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24.会話 料理の話

本日もこんばんは。

料理の話です。カップラーメンを作りながらお読みください。……と前にも言った気がします。

「お腹すきましたね」

「どうしてぼくを見るんですか? ぼくはおいしくないですよ?」

「誰が魔王なんぞ食べますか。なにか食べ物ください」

「買いに行くか作るかしないと何もないですね」

「お願いします」

「怠惰……。ちょうど今日までの食材がありますから、軽食でも作りましょうか」

「私はお腹がすいてベッドから起き上がれません。ので、頼みました」

「軽くなっているなら起き上がりやすいはずですけどね。いいでしょう」

「自分の労力を使わずに出てくるご飯は最高です」

「怠惰の極みですね。作るのはチャーハンです」

「餃子も追加で」

「軽食って言いました」

「むう……。焼くだけじゃないですか」

「その前段階が大変でしょうに。家で作るのがおっくうな料理ランキングに入りますよ」

「怠惰ですね」

「間違っても勇者さんには言われたくありません」

「魔王さんって料理上手ですよね」

「魔王城では自炊していましたからね」

「魔王が自炊……。おもしろい字面です」

「長く生きていると暇なんです」

「ああ、ロリババアですもんね」

「ぼくの見た目、そんなにロリですかね?」

「言葉の綾ですよ。語感の良さといいますか」

「語感で言われるのも納得がいかないというか」

「あー、パラパラチャーハン楽しみぃ……。すやあ……」

「ジュージュー音を睡眠導入剤にしている……⁉ 起きてください、勇者さん。寝たらチャーハンはあげませんよ」

「うぐあ……。さすが魔王……、慈悲がない」

「作っている時点で慈悲に溢れている気が。ちなみに勇者さんは料理できるんですか?」

「やったことはないです」

「一緒にやってみませんか? お友達と料理するの、夢だったんです」

「お友達を料理するのが夢……? さすが魔王」

「お友達と! 一緒に! 勝手にお友達を食材にしないでください」

「うーん、料理をしようと思ったことがないので、何ができあがるか甚だ不安です」

「レシピもありますし、ぼくが教えてあげますよ」

「それはなんだか癪です」

「意味がわかりませんよ……。そうだ、チャーハンにつけるサラダを作ってください。いわば盛り付けですね。それなら失敗も何もありません」

「ううん……、まあ、いいでしょう。よっこらせ」

「あれ、どこに行くんです?」

「サラダを採りに行くんですよ」

「外に?」

「外に」

「ぼく、イヤな予感がするんですが」

「安心してください。チャーハンを作っていただいているので毒草は省きます」

「ほらぁ」

「おいしいのを選びますから」

「まあ、その、はい。お任せします」

「それから数分後。ただいま戻りました」

「セルフ時間経過ありがとうございます。ものの数秒でしたけど」

「手当たり次第刈り取ってきました」

「選んだ可能性が一ミリもない行動ですね」

「皿に盛れば立派なサラダです」

「せめて土は落としてくださいね」

「自然本来の味です」

「物は言いようですね。さて、チャーハンができましたよ。食べましょう」

「ありがとうございます。一仕事終えたあとの食事は身に染みますね」

「草取りは体力必要ですからね。ものの数秒でしたけど」

「おいしいです。魔王さん、やっぱり料理お上手ですね」

「お褒めにあずかり光栄です」

「サラダ、ドレッシングかけますよ」

「ありがとうございます。……勇者さんが優しい?」

「まるで私が優しくないような言い方ですね」

「いえ、あの、なにかけました? しかもぼくの方だけ」

「勇者特製サラダがもっとおいしくなるドレッシングです」

「名前はふつう……ですね」

「おいしすぎて天に昇るほどです」

「死ぬってことですか」

「おい死くなるドレッシングですから」

「どこで買ったんですか、これ」

お読みいただきありがとうございました。

「おい死くなるドレッシング」1980円(税込)


魔王「舌が痺れて世界がぐるぐる回っていますが、おいしいですね」

勇者「そうですか。ばか舌ですね」

魔王「ない方がおいしいですけど、勇者さんが作ってくださるなら食べますよ!」

勇者「度々思いますけど、欲望に忠実なところは魔王っぽいですよね」

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