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329.会話 こんにゃくの話その➁

本日もこんばんは。

5月29日が『こんにゃくの日』だと知り、書かないわけにはいかなかった第2回こんにゃくの話です。

「魔王がこんにゃく苦手という世界も愉快なものですよね」

「こんにゃくの話ならご遠慮いたします」

「私とのおしゃべりを拒絶するとは」

「こんにゃく以外のお話をしましょうよ。そ、そうだ! 今日のおやつは何に――」

「しらたきもダメなんですか?」

「うぐぅ……。今日はこんにゃくの話なんですね……。わかりました……」

「私、しらたきがこんにゃくだって最近まで知りませんでした」

「製造方法の違いですね。固まる前にひも状にすることで作るこんにゃくですよ」

「苦手と言うわりには詳しい」

「世の中に存在するこんにゃくを知っておかないと悲劇が起きてしまいますから……」

「町や国にはその場所の名産品なるものがありますよね」

「旅をしているぼくたちはそれを楽しみにしていることも多いですね」

「こんにゃくが名産の国」

「……あるでしょうね」

「旅をしていればいずれ」

「……行くかもですね」

「朝昼晩おやつこんにゃく」

「…………ヴッ」

「想像だけで死にそうになる魔王さん、おもしろいですね」

「ぼくたちの旅に目的はあれど目的地はありません。ゆえに、行きたくない場所にはいかなくてもいいのです」

「こんにゃくの国、行ってみたいです」

「ヴッ。ゆ、勇者さんが言うなら……ぼくも……一緒に……い、逝きますからぁ!」

「間違えてますよ」

「あ、ほんとだ。一緒に行きますから!」

「食事すべてにこんにゃくが入っていても?」

「ぼくは不老不死ですから」

「震える笑顔でおっしゃっていますが、こんにゃくを食べても死にませんし、そんなことに不老不死を使わないでください」

「しらたきって喉に詰まりません?」

「ちょっとわかる」

「一瞬ドキッとする時がありますよね。お気をつけください」

「玉こんにゃくを丸ごと口に放り込んだ時は焦りましたねぇ」

「ぼくはいろんな意味で心臓が止まるかと思いました」

「びっくりして噛まずに飲み込んでしまった私」

「びっくりして息をのんだぼく」

「でもおいしかったですよ。次は小さくしてから食べます」

「こんにゃく以外のおいしいものを食べましょうよう……」

「さしみこんにゃく、こんにゃくラーメン、こんにゃく焼きそば、こんにゃくの天ぷら、こんにゃくカレー、こんにゃくの煮物、こんにゃくデザート」

「この世の終わりですか?」

「こんにゃくの宣伝チラシに書いてありました。いろいろあるんですね」

「そんなチラシは燃やしてしまいなさい……」

「もっと身近じゃない食べ物が苦手だったらよかったんですけどね」

「例えば?」

「ツバメの巣とか」

「高級食材ですね。確かに身近ではないですが、食べたければお店に行きましょう。ぼくの財布があれば身近に食べられますよ」

「虫?」

「それは……ちょっと……あんまり……」

「あ、ワニ食べてみたいです」

「くるくると回る思考ですねぇ。こんにゃくから離れたのでよしとします」

「最後にこんにゃくアイス」

「どう足掻いてもこんにゃくがついてくる……」

「『こんにゃく』と言うだけで魔王さんが死にそうになるので、今こそ勇者の使命を果たす時だと思いまして」

「普段やらないのにぃ~……」

「一年に一度くらいはね」

「それは少なすぎるかと」

「魔王さんがこんにゃくを食べる回数よりは多いですよ」

「ゼロ回と比較しないでください。はあ……どっと疲れて喉が渇きましたよ」

「はい、お水です」

「おや、ありがとうございます。……ん? 中身が水じゃない……?」

「先ほどのチラシに書いてあったのですが、こんにゃくは九十パーセントが水分なんだそうですね。つまり、ほぼ水ってことです」

「ちょっと何言ってるのかわからな――」

「コップの中身はしらたきです」

「なんてことを」

「糸こんにゃくの方がよかったですか?」

「そうじゃなくてですね」

お読みいただきありがとうございました。

何回こんにゃくって言ったかわかりません。


勇者「人体の60パーセントも水分だそうですね」

魔王「人体は人体、こんにゃくはこんにゃくです」

勇者「私もこんにゃくも半分くらいは同じってことです」

魔王「違いますからね⁉」

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