味方でもありません」

「勇者なのに」

「だからこそ平等であるとも言えます」

「それっぽいこと言わないでください。とりあえずナイフをおろして」

「振り下ろす?」

「仕舞うって意味です」

「あ、奪われた。意味が全然違うじゃないですか」

「すみません、物騒すぎて」

「本を読んでいたら、おもしろい実験の話がありましてね」

「すでに嫌な予感しかしません」

「魔王さん、ブアメードの血の実験ってご存知ですか?」

「簡単に言うと、思い込みで死ぬ話ですね」

「プラシーボ効果やらノシーボ効果やら、色々書いてありましたが、簡単に言うと思い込みで死ぬという話だそうです」

「いまぼくそれ言いましたよね」

「そういうわけで、魔王さんで実験しようと思ったのです」

「理解しましたが、からくりを知っているぼくには効果がないと思いますよ」

「えー、つまんないの」

「かわいい」

「魔王さん」

「おっと。いまは真面目な顔をしなくてはいけませんでした」

「真面目な顔はしているんですけどね、心の声がね」

「一切の躊躇いなく全部出ます」

「もう少し努力してほしい気持ち」

「難しいです」

「良くも悪くも素直すぎる魔王さんは、きっとすばらしい実験体になったと思うのです」

「きみも大概、心の声をそのまま言いますよね」

「やっぱり遊びたいです」

「実験を遊びと言ったらマッドサイエンティスト勇者さんになりますよ」

「そういう路線はお嫌いですか?」

「好きに決まってんじゃないですか勇者さんならなんでも好きですよぼくは」

「では、椅子に座ってください」

「それとこれとは話が別というか」

「えー、けち」

「かわいい」

「魔王さん」

「すみません」

「かわいいかわいいと言いますが、魔王さんの思い込みが激し過ぎると思うのです」

「つまり、勇者さんはそこまでかわいくないと?」

「圧がすごいな」

「この愛おしさはぼくの思い込みだとおっしゃる?」

「なにこの圧」

「いいでしょうぼくの首をお斬りなさいいくら血が流れようとぼくの勇者さんへの愛は消えることなく絶対に永遠に在り続けると誓いましょうさあ斬るのですザクっとさあ!」

「えー、こわい」

「かわいい!」

「やかましい」

「すみません」

「とりあえず、思い込みによって感情の増幅があることはわかりました」

「思い込みではなく純粋な想いですよ」

「これを論文にまとめ、全世界に公開したりしなかったりしようと思います」

「迷いがみられる研究者ですね」

「魔王さんの醜態が晒されると思うと、さすがの私も良心が痛むのです」

「優しいフリをしてぼくの悪口を言っていますよね」

「胸が苦しいですよ」

「病気ですか⁉」

「ただの表現で――」

「お医者様! 病院! ええい、この際ヤブさんでもいいです!」

「あの、だいじょうぶです。元気で――」

「ぼく、ヤブさんを探してくるのでここで安静にしていてください!」

「ちょっと待っ――ああもう、思い込みが激しいですよ!」

「あれ、な、なんで怒っているんですか? かわいいですね、写真撮りたい。怒っている勇者さんはレアなので動画も撮って、三百六十度眺めたいです」

「すぐそういうこと言う……!」

「ええ……? というか、ぷんすか勇者さん激かわですねっ」

「…………」

「なにゆえ震えているのですか? やはり体調が悪い……!」

「ちがーう!」

お読みいただきありがとうございました。

勇者さんと魔王さんのSSはありとあらゆる病に効果があると思い込んで読むといいことがあったりなかったりします。


勇者「今日の夕飯はカレー、今日の夕飯はカレー、今日の夕飯はカレー……」

魔王「思い込まなくても作りますよ」

勇者「おいしかったです」

魔王「食べた思い込み……?」

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