7.午後は魔法について
「よし今日は走らない分、筋肉のトレーニングをするぞ」
「「はい」」
「基本のトレーニングは腕立て伏せ、腹筋、背筋になる。基本的にと言ったのはやっぱり本質としては武器を持つことになるからそうなったら武器を振った方が効率的という意味だな。よし腕立て伏せからやっていくぞ」
「どうやるの」
カイトは知っているがリンは知らないため父に説明を求めていた。
「腕立てはなまず両膝を地面について…」
父はリンのそばに座り手取り足取り説明をしていく、その様子を見て真似しているように見えるようカイトは少しずつ腕立ての姿勢になっていった。
「よし、次はカイトは形はできてるなすごいな」
「おねえちゃんにおしえてるのみてたから」
「それでも姿勢良くできているぞ…腕がプルプルしてるけど、ふふふ」
「うるさい」
形は取ることはできるが流石に3歳支えるだけで精一杯である。本人としてはこれでも相当がんばっている。
「ふーん、ふっ」
2人とも動かそうと思っても動けない、一回沈み込んでしまうと起き上がらせることができないのを何度も繰り返していく。
「2人とも起き上がらなくても支えるだけでも十分トレーニングになるから大丈夫だぞ。あとは膝をつきながらやるのもいいぞ、その場合は起き上がることもできるかもな」
「ほんとだー」
「む、むり」
姉は膝をつくことで数回腕立てができるようだったがカイトはそれでも無理だった。
「よしここまででいいぞ、腕立ては毎日10回やったら少し休憩を10セットできるように頑張るぞ、ただカイトは出来なさそうだから支えるのみで10数えて休憩を10セットできるようにしようか。」
「「はーい」」
「次は腹筋だな」
「はい」
それからしばらく父からのトレーニング講座をしていた。当たり前と言ってはなんだが、カイトはどの種目でも1回もできなかった。リンの方は頑張れば数回できていた。カイトは小さい頃から鍛えすぎも良くないのだがなと考えながら、出来うる限りやろうと思い必死にやろうとしていた。
「カミト、おねえちゃんのかちね!」
言ってはいなかったが勝負は始まっていたようだった。数回できた姉に比べ一回もできなかったカイトは姉を気付かないう地に満足させていたようだった。もちろんドヤ顔であった。
「ふん、いつかかつもん」
負けず嫌いのカミトも負けじと言い返すが明日勝てる自信はなく三下のような発言になってしまった。
「お昼よー」
「「「はーい」」」
タイミングよく母からお昼の呼び出しがあり全員でご飯を食べるために席に着いた。
「午後からは魔法の基本的な操作から練習していくわよ。2人ともいいわね。
「「はーい」」
ご飯を食べ終わり一息ついたところで母からの呼び出しがあった。午後からは昨日の続きで実技の方を教えてくれるようだった。
「魔法はMPというものを消費するのだけれど、言い換えると魔力ということになるわ。ステータスの中にINTというものがあるのはわかっているわね」
「ステータスオープン…ある10だけど」
姉は母がステータスにあるというと食い気味にステータスを開き確認していた。
「ふふふ、最初はみんな10になっているのよそこから上げていくのよ、INTが高ければ高いほど攻撃の威力上げたり、範囲を広げたりすることができるようになってくるのよ。」
「へえー」
「INTをあげてくりかえしれんしゅうしていけばしぜんといりょくはあがっていくの?」
「いや初めて使った時の威力を1とした時にお母さんは数倍のINTがあるけど威力も数倍になるわけではないわ。攻撃する時に威力を変えることができるの強すぎる攻撃をする時には追加でMPを取られることもあるわ。」
「それはなぜですか?」
「一説によると高すぎる威力の代償とも言われているし、INT以上の攻撃を出そうとしてるからとも言われているし色々な説があるわね」
「なるほど」
(ということは隠しステータスなんかもあるのかな。毎日鍛えている人と、鍛えていない人で、同じ上限値の強さを持っていても実際の強さは変わってくるだろうしな)
「じゃあ、魔力を質を鍛えていくわよ。まずは魔力を感じるところからね。魔力は誰でも持っているものなの。魔力を持っていない人はみたことがないからそう言われているわ。そしてその魔力は魔力のみで放出することもできるし抑えることもできるわ。放出している時には体の周りにモヤみたいに出ているからそれでその人の強さを感じることもできるわ。今普段よりも放出量を上げてみたんだけど何か感じるものはある?」
「うーん、ちょっと怖い?」
「わかんない」
「リンはもう感じることができるのね。カミトも今感じられなかったとしても落胆することないわよ。これから次第で感じれるようにしていくから。」
母に慰めの言葉をもらいながらもカミトは母の方をよく見て感じ取ろうと頑張っていた。
「とりあえず手を繋いでみましょうか近くによればよるほど感じ取りやすくなるから…どうかしら」
「少し変な感じするかも」
「そうそれならよかった。まずは魔力を感じ取っていくのが大切だから、お母さんが放出量を増減する中で感じ取る制度を上げていきましょう。」
「おかあさん、まどうぐっどうやってつかうの?」
「カミト急にどうしたの、そうねぇ魔道具と呼ばれるものに魔力を流して使うのよ。」
「ならひとにながすこともできるの」
「……考えてもみなかったわ。でもどんなことが起こるかわからないからあなたたちで試すことはできないわね。」
小説の中では、幼少期に魔力を鍛えるのは定番であった。そして魔力を感じるトレーニングで他の人から魔力を流してもらうというのも同じくらい有名であったため聞いてみカミトであったがこの世界では一般的ではなかった。どんな危険があるかわからないためまずは子どもではなくアイクに試してみることにした。
「アイクちょっと試してみてもいいかしら」
「ものは挑戦だな。微量の魔力で頼むぞ」
「わかっているわ。ごく微量な魔力を手から流し込んでみましょう」
「心の準備もできたぞ」
「「どきどき」」
父と母で相談しながら試してみる様子にどんなことが起きるのかと兄弟揃ってどきどきしながら見守っていた。
「いくわよ…どう?」
「うーん、少し違和感というか押されている感じがするかも」
「体調に変化などはない?」
「それは特になさそうだな」
「じゃあ少しずつ出力を上げていくから変化があったらすぐに言ってちょうだい」
「わかったよ…なんか押されている感じが強くなって、無理やり入れられている感じがするが魔力が回復しているわけではないんだよな。」
「おとうさん、おかあさんに入れられている分を反対の手からおかあさんに返してみたらどうかな?」
「ん?こんな感じか。」
「わ、なにこれ面白いわね。」
「カミトよくこんなこと思いついたな」
小説の中でやられたことをそのまま言っているだけなのだが、良い感じにできるようだった。
「ちょっと思いついただけだよ。それでぼくたちもやってもだいじょうぶそう?」
「そうねー、少しなら大丈夫かしらあなたどう思う?」
「ごく微量に押す感じまでならいいんじゃないか?まだ魔力の放出ができないから俺たちみたいに上手くできないだろうし」
「そうね…ならリン来なさい。」
「はーい」
「僕からじゃないの?」
「お姉ちゃんからに決まっているでしょう」
「みつけたのはぼぼくだよ?」
「リンが大丈夫であればすぐにやってみるわよ」
「わかったよ」
発案者の自分が先にやってもらえると思っていたカミトであったが、年功序列と言われれば納得せざる負えない。何事もなく済んで自分に回ってこいと祈っていることにした。