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天才的だけどコミュ障な女子高生が、数学部で仲間たちと切磋琢磨しながら過ごす3年  作者: 南蛇井


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図は語る、言葉よりも深く

数学部・図形セッション開催!

2月末、放課後の数学部。

今週のテーマは特別企画──


【図形セッション:図で語る数学】

・言葉に頼らず、図だけで証明や構造を伝える挑戦。

・プレゼン資料は1枚の「図のみ」。説明は補助的に可。

・目的は“言葉を超えて、数学を感じさせること”。


日下:「つまり、“見た瞬間にわかる数学”ってやつだな」


葵:「伝わるかどうかは“図の設計力”次第。構造美、直感性、余白──全部が試される」


紅葉はその話を聞きながら、

静かにノートの余白に**“ひとつの図”**を描きはじめた。


紅葉の選んだ題材:「完全数の構造」

“6”や“28”のような「完全数」。

自分以外の約数の和が自分自身に一致する数。

紅葉はこの性質に、**「バランス」という美」を感じていた。


完成した“1枚の図”

彼女の図は、数直線と対称性の幾何学を組み合わせた

**“数の均衡”**を表現する絵だった。


小さな円が6つ並ぶ(→ 約数1, 2, 3, 6)


それらが左右対称に配置され、


中央の“6”を中心に、光が等分に広がるイメージ。


そこに文字は一切ない。


発表の瞬間

紅葉:「この図は、“6”という完全数が、

周囲の数たちと“静かな均衡”を保っている様子を描いています。

言葉にするなら、“存在の静けさ”。

でも、本当は……ただ見て、感じてほしいんです」


しばしの沈黙。

だが、その場の空気がほんの少し、澄んだ気がした。


セッション終了後・日下と葵の感想

日下:「図の意味を理解するってより、

“吸い込まれた”って感じだった。数学というより、詩に近い」


葵:「数字がただの記号じゃなく、“配置”と“関係”になってた。

図って……感情に届くんだね」


紅葉:「わたし、ずっと“問い”を言葉で届けようとしてたけど……

たぶん、図は“音楽”みたいなもので。

見る人の中で、それぞれ違う“証明”が生まれるのかもしれません」


ノートの記録

■図の力

・図は、問いにも答えにもなる。

・“完全数”は、完全な数字じゃない。

  そこにあるのは、“ちょうどよさ”の奇跡。

・図は沈黙する。でも、ちゃんと語っている。

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