転移やぞ
目が覚めると、俺は草原のなかで寝転んでいた。辺りを見渡すと邪魔をするものがなく地平線が続いている。あぁ、転生したんだな、とはっきりと自覚した。持っていたスマホで顔を写しても、今までどうり整った顔つきをしている。スマホからグラプロを起動し、ゲームの中のビンゴを始める。あぁ、転生したんだな、としみじみ思った。充電を見ると全く減っていない。とても便利な仕様になった。
「こんなことなら水着団長も欲しかったなぁ」
なんて呟いていると、急に森のなかから悲鳴が沸き上がってきた。
「助けなきゃ!」
急いで悲鳴の先へ秒速五センチメートルで進む。
そこには、身なりも顔も醜い見るからに醜悪そうな男共がか弱い女性を襲っていた。
「そこの顔つきの整った王子さま!助けるであります!」
そう言われると助けるしかない。
俺は持ち前の翔竜拳で汚物のような男どもをバッタバッタとなだぎたけし、美しい女性の前で立ち止まった。
身長は子供のように小さく、それでいて気品があり、長い金髪で青いドレスのような騎士服を身にまとっている。身長を気にしているのか、とても長い王冠を頭にのせており、とても保護欲を掻き立てられる。
これが僕と彼女の出会いだった。