【第6話】初めて刀を抜く
神社の裏手に向かうと、そこには広場があった。広場の真ん中で、美桜が薙刀の手入れをしている。
「こっちは準備できた。あんたは?」
「準備はいいかい?」
「あぁ、いつでもいけるぜ。」
2人は広場の端に立ち、春蘭は審判員をする。
「合図をした瞬間、試合を開始とする。試合中、僕の合図があったらそこで終了だ。では、始めっ!」
ロビンは鞘から刀を抜く。刀身が日の光に照らされて妖しく光る。対して、美桜は薙刀をすでに構えており、いつでも攻めることができる状態だ。
(手慣れてんなぁ……。どこまで近づけばいいかわからねえ。)
ロビンはジリジリと美桜に近づく。
(今回の試合は、最初の一手が重要だ。2人の実力は拮抗している。美桜はそれをわかっているな。でもロビンは……、多少は前に出なければいけない。刀は薙刀よりも攻撃できる範囲が狭いからね。それを理解した上で、美桜に近づきすぎてはいけない。)
ロビンは再び間合いを縮める。美桜は少しだけロビンとの距離を詰める。ロビンはすぐに後退する。
(あいつの間合いに入ったのか?それとも、あと少しで間合いだったから動いただけか?)
美桜は再びその場に留まる。ロビンは刀に力を込め、覚悟を決めて一気に距離を詰める。距離を詰めると同時に、刀を思い切り振る。美桜は薙刀で刀を受け止める。美桜は刀を受け流し、薙刀の柄でロビンを突き飛ばし、ロビンの態勢を崩す。
「負けるか……。」
ロビンは薙刀を刀で受け止める。美桜は大きく後退し、ロビンが起き上がった隙に一気に距離を詰める。
(速っ……!!)
ロビンはなんとか攻撃を防ぎきる。しかし、速度が乗った一撃は非常に重く、ロビンは地面を滑りながら後ろに大きく飛ばされる。
「……次。」
ロビンは下から迫る薙刀を刀で受け流す。美桜は薙刀の柄でロビンの刀を弾く。
(いつの間にそんな場所に……)
ロビンは美桜の薙刀を避けつつ、美桜に果敢に攻めていく。
(刀の精度が上がってる。長くは保たないかもしれない。)
美桜は薙刀に魔力を集める。ロビンが突撃してきたタイミングに合わせて、薙刀を思い切り振る。
「うん、そこまで。」
2人の間に、春蘭が割って入る。
「2人共お疲れ様。はいこれ。」
春蘭は2人に麦茶を渡す。
「いつの間に……。」
美桜が呟く。
「どっちが勝ったんだ?」
「君の勝ちでいいと思うよ。美桜もそれでいいかい?」
「まぁ、私もちょっと舐めてたかな。私に魔力を使わせた時点で、魔力なしだと私が負けてたと思う。」
「なんか……あんまり嬉しくねえな。」
「まあまあ、練習だから。それより、雫を待たせすぎるのは悪い。早く帰ろう。」
3人は神社をあとにして帰宅する。
「皆様、お帰りなさいませ。昼食は出来上がっておりますので、冷めないうちにお召し上がりください。」
「ありがとう雫。」
「……ちょっとシャワーしてくる。」
美桜は雫と視線を合わせて浴室に向かう。
「美桜には悪いけど、先にいただくとしよう。」
「そうだな。それにしても……腹減ったぁ。」
2人はリビングへ向かい、座布団に腰を下ろす。机の上には4人分の食事が丁寧に置かれている。
「これ……全部1人で作ったのか?」
「そうですよ。メイドの仕事ですから。」
「雫も先に食べてしまおう。」
「ですが……」
「大丈夫。美桜はそんなことは気にしない。君たちの仲だろ?」
「…そうですね。では私も。」
雫が食べ始めようとしたとき、美桜がリビングにやってくる。
(めっちゃサッパリしてるぅぅぅ?!)
「ふぅ……」
美桜は春蘭の横に座る。
(あとで俺もシャワーしよ。)
「悪いね。先に食べてるよ。」
「あぁ…、別にいいけど。」
美桜は手を合わせて食べ始める。
「で、このあとはどうするんだ?夕方までって行ってたから、流石にまだ東京には戻らねえだろ?」
「そうだね。このあとは個人の時間かな。僕はちょっと、客人の相手をしないといけなくてね。」
「やっぱお前、結構忙しいタイプの人間だろ?」
「団長が一番忙しいと、僕は思うな。」
「それはそうだけど……。」
雑談をしながら、4人は箸を進める。
「おや?そろそろ客人が来る時間だ。」
「茶菓子はどうしましょうか?」
「あぁ、僕1人で相手にするから、君は自分のことをしておくといい。」
そう言って、春蘭は客室に入っていく。客室に入るやいなや、客人が話しかけてくる。
「君も大変だね。優秀なメイドを持つのはいいが、彼女個人の時間も用意しないといけない。その上、君は基本、家に戻ることがない。家の管理は彼女に任せっきり。」
「あぁわかってる。気晴らしに、旅行にでも連れて行けってことだろ?」
「わかっているならいいさ。それより、僕は君に重大な情報を持ってきたんだ。」
春蘭は客人の反対側に腰を下ろす。
「では、教えてもらおうか。樫茂。」
春蘭の言う客人は、村崎 樫茂だった。
「それにしても、久しぶりだね。まったく……君は変わってないな。」
「君こそ。…顔を合わせるのは実に何年ぶりだろう。」
「それで、重大な情報とはなんだ?」
「まずはこの資料を見てほしい。これは数日前、僕が対峙した魔獣のデータだ。」
春蘭は資料に目を通す。
「確認された魔獣は上級の個体であった。しかし、いつものように討伐することはできなかった。奴は急所を攻撃しても死なず、傷が再生して復活した。その後、数回ほど急所を攻撃してなんとか討伐した。追記 魔獣は討伐するほど体が硬質化していた。」
「確かに、これは重大な情報だ。」
「何度も復活する魔獣……。その後、僕は他の団員たちと過去のデータを隅々まで調べた。結果は、これと同じものは愚か、似たデータすら見当たらなかった。」
「異例ってやつか……。」
「あと、伝えたいことはこれだけじゃない。」
「まだあるのかい?」
樫茂はもう1つの資料を取り出す。
「これはここ数ヶ月の『魔力濃度』の記録だ。見てくれ。魔力濃度の変化が激しい。1日で濃度が180°変わっている。」
「なんだこれは……。」
春蘭は困惑したようにグラフを見る。あまりにも異常なデータに目を疑う。
「否定したくなるのはわかる。一応、検査機を調べてみたが、特に異常は見当たらなかった。」
「なるほど……。これは正常に作動した結果というわけか。もしかしたら、近年の魔獣の出没率も、これが影響しているのか?」
「その可能性は否定できない。もちろん、団長にも同じことを伝えたさ。ただ団長は、何か思い当たる節があるみたいなんだ。」
「思い当たる節?それは一体なんなんだ?」
「それは僕にもわからない。おそらく、団長の中でも確定していないからだと思う。」
春蘭は資料を樫茂に返す。
「今回の件について、君の考えを聞きたいな。」
樫茂は資料を片付けながら春蘭に返答する。
「これはあくまで僕の予想だけど、何か大きな事件が起きる気がするんだ。」
「どうしてそう思うんだい?」
「実はデータを調べているとき、過去の大きな事件についても調べたんだ。その事件全てに言えることとして、事件が起こる前に"魔力に大きな乱れが生じていた"ことがわかった。中には、魔力の流れが複雑になったり、今みたいに魔力濃度が不安定になったり……。これが僕の考えかな。」
「なるほど……。もしかしたら、僕たちはまた集結することになるかもしれないね。疾風と純連は元気にしてるかな。」
「心配する必要はないさ。だって僕たちは、日本支部の最高戦力なんだから。」
「そうだね。心配する必要はなかったね。」
「あれ?お客様は?」
「あぁ…、もう帰ったよ。」
「そうなんですね。あ、お風呂入れますよ。」
時計を見ると、5時を過ぎていた。
「ふぅ……」
春蘭は湯船に深く浸かる。体の疲れが一気に取れるのがわかる。
(魔力濃度が不安定、か。)
「ちょっといいか?」
浴場のドア越しにロビンが話しかけてくる。
「どうしたんだい?」
「元々夕方までって聞いてたんだが……。」
「あぁ、そうだったね。着替えは雫に用意してもらうから、気にしないでくれ。」
「わかったよ。そだ。ちょっと書斎を漁っていいか?」
「構わないよ。」
「サンキュ。」
ロビンの足音が遠ざかっていく。春蘭は湯船から上がり、浴場から出て体を拭く。
「着替え着替え……」
春蘭は用意してある服を着る。廊下を歩いていると雫とすれ違う。
「2人はどこに?」
「お二人なら書斎にいますよ。」
「わかった。…雫、たまには先に入ってもいいんだよ?」
「いえ、まだお夕食の準備が。」
「それなら僕が準備をしておくから。ゆっくり浸かってくるといい。」
「……では、お言葉に甘えて。」
雫は少し申し訳無さそうに自分の部屋に向かう。
(着替えを取りに行ったのかな?)
春蘭は台所に向かう途中、夕食を考えながら歩く。
(夕食は何にすべきか……)
春蘭は冷蔵庫の中の食材を取り出す。
「簡単なものだとロビンに悪いな。」
「はぁ……」
雫は湯船に浸かりながら考え事をする。
(うーん…、なんて言えば……。)
「ほんとに入ってた。」
ドアを開けて浴場に美桜が入ってくる。雫が驚いてお湯が飛び散る。
「あぁ……、やっぱり驚くよねぇ。あんまりこういうのはないから。」
美桜は薄紫色の髪を後ろで束ねている。
「やっぱり、髪を結ぶのがお上手ですね。」
「そう?あまり結ぶことはないんだけど……。」
美桜は頭からお湯をかぶる。
(なんか罪悪感が……。見てはいけないものを見ている気分になってる。……それにしても、本当にスタイルがいい。)
雫は自分の体と見比べる。
(なんで私はこうも貧相な体なんでしょうか……。)
「たまには、裸の付き合いもいいわよねぇ?」
体を洗い終わった美桜は、ゆっくりと湯船に浸かる。
「はぁ…、また白髪。」
美桜は自分の髪を見ながらため息をつく。
「若白髪というものですね。」
「うーん…、やっぱりストレスかな……?」
美桜は雫の髪をすくう。
「銀髪っていいわねぇ。やっぱり白髪が目立ちにくいの?」
「目立ちにくい……。そうなんでしょうか?」
「流石に白髪はあるでしょ?メイドの仕事って大変そうだし。」
「髪は毎日手入れをしてますけど、白髪らしいものは見当たりませんよ。」
「嘘でしょ?」
美桜は雫の髪をじっくり見つめる。確かに、白髪らしいものは見当たらない。
「なんでないの?」
「それは私にもわかりません。」
「はぁ……私、ストレスは感じてないと思うけどなぁ…。」
「そう認識していても、実は無意識にストレスを感じてるかもしれませんよ?」
「何にストレスを感じてるの?」
「そうですね……。妹様って、魔力をたくさん所持していますよね。」
「まぁ…、うん。兄さんも多いって言うからそうだと思う。」
「もしかしたら、魔力を消費していないことにストレスを感じてるのかもしれません。」
「……そんなことある?魔力を消費しなくてストレスを感じるとかあるの?」
「私は魔力を持っていないのでなんとも言えません…。旦那様に聞いてみてはどうでしょう?」
「魔力を持て余してると言えばそうだけど……。魔道士になるって言ってもねぇ……。兄さんはあまり賛成してくれないし。」
「まぁ…、そうですよね。魔道士は常に危険と隣合わせと聞きました。自分の妹を危険な場所に連れて行きたいか?、と言われるとちょっと躊躇っちゃいます。」
「雫…、顔赤いけど?」
「そう……ですか?」
美桜は雫を湯船から引きずり出す。
「絶対のぼせてるじゃん。」
「うへぇ……」
美桜は雫を浴場から連れ出す。
「私はもう少し入ってるから。」
そう言って、美桜は浴場に戻る。
「うん……。」
湯船に浸かる美桜は、自分の手を正面に伸ばす。
(魔力に違和感が……。)
「……そろそろ、お前を………時だ。」
美桜は恐ろしい声を耳にする。しかし、ハッキリと聞き取ることはできなかった。
(何……今の……?……幻聴?それとも……)
「私……、疲れてるのかな……。」
美桜は浴場から出て鏡を見る。特に変なところはなかったが、違和感を感じた。
(何もない。何もない……はず。)
美桜は不安になりながらも自分に大丈夫だと言い聞かせる。
「美味そ……。誰が作ったんだ?」
「僕が作ったよ。」
「お前……料理もできるのか。金持ちで気前がよくて料理もできるとか……、完璧じゃねえか。」
「完璧なんて、言い過ぎだよ。」
(おまけに謙遜もできるときた。逆に何ができないんだ?)
「あら?意外と早いわね。」
髪を乾かしている美桜が話しかけてくる。
「あまり入浴に時間を割きたくないからな。10分以内には終わらせるようにしてるぜ。」
「時間を大事にすることはいいことだ。さっ、早く食事にしよう。」
(やっべ、よだれがでそう。)
ロビンには、春蘭の食事はアリスのハンバーグよりも美味しそうに見えた。口に運ぶたびに、箸を進めるのを止められなくなる。
「久々に兄さんの食事を食べた気がする……。たまには私も作るべきか……。」
「いや…、美桜が作る必要はないよ。」
「そ、そうですよ〜。妹様にとっては、料理は簡単すぎてつまらないですから。」
「そうかな?」
「そうだよ。だから君は、自分のしたいことをするといい。」
(この2人が全力で止めるってことは、美桜の料理はとんでもないものって認識でいいのか……?)
「うーん、わかった…。」
ロビンは話を聞いていなかったふりをしながら箸を進める。
(あとでどっちかに聞いてみるか…。)
(ふぅ…食った食った。)
食事を終えたロビンは、美桜がいなくなったことを確認すると、雫に小声で美桜の料理について聞く。
「妹様の料理は……、見た目も味も悪くはないんですが……。」
「何か問題があるのか?とんでもない食材を使ってるとか?」
「いえ、普通の食材を使用しています。」
「じゃあ何がダメなんだ?」
「えっと……、後始末が大変なんですよ。」
「……というと?」
「旦那様にも言えることですが、お二人は整理整頓があまり得意じゃなくて……。でも、妹様のほうが酷いんですよ。キッチンに来ていただければわかるのですが……。」
ロビンは雫について行く。キッチンは綺麗に整理されていた。食器や調理道具も綺麗に洗われている。
「旦那様は調理道具を綺麗に使ってくれるんですよ。でも妹様の場合は……、とんでもないことになります。なぜあれで料理がしっかりしてるのかが謎なんですよね……。」
「そんなに酷いのか?」
「聞いた話だと、妹様は大学の寮生活の時は自炊をしていたらしいです。その後片付けで……、毎回1時間ほどかかったとか。」
「後片付けで1時間……?数人分の食器を一気に洗ったのか?」
「いえ、1人分です。」
「すぅ……」
ロビンの口から空気が通り抜ける音がする。
「それ……色々大丈夫か?」
「だから、私たちは妹様に料理をさせないんですよ。」
「まぁ、理由はわかった。そだ。俺はどこで寝ればいいんだ?」
「寝室ならこちらです。」
雫はロビンを寝室に案内する。寝室に入ると、真っ先に部屋の広さに驚く。
(俺の家の寝室より広い……。)
ロビンは床に敷かれた布団に触れる。
(ふっかふかじゃねえか。どんだけ良い物を使ってんだ?)
ロビンは布団に飛び込む。
(やっべぇ……、朝まで熟睡できるやつだ。)
ロビンは布団から出て、床に置いた妖刀を壁に立てかける。
(眠いな……。歯でも磨いてくるか。)
しばらくして、ロビンは寝室に戻って来る。
(それにしても疲れたな。……ん?刀ってそこに置いたっけな?)
壁に立てかけた妖刀が移動しているように感じたが、気のせいだと思い、ロビンは布団に入る。
「ん……」
ロビンの顔に何かフワッとするものが当たる。
(なんだ…?)
ロビンはゆっくりと目を開ける。目の前には"白い生き物"が微かに見える。
「"狐"……?」
ロビンが起き上がった時には、白い生き物は消えていた。
「夢か……。」
ロビンは寝室から出て、洗面所で顔を洗う。その際、なぜか肩に重みを感じた。
「あ、おはよう。」
洗面所を出ると、美桜と鉢合わせる。
「おう…。」
「…何かあった?」
「実は……」
いつの間にかロビンの肩から違和感が消えていた。
「いや、なんでもない。」
「……そう…。ならいいけど。」
ロビンはリビングに向かう途中、春蘭と合流する。
「昨日は眠れたかい?」
「あぁ。熟睡できたぜ。」
「それはよかった。」
リビングに向かうと、すでに朝食が用意されていた。ご飯に味噌汁、焼き魚に目玉焼きと、ごく普通の日本食だ。
(一見普通に見えるけど、全部高級品なんだろうな…。)
ロビンは値段を考えると頭が痛くなりそうだった。キッチンから、雫が顔を覗かせる。
「朝早くからありがとね。」
「いえいえ、冷めないうちにお召し上がりください。」
雫は調理器具を洗っているようだ。そうこうしていると、美桜もリビングにやってくる。
「早く食べましょ。」
美桜は座布団に腰を下ろす。
「僕は雫を手伝ってくるよ。ロビンも先にいただいてくれ。」
「じゃあ遠慮なく。」
ロビンは美桜の隣に座る。
「………ねぇ。」
「ん?どうした?」
美桜はロビンを不思議そうに見つめる。
「魔力を使わないとストレスって感じるの?」
「……人によってはストレスって感じるかもな。俺は何も思わないけど。」
「ふぅん。てっきり、魔力を消費しないとストレスを感じるのかと思った。じゃあ、なんで朝から魔力を使ってるの?」
「………はい?」
ロビンは起きてから魔力を使った記憶はない。
「いや……、体に魔力が付着してるから、使ったのかと…。」
「えっと……、体のどのあたりに付着してるんだ?」
「肩から背中にかけて。あとは顔に少し。」
ロビンはまさかと思うが、すぐに自分の中で言い訳をする。
(流石に気のせいだよな……。まさか、何かが背中に乗ってたとかないよな……?)
ロビンは気を晴らすため箸を進める。
「さて、雫、運転を頼むよ。」
「は〜い。」
雫は運転席に乗り込む。
(またこれに乗るのか。)
ロビンはリムジンに乗り込むが、やはり、空気に慣れない。
「よいしょ。」
春蘭と一緒に美桜も乗ってくる。
「ん?お前も東京に来るのか?」
「えぇ、久々に行ってみたくて……。流石に神社の管理だけは飽きる。」
リムジンは東京に向かって走り出す。
魔力濃度
・高いほど人体に悪影響をもたらし、最悪、死に至る。『人間と並の生物以外の存在は影響を受けない』。