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410.会話 死神の話

本日もこんばんは。

例のごとくSSにご本人登場はありません。

「魔王さん、その手紙はもしかして」

「ぎゃーーーーー‼」

「やかましいですね。何なんですか」

「触ってはいけません! だめです危ない危険デンジャラス!」

「真っ黒な手紙……。死神さん、でしたっけ」

「…………」

「なんですか、その顔」

「以前、ぼくに届いた手紙を説明した時に死神の存在を知らせてしまったこと、今となっては後悔しているのです」

「どうしてですか?」

「存在を知っているというだけで不利に働くことがこの世の中にはあるのです」

「よくわかりません」

「知らないことが無意識の防御になるということです」

「な……るほどらない。いまいちわかりません」

「知らなくていいことも世の中にはあります!」

「必死ですね。ははーん、おもしろい気配を察知」

「やめてくださいまじで」

「ガチの顔じゃないですか。魔王オーラが出ていますよ」

「おっと。仕舞い仕舞い」

「死神さんはそんなにやばいキャラなのですか?」

「大人しいひとですが、なにぶん役割というか役目というか存在が危ないので」

「世界的に危険人物である魔王さんに言われても」

「それに、あれはぼくたち側の存在なので、あまり関わらないでほしいのです」

「魔王さんって、たまによくわからないことを言いますよね」

「もう何も訊かないでください……」

「手紙の内容はどんな? どういう文章を書くんですか? 死神って何人くらいいるんですか? 今まで死神さんと会ったことのある勇者っています?」

「めちゃくちゃ質問するじゃないですか」

「読んだだけでも死んだり?」

「それはさすがに」

「なんで真っ黒な便箋と封筒なんでしょうか」

「それはですね、一目見てすぐ死神からだとわかるように配慮してくれているのですよ」

「優しさですか」

「あれは死が具現化したものですからね。生者に触れると生気を奪っちゃうので」

「おおー、強そう」

「手紙はただの手紙ですが、あれなりに気を遣っているのでしょうね」

「へえー」

「昔は花とか蝶とか、かわいいものがあしらわれた便箋を使っていたのですが」

「今の真っ黒な便箋からは想像できませんね」

「変わったのは、勇者さんと旅をするようになってからでしょうか」

「私ですか? それはまたどうして」

「たしか、真っ黒便箋初回時に理由が書いてあったような。なんでしたっけ」

「気になるので思い出してください」

「ええっと、うーんと、うむむむ……。なんだっけぇ……?」

「…………」

「そんな目で見ないでくださいよう。死神からの話はろくなもんじゃないんですから」

「でも、こうして定期的に手紙を送ってくるということは、それなりに理由があるんじゃないですか?」

「九割はどうでもいいことですよ」

「十割どうでもいい話をしている私たちよりマシです」

「言葉の切れ味が抜群ですこと……」

「切れ味といえば、死神が持っているとされる鎌、ちょっとかっこいいですよね」

「えー、そうですかぁ?」

「しいたけ採りやすそう」

「しいたけかぁ」

「焼いて醤油かけて……。バターもいいなぁ」

「お腹すきましたか?」

「すきました」

「死神は食事を必要としないので、勇者さんとは分かり合えないでしょう」

「なんてさみしい」

「しいたけも採るだけになってしまいます」

「なんて切ない」

「炭火焼きしいたけのおいしさを知らないまま生きているのですよ」

「なんて悲しい」

「そういうわけで、勇者さんは死神とは関わらなくていいです」

「結論がめちゃくちゃですね」

「死神のことは忘れてください」

「覚えているとどうなりますか?」

「今後一切、かさの小さなしいたけしか食べられなくなります」

「今すぐ忘れますね」

お読みいただきありがとうございました。

いつか物語パートで出そうと色々考えているキャラばかり増えていきます。


勇者「真っ黒な便箋なんてどこに売っているのでしょう」

魔王「あ、それなら近くの百均に」

勇者「百均」

魔王「三十枚セットで百円ですよ」

勇者「安いな」

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