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354.会話 遊園地に来た話その⑤・休憩

本日もこんばんは。

休憩タイムです。

「そろそろお昼ごはんの時間ですね。何か食べたいものはありますか?」

「焼きそばにフランクフルト、チュロスにクレープ、ラーメン、オムライス……。遊園地はお祭りなんですか」

「お祭りのように楽しい場所ですよ。お好きなものを食べてくださいね」

「ということで、選ばれたのはラーメンでした。ずずずずずず。おいしい」

「さて、お昼ごはん兼休憩タイムですので存分にゆっくりしてください」

「それにしても、遊園地とはなかなか興味深い場所ですね」

「お気に召したでしょうか?」

「三半規管破壊装置、共演NGアトラクション、哀れな馬、無免許運転……」

「もうちょっと表現をですね?」

「マップを見る限り、まだ半分も遊んでいないようです。果たして私たちを待ち受ける驚きの世界とは一体。次回、魔王さんを八つ裂きにしてポイントを貯めるアトラクション」

「物騒なことを」

「首は三ポイント、両手両足は一ポイント」

「間の二ポイントはなんですか?」

「追い剝ぎです」

「野蛮」

「魔王さんの服をひっぺ剥がしたら二ポイント」

「ぼくの服は両手両足よりも価値があるのですか」

「その方が面白いかなぁと」

「面白さを求めて服を剥がされる魔王なんて……、ちょっとおもしろいですね」

「まあ、片手にチュロス、もう片方にクレープを持って食べている魔王さんの方がよっぽど意味わからなくておもしろいですよ」

「光栄です」

「褒めてません」

「絶妙な高価格を見ると『遊園地に来た~』って感じがしますよ」

「あ、やっぱりちょっと高いですよね。そういうものなんですか?」

「そういうものです。勇者さんが価格を見て首を傾げ、一通り確認してまた首を傾げ、心配そうに周囲を見回したのはとってもかわいかったですよ」

「なっ……に見てんですか」

「一番安いラーメンを選んだのもきゅーとでした」

「単に食べたいと思っただけです」

「気にしなくていいのに~。デザートは食べますか?」

「チュロス一本の値段とは思えませんでした」

「信じられないという目でぼくを見ますね」

「よくあの値段で買ったなぁと思って……」

「勇者さんの分も買ってありますよ」

「いつの間に」

「それに、今日はぼくのご褒美でもありますので」

「どゆこと」

「ご存知でしょうか、勇者さん。遊園地という場所に大切な人とくる重要性を……」

「なんで照れてるんですか?」

「すごい。一ミリもわかっていない顔。すごい」

「ていうか、お昼ごはんは甘いものだけですか?」

「あ、全然違う方にいった」

「せめておむすびくらいはお腹に入れたほうがいいですよ」

「そ、そうですね……。あとで買おうと思います」

「…………」

「箸が止まっていますが、どうしましたか?」

「至る所で人間が楽しそうだと思いまして。ここは特別な場所なのですね」

「わ、わかりますか⁉」

「勢いがこわい」

「昼間から日が沈んだ夜の時間まで夢が続くすばらしい空間なのですよ、勇者さん!」

「勢いが……って、夜まで?」

「はいっ」

「ここ、夜になっても営業しているんですか?」

「はいっ!」

「遊園地配属の聖女でもいるんですか」

「さあ? まあでも、なんでもいいじゃないですかぁ~」

「テキトーですね」

「お昼ごはんを食べたら後半戦ですよ! ぼくの立てた遊園地デー……おおっと、楽しく過ごす遊園地プランをじっくりがっつりしっかりきっかりお届けするのです!」

「今日は元気そうですね。いつもか」

「分単位で計画を立てています。ふふふふ……、ぼくは今日を待ち望んでいたのです!」

「えぇー、忙しいの嫌です」

「だと思いまして、勇者さん単位の計画も立てています。いついかなる時でも柔軟に対応できるよう、今この時も新たなプランを脳内や園内やマップ内であれやこれや!」

「休憩タイムなのに全然休んでいませんね」

「勇者さんを見ているだけで充電できるのでおっけーです」

「便利なひとだなぁ」

お読みいただきありがとうございました。

後半戦スタート。


魔王「勇者さんに『食事をしろ』という目で見られるのでアイスも買ってきました」

勇者「食事……」

魔王「高カロリーですよ?」

勇者「うん……」

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