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Vanishing Village.  作者: 凪沙一人
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転異

久々のL.O.S.T.短いお話しですが、おつきあい願えればと思います。

 その日は朝から天候が悪く、とある断崖の上の大樹に雷が落ちた。以前は、この辺りで御神木として崇められていたが、過疎化に伴い、祭りも開かれなくなって久しい。そんな大樹の根元で女の子の赤ん坊が発見された。行き場のない赤ん坊は御神木の大樹にちなんで美樹と名付けられ、村長に引き取られた。それから16年…


「おはよう、美樹ぃ。」

 級友の智子に声を掛けられて美樹が振り向いた。級友と言っても村から通うには交通の便も悪く、あまりに遠い為、二人は通信制の高校を受けていた。

「おはよう。何かあったの? 」

「崖の上の御神木跡で、知らない男子に美樹の事、聞かれたの。だぁれ、あのイケメン? 」

 そう言われても美樹には心当たりが無かった。

「し、知らないわよ。勝手に私の事、話してないよね? 」

「もちろん。最近は物騒だからね。美樹、可愛くて美人だから、何処で目ぇ付けられてるか、分からないもんね。」

「私が美人かは別として、物騒なのは確かよね。最近、事故とか多いみたいだし。」

「へぇ、美人は別にしても可愛いは否定しないんだ? 」

「とぉもぉ~っ! 」

「冗談、冗談だってば~ 。」

 美樹に追われて逃げた智子が誰かにぶつかった。

「きゃ、ごめんなさ… 。美樹、こいつこいつっ! 」

 いきなり智子はぶつかった相手を指差して後ずさった。陽があたると碧がかって見える黒髪、整った顔立ち。美樹は智子がイケメンと評したのが分かる気がした。

「私の事を調べていらっしゃったようですが、何か御用ですか? 御用件がおありでしたら、直接窺います。」

「いや、この辺の怪異がザワついていたんでね。お前は気にしなくていい。元気そうで良かった。」

 美樹は、そう言って立ち去ろうとした少年の腕をいきなり掴んだ。

「智子、ゴメン。先行って。」

「え!? えぇ~っ! 」

「お願い。義父さんや義母さんには黙ってて。」

「う、うん。」

 生返事をして智子は、大慌てで駆け出して行った。

「あれで本当に黙っていられるのか? 」

「直接は黙っていると思う… けど、小さな村だから噂になるのは覚悟してね。」

「俺が分かるのか? 」

「知らないわ。でも、敵じゃなさそうだし… それに私以外に怪異が見える人に初めて会ったの。こんな特異な話、今まで誰とも出来なかったから、ちょっと嬉しいのよ。」

風壬かざみ… 風壬 攻士。」

「え? 」

「俺の名前だ。」

「じゃ攻士君、宜しくネ。私の事は美樹で構わないから。」

 美樹は笑顔で風壬に手を振って去って行った。

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