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片時も離れんとは!?

あの突入後、クレイン様に私の部屋に連れて来られ、ベッドに降ろされると、クレイン様はぴったりとくっついて座った。


肩に手を回され上半身がクレイン様に密着している姿に、私の心の置き場はない。


「エステル様、ご所望のリンゴジュースです」

「は、はい…」


レーヴィ様がリンゴジュースをグラスで持って来たけど、別にリンゴジュースを所望したわけではないんです。


「さぁ、エステル。飲みなさい」

「は、はい…」


リンゴジュースを飲もうにも、真横でジィーと見られると、飲みにくい。


「どうした?痛くて飲めないか?どれ、飲ませてやろう…」


どれ、と言いながらクレイン様は私の手からグラスを取り、腰に手を回され力が入る。


「の、飲めます!一人で飲めます!」


思わず腰を仰け反るように抵抗した。


とにかく、リンゴジュースを持ったままだとクレイン様に飲まされそうな気がして、一気に飲み干した。


そして、私をひたすらうっとりと見つめるクレイン様に話しかけてみた。


「あ、あの…今度はいつまで居られますか?」

「寂しかっただろう…もう隣国には帰らん!ずっとエステルと一緒だ…」


スリスリとクレイン様の頬が私の頭に密着し、クレイン様が私に両手を回し離れなくなった。


「本当ですか?…あの…レーヴィ様はお知り合いですか?黒ずくめの方達も…」

「レーヴィは俺の部下だ…レーヴィ、エステルと二人でいたい。下がってくれ」

「はい」


レーヴィ様はクレイン様に下がれと言われてあっさり下がった。


レーヴィ様…本当にクレイン様の部下なんですね。


「クレイン様…一体何が…?」

「可哀想に…まだ震えているぞ」


えぇ、そうでしょうね!

すっごくビックリしましたから!


「クレイン様…いつお帰りに?」

「今朝だ」

「どうして、手紙を下さらなかったのですか?私は待っていたんです…」

「やはりか!エステル、手紙はずっと出していたんだ!エステルには届かなかったんだな…!」


手紙を出してくれていた。

私には届かなかったとはどういうことでしょうか。

クレイン様とこの邸の現状が意味不明過ぎて理解が出来ない。


「クレイン様…わけがわかりません!分かりやすく教えて下さい!」


クレイン様の腕の中で必死で言うが、やはりクレイン様はよくわからない。


「エステル…可愛いな…これからは毎日一緒だ」


うっとりとした顔で、クレイン様は抱きしめて離れない。

そして、話も噛み合わない。


ベッドの上でわけのわからないままクレイン様に抱擁されていると、クレイン様の部下のレーヴィ様が戻って来た。


「クレイン様!騎士団が到着致します!」

「待たせておけ。まだエステルが震えている!」


えぇ!?

私のせいで騎士団を待たせますか!?

しかも、震えていたのは、クレイン様の登場の仕方にビックリしたからです!


「クレイン様…!私は大丈夫です!どうぞ行って下さい!」

「あぁ、目を潤ませて…怖かったのだろう…しかも、可愛いぞ、エステル…」

「そ、そうですか…」

「大丈夫だ、エステル。片時も離れんから心配するな。不安になることはない」

「は、はぁ…」


そして、クレイン様はまた私を抱きかかえてしまった。


「では、行こうか。決して離れるなよ」

「…は、はぁ」


離れるのは無理だと思います!

しっかりクレイン様に横抱きにされてますからね!


そして、片時も離れんから、とは物理的な意味ですか!?

持ち運び可能な荷物みたいに、私を持って行くことですかー!?



そして、クレイン様は私を抱きかかえて、歩き始めてしまった。









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