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クレイン視点

ルーファスは、やれば出来るのに真面目にしなかった。

外交を学ぶ為に来たのに、すぐにサボり街に繰り出すから、護衛に来たルーファスの近衛騎士は困っていた。


ルーファスは酒場でも、ウェイトレスに手を出すようなゴロつきと揉めることもあり、忍びで行くものだから近衛騎士も少なく身分も明かせない為、ゴロつきどもを追い払うのに一緒にいる俺まで腕が上がっていった。


段々大っぴらにゴロつきどもと揉めるのが嫌になり、裏でゴロつきどもを前もって対処していたら、何故か街のゴロつきが減ったと隣国に感謝されて、いつの間にか俺はルーファスの側近だけじゃなく近衛騎士にまでなっていた。


エステルの父上が事故で急死した時は、急いで帰らせてもらった。


「ルーファス、俺がいなくてもサボらないようにしてくれよ」

「大丈夫だ。早く婚約者の所に行ってやれ」


エステルが心配でルーファスも気になるが早馬で帰った。

これから、エステルは一人になるのかと思うと、一時的にでも一緒に連れて帰ろうかと思っていたが、父上が勝手に邸を準備していた


父上もエステルがお気に入りだから可愛くて堪らないんだろう。


エステルの邸の帰りに父上にも会いに行ったが、やはりエステルのことを気にかけていた。


新しい邸をエステルに準備したのもウィルクス邸だと父上に気を遣うからだと、父上なりの優しさだった。


その時から既にエステルは父上への挨拶も忘れずに定期的に通っていたらしい。


そして、隣国に帰るとルーファスは試験をサボり留年になってしまった。


ちょっと目を離した隙に!


それに合わせて、ルーファスの側近の俺まで留年することになった。


ちゃんと俺は、理由があって追試の申請をしていたのに!


こんな生活の中でエステルの手紙には癒された。

お互いに長い文章ではないが、エステルの日常を知るのは意外と楽しかった。


年に1、2回エステルの元に帰るのも楽しみになり、エステルに土産を買うことも忘れなかった。


しかし、やはり隣国に帰るとルーファスはまた試験をサボり留年する。


エステルに会いに行く度に、隣国から帰れなくなっていた。


隣国の言葉はペラペラなんだから試験は問題ないが、目を離すとすぐにサボる。

近衛騎士は遠慮して、ルーファスを止めない。


いや、止められない。


そして、俺がルーファスの目付けのようにしていると、気がつけばルーファスの近衛騎士の隊長に出世していた。


俺の前任の近衛騎士隊長は、疲れた、と言って国に帰ってしまった。



父上がいよいよ危ないと知らせを受けて、また帰国することになった。

ウィルクス邸に帰るとエステルは益々可愛くなっていた。


もうこの時には既にエステルに惹かれてしまっていた。







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