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没落伯爵令嬢は家族を養いたい  作者: ミコタにう


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209.新作お料理の試食を兼ねたお夕食

本日2話目の更新です。

超食テロ回ですv( ̄∇ ̄)ニヤリ

 朝食室には、すでに私たちの席が用意されていた。

 いやーなんか久々に入ったわ、朝食室。ここんとこずっと、朝ごはんも晩ごはんもなし崩しで厨房の作業テーブルで食べちゃってたからね。

 うん、貴族家のご夫人とご令嬢的にはやっぱりあまりよろしくない傾向なので、もうちょっときちんと朝食室を使うようにしよう……しようと思う。


 私たちが3人そろって席に着くと、ヨーゼフが手際よく一品目をサーブしてくれた。やっぱり晩餐室と違って狭いからね、お給仕はヨーゼフが1人で全部やってくれる。

 で、その一品目なんだけど……クレープなのよ~。


 そう、本日試作したお料理はクレープなの。夕食用におかずクレープを2種類、そんでもってデザートにおやつクレープを1種類。

 いや、本命というか、私が急に食べたくなったのはおやつクレープなんだけどね。でもこのさいだからおかずクレープも作って、お夕食メニューにしてみました。


 まずは前菜的にちょっと軽めのおかずクレープから。薄く焼いたクレープ生地で、蒸し鶏を細く割いたものと玉ねぎのスライス、それにサラダ菜のような緑の葉野菜を包んでみました。

 味付けは辛子マヨネーズ。ハンバーガーにも使ったんだけど、辛すぎない粒辛子を使ってるからリーナも食べられる。


 クレープなんだから手でつかんで……とはいかなくて、ここは一応ナイフとフォークでいただきます。

 鉄鍋というかフライパンで焼いたクレープだから、パリパリの薄さにはならなかったけど、それでも端のほうはきれいな焼き目がついてパリパリになってる。

 ナイフで切って一切れ口に入れてみると、ほどよくもちっと弾力があってほんのり甘いクレープ生地が、めちゃくちゃ美味しい。さすがマルゴだわ、この焼き加減がまた絶妙。そこにまた、マヨネーズのコクと酸味、それに粒辛子のピリッとした味わいが、すっごく合うんですけどー。


「これはまた、サンドイッチとは違う美味しさね!」

 一口食べたお母さまも、すごく嬉しそうに言ってくれてる。

「こんな薄い皮のようなもので包んであるだけなのに、しっかり食べ応えもあるのね。噛むと甘みが味わえて、でもその甘さがお肉やお野菜とよく合うわ」

「この皮? のところだけでも、美味しいです!」

 アデルリーナも笑顔で頬張ってくれてるし。


「これはお肉やお野菜と合わせるために、生地の甘さを控えめにしたのです」

 私もイイ笑顔で説明しちゃう。「この皮の部分、クレープの生地にジャムやクリームを塗るだけでもとっても美味しいおやつになりますよ」

「まあ、ルーディってば。そんなことを言われたら、最後の甘味が楽しみでしかたなくなってしまうじゃないの」

 お母さまもイイ笑顔だわ~。


 一品目のおかずクレープの次は、マルゴがもともと夕食用に用意してくれていた蕪のポタージュが出てきた。

 うーん、あっさりした薄味だけど、そのぶん蕪本来の甘みがじっくり味わえる。

 クレープの試作をしてたのに、マルゴはちゃんとこういう美味しいスープも作ってくれちゃってるんだよね。それに、このポタージュならトマス坊やも美味しく食べられるはず。


 そして次がメイン料理になる三品目。

 これもやっぱりクレープなんだけど、ちょっとガレット風にしてみた。丸いクレープ生地の真ん中に具材を載せて、上下左右を畳んで四角く包むアレね。

 でもってその具材なんだけど、かぼちゃとベーコンという間違いのない組み合わせにしてみた。


 皮付きのかぼちゃを拍子木に切ってベーコンも同じように拍子木に切って、さらにマッシュルームっぽいきのこも合わせてもらった。それらをさっと炒め、お水少々を足してふたをして、じんわり蒸し焼きに。かぼちゃがほくほくになるころには、ベーコンときのこの旨みが染みまくりよ。

 味付けは塩コショウで整えた程度だけど、その旨み染み染み具材をほんのり甘いクレープ生地で包んであるんだから、もう。


「どうしましょう、美味しすぎて食べすぎてしまいそうよ」

 お母さまもそんなことを言いながら、ぱくぱくと食べてくれちゃってます。

 リーナまで真剣な顔で言ってるし。

「ルーディお姉さま、まだこの後におやつがあるのですよね? でもこのお料理も、残したくないです」

「大丈夫よ、おやつはまた明日も食べられるのだし」

 私がそう言っても、リーナはやっぱり真剣な顔で言う。

「でも今日も食べたいです。明日も、もちろん食べます」


 そういうことで、最後にデザートである。っていうか、コレが本日のメイン料理かも。

 だって、焼き林檎とホイップクリームのクレープなんだもんねー。

 もう言うまでもなく美味しい。美味しくないはずがない。

 スライスした林檎を鉄鍋で両面焼いてはちみつ垂らしてシナモンっぽいスパイス振って……ってもうそれだけでめちゃくちゃ美味しそうなんだけど、さらにその焼き林檎をホイップクリームと合わせてクレープ生地で包むんだよ?


 いやもう、お母さまもリーナも無言だし。夢中で食べちゃってるし。

 突然クレープを食べたくなった私も大満足。ホントにホンットにマルゴ天才。いきなりリクエストしちゃったのに、こんなに均等できれいなクレープ生地をすぐ焼いてくれるんだもん。この端っこのパリパリになってるトコがまた美味しいのよねえ。


 明日のおやつも、この焼き林檎とホイップクリームのクレープに決定。

 はからずも、またもや新作おやつの登場となっちゃったけど、どうせ明日は公爵さまも来るだろうからいいでしょ。レオさまメルさまにもたくさん相談に乗ってもらわなきゃだし、これくらいはさせてもらいましょう。


 あ、でも、公爵さまにはヨアンナ一家のために馬車を出してもらったお礼に、プリンをお土産にして渡そうかな。公爵さまの料理人さんも、プリン食べたいって言ってるっていう話だったしね。

 うーん、でも往復で10日くらい馬車を借りちゃったわけだけど、プリンだけでいいのかな?

 まあ、いまさらそれを言っちゃあ、ではあるけどねえ……すでに『クルゼライヒの真珠』の買い戻しとか、公爵さまにはお世話になりっぱなしだもの。そりゃあ、こっちとしてもたっぷりいろいろ、食べさせてあげてはいるけど、ねえ?

 そうだなあ、まだこれから乗馬やダンスの練習も付き合ってもらうわけだし……その都度、何かおやつか軽食を手土産に持って行けばいいかな?


 などと思いながら美味しいクレープを食べ終えると、お母さまとリーナも大満足で絶賛してくれました。

「本当にどうしてルーディはこんなに美味しいお料理を思いつくのかしら? 今日の『くれーぷ』もとっても美味しかったわ。お食事にもおやつにもできるっていうのも、本当にすばらしいわ」

「ルーディお姉さま、どの『くれーぷ』もとっても美味しかったです。さっき言われた、ジャムをぬった『くれーぷ』もぜひ食べたいです」


 私もやっぱり笑顔で答えちゃう。

「ええ、ぜひまたマルゴに焼いてもらいましょうね」

 だってクレープは生地さえ焼けば、ホントに手軽にいろいろな味が楽しめるんだもんね。さすがにチョコバナナは無理だろうけど……ジャムやはちみつ、ホイップクリームだけでも美味しいし、今度カスタードクリームも試してみようかな。

 それにハムやソーセージのおかずクレープも美味しいし、具が多めのミートソースなんか包んでも美味しいんだよね。

 ああでも、なんかめっちゃツナマヨ食べたくなっちゃったー!


 このレクスガルゼ王国は海なし国だからか、魚料理ってホンットに食べる機会がないのよ。ツナマヨやスモークサーモンなんてのも、クレープにするとすっごく美味しいのに。

 そのうち余裕ができたら、マルゴに魚料理について訊いてみよう。揚げ物ができるようになればフライも試してみたいし……って、いつ余裕ができるようになるのか、まったく見通しが立ってないんだけどねええええ。


 内心ちょっと叫びながらもにこやかに食事を終えたところで、お母さまがヨーゼフに言った。

「居間にお茶を運んでもらえるかしら? ヨアンナを呼んでもらいたいの」

「かしこまりましてございます」

 ヨーゼフが答え、お母さまは続けて私に言った。

「ルーディ、少しヨアンナと話をしましょう」


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― 新着の感想 ―
クレープもいいけど、ガレットもおいしいですよね! 自分は大体お店で頼むとき、シンプルな卵とベーコンにするのですが(たまにチーズとか)。 これだけでも十分美味しいという、なんとも罪なご飯ですよねぇ。 ク…
[一言] 鳥の胸肉やササミだとシーチキンぽくはなるよね。ちょっとだけ
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