378.会話 ヤタガラスの話
本日もこんばんは。
ごちゃまぜファンタジーワールドなのでヤタガラスだって出てきます。
「魔王さん、さっき三本足のカラスを見たんですが、そんな鳥いましたっけ」
「あー………………、いません」
「その間はいますよね」
「きみは興味を持たなくていいです」
「あ、これは神様関連ですね」
「きみは興味を持たなくていいです」
「ロボットになっちゃった」
「というか、どこにいましたそのカラス。殺してくるので教えてください」
「魔王オーラが漏れ出ていますよ」
「おっと。……いえ、今は隠す必要がないですね」
「ガチな魔王さんだ。三本足のカラスってそんなにまずいものなんですか?」
「別に害はありませんけど、気味が悪いので殺しておこうかと」
「すごいですよ。今日はめちゃくちゃ魔王っぽいです」
「光栄です。いっちょ殺ってきますよ」
「魔王さんが勢いよく飛び出してから数分後」
「戻りました。無事殺りました。満足です」
「お風呂上りのようなすっきりしたお顔ですね」
「いやぁ、はっはっは。まあ、何度潰しても出てくるんですけどね」
「うわぁ、不気味」
「そうでしょう?」
「魔王さんみたい」
「そうでしょ――そんなぁ」
「三本足のカラスは神様側。よし、次に見つけたら焼き鳥にします」
「あんなばっちいもの食べちゃだめです。神様の力でできているのでお腹壊しますよ」
「私、勇者ですよ」
「ぼくがいやなのでやめてください」
「素直ですね」
「あのカラス……ヤタガラスと言いまして、神様が下界を監視する時に使うんですよ」
「つまり、覗き魔ですか」
「そうですね。気持ち悪いので見つけ次第潰してください」
「神様やべえな」
「勇者さんからの好感度が下がる音がしました。神様ざまぁ!」
「あ、ヤタガラス」
「焼き鳥照り焼きチキン唐揚げチキン南蛮親子丼チキンパエリアーーー‼」
「殺意の波動を鶏肉料理で隠しましたね」
「おのれバンバンジー……。カオマンガイをチキンカツでサラダチキン!」
「これがオブラートの新たな姿ですか」
「鶏ささみクリスピーチキンがトマトチリソ―スのクリーム煮!」
「お腹すくのでやめてください」
「ぜえ……はあ……。今日の夕飯は鶏肉料理で決まりですね」
「ヤタガラス使用は嫌ですよ」
「安心と信頼の精肉店で買うので安心してください」
「あ、またいる」
「このやろー! どっか行けー! 勇者さんとの旅を邪魔したらぶっ――」
「…………」
「…………」
「…………」
「……ぶぶ漬けにしますよ……」
「耐えましたね」
「ぼくのキャラが崩壊する危険性があったので……」
「魔王の魔王さんはたまにしか見られないのでギャップですよ」
「萌えますか?」
「いや別に」
「そんな」
「ていうか、ぶぶ漬けってなんですか? 漬物?」
「お茶漬けの別名ですね。今度、作ってあげますよ」
「ヤタガラス入りですか」
「そんなもの入れるくらいなら切腹します」
「誰が?」
「ぼくが」
「ハチャメチャですね。ヤタガラスを捕まえて何かすれば魔王さんが隣で死ぬんですか」
「あれに触ったらすぐ消毒してくださいね。手洗いは三分以上」
「ばい菌……?」
「勇者さんは体調がかわいそうなんですから対策するにこしたことはないんですよ!」
「あ、ヤタガラスがこっちに飛んできましたよ」
「火炎放射器持ってませんか?」
「ガチだ」
「ええい、めんどくさい。消えなさい、光魔法!」
「……塵すら残っていない」
「だーーーもうっ‼ 神様だいっっっきらいです!」
お読みいただきありがとうございました。
魔王さんの心労。
魔王「うぅ~……、イライラします!」
勇者「珍しいですね。では、私は存在を消して静かにしています」
魔王「こんな時こそおしゃべりしましょうよう」
勇者「独特なストレス発散方法ですね」