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開けてくれない玄関

今日もお義父様のお見舞いにウィルクス公爵邸に来ていた。


「エステル、クレインが帰って来たら社交界に出るだろう。二人のダンスが楽しみだな」

「そ、そうですわね…」


思わず背筋に鳥肌が立った。

ダンスは苦手です。

運動神経無いんです。

ベッド上にいるお義父様に正直に言うべきか。

ショックで倒れたらどうしましょう。


「今日は調子が良い。少し見せてくれないか?」

「…お見せするほどのものでは…」

「謙遜しおって、両親はダンスが上手だったからなぁ」


どうしましょう。

背中の汗が止まりません!


お義父様は、執事のジャンにとりあえずの相手を頼んでいますし。


そして私には、この状況を上手く流すスキルはありませんでした。

そもそも、人並みにが出来れば問題なかったのですが…無理でした!


足が追い付かず、ジャンの足を何度踏みましたでしょうか。

お義父様は見てはいけないもののように能面になってしまってます。


「…エステル…ダンスの講師をつけるか…」

「…よろしくお願いします」


能面のまま目を瞑ったお義父様にダンスの講師をつけられることが決まりました。


お義父様のお見舞いも終わり、夜遅くなる前に邸に帰ると、玄関はすでに閉められていました。


「今帰りました。開けて下さい」


ドアノッカーを叩いても誰も開けてくれない。

まだそんなに夜じゃないのに…。


仕方なく、使用人の入り口に行くと使用人達は休憩室で食事をしながら談話していた。


「今帰りました」

「そうですか」

「玄関を閉められては困ります。私がまだ帰ってないのですから…」


そういうも、メイド達はクスクス笑い、私はいたたまれなくなる。

下僕達まで知らん顔で私はやはりこの邸に認められてないと、突きつけられてしまった。


クレイン様がお帰りの時はまともに仕事をするのに、私だけだとダメなのでしょうね。

それにクレイン様…一体何年留学するのですか。

まさか留年してますか。


早く帰って来て下さい。

お顔を忘れそうですよ。








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