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▣葬憶隊名簿 & 音念図鑑④

●特務隊

分類:上級以上の音念および騒念の殲滅駆除を請け負う戦闘専門部隊。等級が五ツ星以上の隊員のみで構成されるため、メンバーは班長経験者であることが多い。

班色は黒、方角は北。



終波(ついなみ) (タケ)

特務隊長と実働部隊総隊長を兼任する女性。66歳独身。平均的な身長かつ、一見とても武道を嗜むとは思えない痩身。

瞳の色は鉄色。総白髪で毛先を紫に染めており、右の横髪だけ長いがほかはショートカット。全体的に軽くウェーブがかかっている。

性格を一言で表すとクール。淡々としたやや堅い口調で話し、感情的になることはほとんどない。一人称は私。


剣術指導教官として数々の隊員を育て上げた。元教え子たちからは「終波先生」と慕われている。

また蛍と時雨が葬憶隊に入れる年齢になるまで預かっていたため、二人からは『おばあちゃん』(時雨からは『タケばーちゃん』)と呼ばれる。他にはナギサを一時期家に住まわせていたらしい。

実家は道場て葬憶隊とも提携中。管理は古い教え子に一任しており、いずれは権利含めて譲渡する予定らしい。タケ自身は生涯未婚で実子もおらず、肉親はすべて他界済。


来歴:浮木(ふぼく)流剣術師範の長女として生まれる。『武』という名前は、もし後継者となる男子が生まれなければ男として育てる、という父の意向によるもの。当初は読みも『たけし』の予定だったとか。

後に弟が生まれたが、彼は若くして思念自殺してしまった。当時はまだ葬憶隊どころか音念への対抗策自体が確立されておらず、タケは事態を収束させるため家を出て奔走。研究者だった旺前(おうまえ)麒三郎(きさぶろう)(現・中部支部長)や出資者の照廈(てるいえ)駒吉(こまきち)(現・照廈グループ総帥。当時すでに旧財閥の御曹司であり実業家。ワカシとつぐみの祖父で、磯彦と尉次の父)らと出逢った。

彼らと作った民間の音念対抗組織こそは葬憶隊の原型の一つであり、公的機関としての葬憶隊設立にも貢献。日本初かつ今なお最古参の女性隊員である。


・祓念刀の銘は『蔵六(ぞうろく)

・戦闘スタイルは柔よく剛を制すテクニカルアタッカー。『浮木すなわち川面を流るる木の極意』とは、我心を断ち、あくまで流れに身を任せる、曰く『静』の剣捌き。噂じゃその昔は殿様に仕える暗殺者の剣術だったとか。

 等級は★★★★★★★

・趣味は手芸。最近は肩と腰に来るのであんまりやらないらしいが、蛍たちが小さいころはよく身の周りのものを縫ったり編んだりしてくれた。



五来(ごらい) 鎮馬(しずま)

隊員。通称ゴリさん。あだ名に似つかわしい筋骨隆々で角刈り太眉の大男。妻子持ちであり、奥さんは葬憶隊勤務の看護師(つまり職場内恋愛)。

鉄紺色の大きな瞳、いつも温厚な笑みを湛えた口許と、顔立ちからして善良さが滲み出ている。

快活な口調で話し、一人称は俺。


本編ではなかなか出番がないが、普段は提携道場で未来の隊員候補……かもしれない子どもたちの面倒をみているため、支部に直接出勤する機会が減っているせいである。

同じく特務隊員の沼主ナギサに比べ、五来の指導は生徒同士の交流やメンタルトレーニングを重視している。個々の適性を見つつもそれぞれの苦手分野をなるべく減らす傾向があるためバランス型に育ちやすい。

一人ひとりとしっかり向き合うことを大切にしているので、個人主義気質の生徒には距離を置かれがち。


隊員歴はタケに次ぐ古株だが、実は特務隊入りはナギサより後であり、班長在任期間が長かった。班長時代の部下にはワカシとモモスケなどがいる。

5年前に同期を亡くしているが、それは当時の鳴虎と匡辰の上官である。もとより人手不足だったのでその後しばらく二人の面倒もまとめて見ていたそうな。

ちなみに奥さんとの馴れ初めは平隊員時代。当時はヤンチャでしょっちゅう医務に担ぎ込まれており「包帯も消毒薬もタダじゃないんです、そんなに怪我ばっかりしてこないで!」と怒られたのがきっかけらしい。


・祓念刀の銘は『捉月(そくげつ)

・戦闘スタイルは攻防どちらも安定したバランス型。最大の武器は自前の筋力。

 等級は★★★★★★

・趣味はDIY。スポーツも好きで息子といろいろやりたいが、葬憶隊は外出時もあの制服を着ることが推奨されているのがちょっとネック。



沼主(ぬます) 凪沙(ナギサ)

隊員。百八十センチを超える長身の女性。絶ぺ……起伏の少ないスレンダーな体形で、現実離れした独特の色香を醸し出している。

一人称は私。基本的に敬語を遣って礼儀正しく振る舞うが、ちょいちょい地が出る。

腰元まである梅鼠色のロングヘアに、長いまつ毛に覆われた薄縹色の瞳の妖しい美女。32歳の独身。


納琴(なごと)市のスラムと悪名高い鉦山地区の出身。荒れた環境で育ち、10代の頃は男女問わず病院送りにする等の伝説を持つ『鉦山のマムシ』の通称で畏怖される武闘派非行少女だった、らしい。タケと出逢って更生した。

実親とは絶縁状態にあり、世話になったタケを母親代わりとして慕っている。彼女に迷惑をかけないようにと法令遵守を心掛けているものの、たまにヤンキーの感覚が戻ってしまうのか、突飛な言動が飛び出すことも。だいたい被害者はワカシ。

指導教官としての人気は高いが、ナギサ自身がアタッカーなため生徒も攻撃優位に偏って育ちがちなきらいがある。徹底した個人主義で生徒のプライベートには一切関わらないスタンス。


五来を先輩と呼んでいるが、特務隊配属になったのは実はこちらが先。実力が高かったのもあるが、性格があまりにも班長に不向きだったのが一番の理由。

ワカシが葬憶隊に保護されたさい護衛を務めた隊員の一人であり、それ以来異常に懐かれている。ナギサも彼女なりにワカシを気に入っている……のかもしれない……が、いろいろ真逆すぎて何かが根本的に間違った関係に陥っている。

酔っても顔に出ないタイプの酒豪であり葬憶隊のR18担当。


・祓念刀の銘は『宇治丸(うじまる)

・戦闘スタイルは冷酷無慈悲な高速アタッカー。やられる前に皆殺しにするタイプなので防御面は放り投げている

 等級は★★★★★★

・趣味は不明 ワカシ曰く私生活は荒れておりワーホリ気味

しいていえばロングヘアのお手入れはちゃんとしている




●音念図鑑


✿No.5

標的名:『複製型(仮)?』

階級:上級音念(ボイスタラス)

外見:停滞型

能力:攻撃性はそれほど高くないが、すさまじい速度で分裂増殖する。また分裂体の体積や密度は本体の半分以下になるが、本個体の場合は成長速度が著しく、数分も掛からずに本体と同等の大きさに至る。この分裂と成長の速さによりねずみ算式に増殖する。

当初は新種の形態ではないかとの意見もあったが、技術チームの調査では通常の停滞型音念と同じ霊体構造であり、特異性はないという報告が為された。高速で大量に増殖したのは何らかの外的要因によるものだという。

処分状況:駆除済み



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