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294.会話 しゃぼん玉の話

本日もこんばんは。

しゃぼん玉の歌は実は少しだけ切ないです。

「世の中にはしゃぼん玉という強力な武器があると知りました」

「ソースはどこです? また変な映画でも観たんじゃないでしょうね」

「その辺で遊んでいた人間のこどもたちですよ」

「おや。では、どうしてしゃぼん玉が武器だと思ったのですか?」

「しゃぼん玉飛んだ、屋根まで飛んだ。そう歌っていました。屋根まで飛ばす威力を持ったしゃぼん玉とは一体どんな武器なのでしょう。私もほしいです」

「どうぞ」

「どうぞって、これなんです? ストローみたいなものと瓶みたいなもの」

「中にしゃぼん玉液が入っていて、吹き具を浸して息を吹くんです。見ててください」

「……丸いなにかが出てきた」

「これがしゃぼん玉です」

「こんなふわふわしているのが屋根を飛ばすんですか。……っと、当たるところだった」

「……。ふぅ……」

「わっ、危ない。当たったらどうするんですか。屋根まで飛んでいくんですよ!」

「……ふふっ、ごめんなさい。だいじょうぶですよ。しゃぼん玉に触ってみてください」

「えっ、い、いやですよ」

「ではぼくが。えいっ」

「魔王さんが爆発する……しない。簡単に消えましたね。魔王ぱぅわぁーですか?」

「いえいえ、しゃぼん玉は脆いものです。何もしなくても消えるものですから」

「あれ、じゃあ威力は」

「ありません。屋根まで飛んだというのは、屋根の辺りまでふわふわ飛んでいったという意味ですから。屋根を吹き飛ばしたというわけではないのですよ」

「…………」

「照れなくていいんですよ。勘違いは誰にでもありますから」

「……もっと早く言ってください」

「ごめんなさい、勇者さんがかわいくて」

「…………むぅ」

「頬を染めてしゃぼん玉吹いてる……。カメラッ!」

「撮るな」

「うぎゃっ。か、顔に向けて吹いてはいけませんよう。ぼく以外には」

「しゃぼん玉を顔面で受け止める魔王さん、ちょっと愉快」

「楽しいですか? それならよかったです」

「……これ、こどもの遊びですよね」

「年齢なんて関係ありませんよ。ぼくもしゃぼん玉好きですから。そぉれ~」

「うわっ、大きいしゃぼん玉……。なんですかそれどうやったんです?」

「楽しそう……。こほん、うんぬんかんぬん~という方法で巨大しゃぼん玉を作ることができるのです。勇者さん、そこに立っていてくださいね」

「こうですか?」

「とりゃあ~。勇者さんゲットです」

「すごい……。人が入れるくらい大きなしゃぼん玉ができるんですね」

「しゃぼん玉の中の勇者さん、とてもすてきです……。カメラは……アッ、しゃぼん玉固定しているせいで腕が動かせない! く、悔しい……」

「しゃぼん玉を見ていると新しい魔法を思いつきそうです。茨魔法じゃ難しそうですが、風魔法なら周囲をまとう方法で再現できそうですね」

「写真動画うぐぐぐぐ……」

「しゃぼん玉は水属性の魔法でありそうです。本当にあるなら見てみたいものですよ」

「このまま閉じ込めたいぃぃぃぃ……」

「なるほど。檻魔法などの拘束技にも応用ができそうです。いい着眼点ですね」

「遊びから学びを得る……。とてもすばらしいことです……」

「大きなしゃぼん玉の中で小さなしゃぼん玉を作るとかわいらしいですよ。ふふっ、まるで風船の中に入っているみたいです。ミニしゃぼん玉でいっぱいになってきました」

「あまりにかわいいので頭がおかしくなりそうです」

「結構頑丈なんですね。全然壊れませんよ。わぁ、動きがおもしろい」

「あまりつつくと壊れちゃいますよ。あっ」

「弾けましたね。魔王さんの頭もこれくらいだといいのですが」

「屋根まで飛んでいけとおっしゃっています?」

「魔王さんの場合は屋根ごとで」

「それは爆弾なんですよ」

「しゃぼん玉爆弾!」

「な、なんですか突然。今日はいつもより楽しそうですねぇ。よきかな」

「敵陣に向けてしゃぼん玉を作り、自然崩壊や接触による破裂で一網打尽にする戦法」

「いい感じですが、しゃぼん玉を思った通りに動かすのは難しいですよ」

「風を使うのはどうでしょう?」

「なるほど、それならうまくいきそうです。ですが、勇者さんは風魔法を使えな――」

「適任がいますよ」

「……ぼくも使えますもん」

「ご安心を。魔王さんには別の仕事をしてもらいますから」

「おっ、なんですか?」

「壊れなかったしゃぼん玉を割りに行く係」

「ぼくも一緒に弾けるじゃないですか」

お読みいただきありがとうございました。

しゃぼん玉爆弾、誰か使ってほしいです。


勇者「とても頑丈なしゃぼん玉の中に荷物を入れて運ぶのはどうでしょう」

魔王「かわいらしいですね」

勇者「私も入ってふよふよしたいです」

魔王「カメラッ!」

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