表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/702

158.会話 質問の話

本日もこんばんは。

質問の話ですが、当然のように食べ物が出てくるのでお気をつけください。

「勇者さん、勇者さん、いまお暇ですか? よければいくつか質問にお答えいただきたいのですが」

「お暇ですが答える暇はありません。ごろごろするのに力を注いでいます」

「今日のおやつは一日五本限定の超絶幻のロールケーキをご用意し――」

「質問ってなんですか? 内容によっては答えて差し上げてもいいですよ」

「さすが勇者さん! お優しい。ええとですね、訊きたい質問をリストアップして紙に書いたんです。ナンバー一の質問は『最近みた夢の内容は?』です」

「ええ、どうでもいい……。それより、やけに紙の量が多い気がしますが、ぜんぶで何個あるんですか」

「まず手始めに三百六十五個ですね」

「日めくり質問コーナーですか? 手始めってなんです。まだあるんですか」

「質問していく中で、いただいた答えから新たな質問が生まれると考えております」

「なに……? スパイなの……?」

「毎日一緒にいられるだけで幸せですが、もっともっと勇者さんのことを知れたらうれしいなぁと思いまして。えへへ」

「うわぁ、いい笑顔。心の底からただ質問したいだけの顔だ」

「ひたすら質問に答えるのもつまらないと思うので、ぼくがひとつ質問するごとに、勇者さんもぼくに質問してくださって構いませんよ。心の扉を全開にしてお答えいたします。バァァァァァン!」

「セルフ効果音ありがとうございます。結構です」

「ぼくについて気になることはありませんか? なんでもいいですよ。なんでも!」

「何をしたら魔王さんがお亡くなりになるのか、とか?」

「ぼくも知らないです」

「……………………」

「そんな顔しないでくださいよう。ぼくにもわからないことはあり――待って! 冷蔵庫に向かわないでください。こんにゃく持ってくるおつもりですよね? やめてぇ‼」

「一段ごとに猫が鳴く階段をひたすら上って最上階のボス猫とおやつを取り合う夢」

「は、はい?」

「最近みた夢の内容です。答えました。ロールケーキください」

「まだひとつ目ですよ。ちょっと待ってください、答えをしっかりメモしていきます」

「まさか、三百六十五個すべて答えないとロールケーキはなしですか? 本気?」

「そ、そこまでは言いませんけど、せめて百個くらいは……。それに、勇者さんの答えにひとつずつ感想も言いたいので、もう少しのんびり詳しく楽しくいきましょう?」

「だるすぎる……。せめてロールケーキ食べながらやらせてください……」

「勇者さんの目がいつも以上に死んでいる……。わ、わかりました。持ってきますね――ってことで、ご用意しました。さあさ、たくさんお食べ~」

「美味……。で、ナンバー二の質問はなんですか」

「ひとつ目の感想言ってない……こほん。ナンバー二は『いま一番食べたいものはなに?』です。いかがですか?」

「うーん……。ロールケーキ……?」

「それだと、いま食べているもの、ですね。……あ、思考が停止している顔をしている」

「なにも考えたくない。ロールケーキに挟まりたい」

「突飛な発想ですが、とてもかわいらしい考えですね。ロールケーキ勇者さん、ぜひ見たいです」

「このふわふわなスポンジに挟まって、押しつぶされて、巻かれて、窒息死したい」

「死因『ロールケーキ』になりますよ?」

「すばらしいですね。これこそ後世に残すべき記録ですよ」

「記録しちゃっていいんですね。あ、だめですよ。そんな理由で死んではいけません。いけない、流されるところでした。ナンバー三に参りましょう。『行ってみたい場所はどこ?』です。元気よくどうぞ~」

「誰もいないところ、ですかね」

「さみしくないですか?」

「だいじょうぶです。果てしなくやかましいひとが勝手についてくると思うので」

「果てしなくやかましい……。どなたのことでしょうか」

「…………はい、次」

「ナンバー四は――って、あぁぁぁぁあぁあ‼ クリームが落ちて紙の上に……‼」

「もったいないですね。クリームが」

「ぼくの質問の心配は欠片もしない勇者さん……。むしろ、質問たちがクリームに食べられたことで心なしかうれしそうですね……」

「そろそろ飽きてきたころだったので」

「まだほんの序盤だったのにぃ……。い、いえ! ぼくの頭の中に残っています」

「記憶力カスだから、わざわざ記録とかしているんじゃありませんでしたっけ」

「ぜんぶと言わずとも、いくつかは覚えていますよ。ええと、ナンバー四の質問は……」

「このロールケーキめちゃおいしい」

「質問……は……ナンバー四は……ぐ、ぐうううう……!」

「一日五本限定ならぜんぶ食べ尽くす自信があります」

「……ううう、ああああ……ああぁああぁぁ~思い出せません~……」

「残念です。では、ここで私から魔王さんに質問を」

「はい! なんなりと」

「質問。『ナンバー四の質問の内容は?』」

お読みいただきありがとうございました。

質問の話ということで、勇者さんや魔王さん、これまで出てきた登場人物への質問があれば、ぜひ教えてください。疑問や小ネタ、世界観等でも大歓迎です。

そうです、質問からSSのネタにできるのではと思っています。

回答の方法は未定ですが、登場人物にお答えいただくこともあるかもですので、お気軽に質問してくださいませ。


魔王「ツッコみ損ねたんですけど、かわいい夢をみているんですね」

勇者「ボス猫に負けました」

魔王「あらら……。ちなみに、取り合ったおやつってなんだったんですか?」

勇者「猫用のジャーキーです」

魔王「そこは譲ってあげてください」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ