みこ
樹林輝く森深く、五人の巫女がおりました。
神にお祈り申し上げ、巫女は光をいただきます。
羽をひろげて、巫女は大空に飛び立ちます。
人々の、苦しみ悲しみ癒すため。
鳥の如くに舞う様は、力強さがありました。
人を救わんその心、使命に燃えておりました。
笑顔をみるのが好きでした。人の笑顔が好きでした。
そのために、戦うこともありました
だけどもある日、巫女たちは、悲しいことを聞きました。
久しく見てないうつしよが、穢れているということを。
うつしよ映す鏡以て、巫女はすべてを知りました。
涙が溢れてとどまらず、みなは同じく決します。
常世をくだり、人々の心に笑顔を取り戻そう。
うつしよ照らす神子となろう。
だけども巫女たちは気づきました。
社を空けるわけにはいかない、と。
思案のすえ、ひとりの巫女が向かうことになりました。
他の巫女は、祈り以て、支えることになりました。
天下り、巫女は不安になりました。
穢れたところで、わたしも穢れはしまいかと。
そんな巫女を、巫女たちは励ましました。
大丈夫、わたしたちが護ってあげる。
志その胸に、巫女は勇気を以て、常世をくだります。
流れゆく意識のなか、巫女はひとつの歌を詠みました。
われが去る ときには世にも 幸あふれ
常世のごとくに なりなむことを