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162.会話 ラーメンの話

本日もこんばんは。

読者様提供ネタシリーズ第3弾。ご提供ありがとうございました。

深夜にラーメンを食べようと出かけて海でアイス食べて帰ってきた天目によるラーメンの話、どうぞお楽しみください。

「食べないんですか? 麺、のびちゃいますよ」

「のばしているんですよ。だいじょうぶです、ちゃんと冷めないうちに食べますから」

「のばして食べるなんて独特ですねぇ。おいしいんですか?」

「量が増えるかなぁと思いまして。そろそろかな。いただきます」

「そんなことしなくても、おかわりすればいいのでは……。ですが、ちょっとのびた麺はぼくも好きです。もちっとした食感がなんとも~」

「わかります。あと、より味が染み込んだ気になるんです。はあ、お腹すいた」

「目の前のラーメンを食べていただいて。それはそうと、今日のチョイスはとんこつラーメンなんですね。お味はいかがですか?」

「めんちゃおいしいです」

「ラーメンだけに? 絶好調ですね。ぼくは塩ラーメン野菜増しです。健康第一!」

「ラーメンに健康を求めるのが間違いだと思います。カロリーは幸せの味がする」

「昨日のお昼もラーメンでしたけど、飽きませんか? あ、ぼくは平気ですよ」

「飽きるもなにも、昨日は味噌ラーメンでしたよ。白髪ねぎ増し増しラー油乗せ」

「味が違えば別料理の認識なんですね。ぼく、昨日は醤油ラーメンでした。ちなみに、勇者さんの一番好きなラーメンはなんですか? 塩? 味噌?」

「特にこれといってありませんね。ぜんぶおいしいので。前に食べたやつも好きです。なんだっけ、スープに浸して食べるやつ」

「つけ麺ですか? ぼくはイケメンじゃなくて美少女ですけど!」

「ずずずずず…………」

「何も言わずにぼくを見もせずにラーメンすするのやめてくださいよう……」

「頻繁に頼む味と訊かれたらとんこつですかね。まあ、気分によりますけど」

「何事もなかったかのように話を進めますね。ぼくは塩ですかね。あっさりさっぱり、いろんなトッピングをしてもするするっと食べられます」

「ラーメンは飲めるので好きです」

「ちゃんと嚙んでくださいね。こうして旅をしていると、その土地その土地のラーメンと出逢えるチャンスがありますよね。ご当地ラーメン巡りとかどうですか?」

「見つけたら食べるくらいがちょうどいいです」

「たしかに、ラーメンばかりでは勇者さんの健康が心配になりますからね。食べる食べないは別にして、ご当地ラーメンは特殊なものが多いらしいです。その土地の名産品をトッピングにしているとか、麺に練り込んでいるとか」

「そう言われるとちょっと興味わきますね。魔界にもあるんですか? ご当地ラーメン」

「なくはないですけど……。そういえば、出張先で食べましたね」

「魔界のご当地ラーメンってどんな感じなんですか? 人間の肉とか使うんです?」

「一応、人間を使用するのは違法としているんですけど、魔界ですからね。違法者はいますよ――じゃなくて、大体は雑魚を使ったラーメンですよ。出汁をとったり、具材にしたり。ぼくが行ったお店では踊り食いが人気でしたね」

「なにを踊り食うんですか」

「雑魚を麺に練り込んでいるので、麺が勝手に動くんですよ。具材も新鮮なので、よくお客さんに襲い掛かっていました」

「色々ツッコみたいですが、とりあえず食べにくくないですか?」

「うーん、ぼくはそんなに……。動き出そうとした瞬間に『動いたら殺す』って言ったのがよかったのかもしれませんね。とってもおいしいラーメンでした」

「魔王さんから魔界の話を聞くたびに、どういう感情を抱けばいいのかわからなくなります。おいしいなら……よかったです……ね?」

「勇者さんにも食べさせてあげたいです。魔界は滅びればいいですが、おいしいものがたくさんあるのもたしかです。ハッ、人間界に出店すればいけるのでは!」

「人間界に魔族が増えますけど、そこは」

「勇者さんにラーメンごちそうしたら強制送還させます」

「暴君ですね。魔王っぽさが出ていますよ」

「し、仕舞います……。さて、食べ終わりましたね。行きましょうか」

「魔界のラーメンの話を聞いたら、パンチのあるラーメンが食べたくなってきました」

「人間界で食べられるパンチのあるラーメンですか……。噂に聞いたところによれば、チョコレートラーメンとかいうものがあったらしいですけど」

「おいしいんですか、それ」

「ぼくも食べ損ねたので、味までは……。おや? なにやら張り紙が。この近くに、明日新しいラーメン店がオープンするみたいですよ」

「へえ。今日中に移動するので食べることはないでしょうけど」

「看板商品は『肉厚ジューシーなステーキが乗った! 伝説の塩ラーメン』だそうです」

「……ちょっと気になる」

「ステーキとラーメンの間には野菜が敷き詰められ、浸水を防いでいるようです。スープに浸かったら浸かったで、ステーキの塩分と塩ラーメンの塩分が奇跡のマリアージュを起こすと書いてあります」

「……………………」

「今日はこの街で一泊しますか?」

「……急ぎの予定がないのなら、それで」

「ぼくたちの旅は予定がないのが予定ですから。さて、お宿を探しに行きましょう」

「笑ってしまうくらい行き当たりばったりの旅ですね」

「出逢いは一期一会です。ラーメンは一杯百幸!」

「新しい言葉を作らないでください」

お読みいただきありがとうございました。

勇者さんはスープを飲み干す派です。


勇者「ラーメンのスープって、なんにでも合いそうですよね」

魔王「オールマイティって感じですよねぇ」

勇者「麺もよし、冷や飯もよし、お餅も合いそうです」

魔王「すぐ飯テロするんだからぁ!」

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