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278.会話 バウンティハンターの話

本日もこんばんは。

この世界には割といるバウンティハンター(賞金稼ぎ)のお話です。

「魔王さんは魔王として賞金稼ぎに狙われていると聞いたことがありますが、実際に狙われたことってあるんですか? 私は見たことがありませんよ」

「あーーーりますけど、ないです」

「ちょっと考えましたね。迷った時間の脳内を教えてください」

「えっと……、今も昔もバウンティハンター……いわゆる賞金稼ぎですね、そういった人たちに命を狙われることは多いですが、ぼくは魔王なので」

「相手にならないと」

「まあ、そうですね。えへへ」

「でも、相手になったら勇者はいりませんよね」

「バウンティハンター勇者さんもいましたよ」

「盛り合わせセットみたいな勇者ですね」

「勇者さんに言われて気づきましたが、この世で最も高い賞金をかけられているのはぼくですので、一攫千金を夢見る人は多いみたいですよ」

「一生遊んで暮らしてもなくならないお金が手に入りそうですね」

「お望みですか?」

「望んだら死んでくれるんですか?」

「あ、いえ、一生遊んで暮らす方です」

「財布は出さなくていいですよ。金貨もしまってください」

「ほしくないですか? お金ですよ? これ一枚でおいしいお肉が食べ放題」

「……今日の夕飯で」

「わかりました~。勇者さんは賞金稼ぎにならなくても魔王を討伐した時と同じだけのお金を持っているのと同じですよ。なにせぼくの貯金を好きに使っていいのですから!」

「世の中の賞金稼ぎが聞いたら泣き叫びそうですね」

「ふっふーん。ぼくのお金は勇者さんのためにあるのです」

「ところで、最初の質問をはぐらかしましたね」

「な、なんの質問ですか?」

「ずっと一緒にいるのに、実際に狙われている瞬間を見たことがないのですが」

「それはほら、勇者さんの視界の隅とか上とか下とか右斜め横とかで?」

「私が知らないところではよくあることなんですか?」

「この姿になってからは減りましたよ。見た目だけは聖なるひとですから」

「私の方が狙われている気がします」

「魔族だと思われて危険な目に遭いそうになる勇者さんは何度見たかわかりませんよ」

「その時はガン飛ばし選手権で優勝できそうな魔王さんでしたね」

「さすがに看過できませんから。勇者さん最優先です。ふんす!」

「人間は基本的に魔なるものより弱いのに、賞金目当てで武器を取る人は多いですよね」

「危険なのでやめてほしいのですが、依頼主は安全を、賞金稼ぎはお金を求めているのでギブアンドテイクなんですよねぇ……」

「立派な仕事にもなっていますもんね」

「彼らのおかげで魔なるものの被害が減っている場所があるのも事実ですし……」

「こういったことを魔王さんが言っているのがなんかね、不思議ですよね」

「ぼくも一時期やっていましたよ、魔物狩り」

「不思議というか、おかしいんですけどね」

「結構強い人もいるんですよ。伝説になっている人もいました」

「もう勇者いらなくないですか?」

「勇者は平和のシンボルです。この世界に必要ですし、なによりぼくに必要です!」

「絶対賞金稼ぎの人たちの方が強い」

「強さとは武器の扱いや魔物討伐数だけのことではありませんよ。心の強さとか」

「やる気はないです。誰かがやってくれるなら頼みたい……よろしくぅ……」

「ま、魔法の技とか」

「後天的な私は、魔法の扱いでは先天性の人たちに敵いませんよ。私も魔法が得意ってわけではありませんし、使うのに準備がいるし……。ちょっとめんどくさいし」

「スルースキルの高さはどうですか⁉ これなら勇者さんの右に出るものはいません!」

「勇者が人間や魔物をスルーしちゃだめでしょう」

「正論……。ハッ、これはどうですか? かわいさです!」

「それは魔王さんだけですよ」

「おや、ご自分のお顔をご存じでない? 己のかわいさに気づいておられない?」

「……それはひとまず置いておいて、かわいいからといって魔物は倒せませんよ」

「かわいさでバウンティハンターたちを虜にし、彼らに戦ってもらうのです」

「うーん、思ってたんと違う」

「指揮官勇者さんですよ。お似合いです」

「魔王さんは私に何を求めているのでしょうか」

「ぜひ、バウンティハンターの姫に」

「誰がなるか」

「バウンティハンター勇者さんでしたら、ぼくは喜んで戦うフリをしますよ」

「喜んで首を差し出してくれるならやってもいいんですけどね」

「お金がほしいんですか? どうぞ」

「すぐに金貨を取り出すな。ていうか、バウンティハンター勇者って……」

「絶対似合うと思うんですよ! どうですか? お試しで少しだけでも」

「いつもとやること変わらないじゃないですか」

「たしかに……」

お読みいただきありがとうございました。

勇者といえど世界中を網羅できるわけではないので、バウンティハンターの存在はかなり大きいものになっています。……という設定をバウンティハンターのSSを書く時に決めました。この作品はいつもこんな感じで進んでいます。


魔王「バウンティハンターの荒くれ者率が高くていやになりますよ」

勇者「対応ってどうしているんです? 殺るんですか?」

魔王「まさか。勇者さんのすばらしさを延々と語る際の相手になっていただくんです」

勇者「うわ、かわいそう」

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