6.鍛錬2
私事ですが、インフルエンザにかかりまして、熱にうなされる日が続いております。
皆さんも体調を崩さないようにしてください。
何人もの方に読んでいただき励みになります。
よろしくお願いします!
途中村の人に声をかけられながら家族全員で村の外に出てきた。
父母の両方が出てきた理由は、リンとカミトが距離が離れた時に、不測な事態が起こっても対処ができるようにする為だった。
「じゃ行くぞ、よーいどん」
「わあー」
「いくか」
スタートの合図とともにリンはもうダッシュで走って行った。それに対しカミトはゆっくりと走り出していった。
(うわ、走りにくい。身長が高くないからストライドが出ないし走っても走っても進んでいる気がしない。やばい心が折れそう)
開始早々に現実と向き合わなければならず、洋司の頃のスピードとは雲泥の差であり気持ちが折れそうになっているのであった。
「「はあ、はあ、はあ」」
「つかれた。もうだめ〜」
「す、す、はー、す、す、はー」
「カミトまってよー」
「す、す、はー」
もうダッシュしていたリンと比べてゆっくりとはいえ体力に気を遣いながら走っていたカミトでは進む距離が違ってくるのも当たり前である。それでもまだ600mも進んでいないのだが。
「もうむりー」
(初日から飛ばしすぎるのも良くないし、おねえちゃんも拗ねらせるとめんどくさいことになるかもしれないし、ここら辺でやめておくか、それにしても疲れた。体力もつけ直しだな。)
「やっとおいついた」
「ぼくははしれないからやめるつもりだけどおねえちゃんはどうする?」
「そっか、ならわたしもやめる。つかれちゃった」
「2人ともお疲れさま、カミトはよく走り続けたな、リンは止まってもまたすぐに走り始めたりと諦めずに頑張ったな。偉いぞ」
「えへへーがんばったー」
「がんばりました」
「だいたい1キロいかない位かな、最初にしては上出来なのかサラはどう思う?」
「初めて長い距離を走ったんですものどんな距離でも上出来だわ。これから少しずつ距離をのばせるよう2人とも頑張るのよ」
「「はーい」」
「では、帰って休みましょうか」
褒められたことに、リンは照ればがらも胸を張りながらドヤ顔をしている。2人は走りつかれ動けなくなってしまったため、両親に抱えられ家まで戻ってきた。
「「「「ただいまー」」」」
「これからご飯を作っちゃうわね」
「「「はーい」」」
この世界なのかこの国特有なのかはまだ判断できないが、肉が中心の食生活になっている。野菜が出ないわけではないが、季節のものや保存の効くものが多く家族のご飯では出ているため、一般的な家庭での食事はこんな感じなんだと考えていた。
「ご飯を食べて今日はしっかり休みましょうね。明日は魔法の勉強よ」
「まほう!!」
「はーい」
「おい、毎日走らないと意味がないじゃないか」
のんびりと話す母に父はツッコミを入れていた。
「あなたこんなに小さいのだから毎日走らせたら逆効果になるのではなくて?」
「うーん、なんとも言えないところだな。ただ確かに続かなくなってしまったらダメだからな。午後から走らないトレーニングで我慢するか。」
「どちらにせよトレーニングはするんだ…がんばるぞ」
カミトは走らないまでもトレーニングはさせるのかと少し呆れてしまった。でも幼い頃から適度なトレーニングを積んでいけば前の世界の後悔を繰り返さないだろうという決意はあった。
(魔法の授業の前に少しスキルのおさらいをしておくか。)
次の日に魔法の授業を母がしてくれる様子だったが、その前にスキルをもう一度見直しておこうと思ったカミト出会った。今日質問するまでしっかり目を通してきたが、今まで経験してこなかった概念のためしっかりと思い出しておこうと思ったのである。
次の日…朝ごはんを食べ終わった後
「それでは魔法についての話をしていきますよ。2人とも座りなさい」
「「はい」」
「魔法は、基本的に8つの系統に分かれているの。振り分けは、火、水、風、地の基本属性に加えて光、闇、時空の上位の3属性、それに無属性の8つよ」
「むぞくせいはきほんぞくせいにならないの?」
「カイトいいところに目をつけたわね。無属性魔法は特に有効な魔法があるわけではなくて。他の7つの属性に分類できないものが無属性に分類されていると言われているわ。だからこそどの魔物にもある程度の攻撃ができるの。ただ無属性が弱点の魔物はいないとされているから大ダメージになることはないって感じね。」
「なるほどー」
(他の小説とかでは無属性魔法って生活魔法とか身体強化とか使えることが多いという印象があったんだが)
「ひかりとやみってつよいの?」
「リンもいいところに目をつけたわね。光と闇は単体ではそんなにつよいわけではないのただ有用性と危険性が高いと言った方がいいかしら。確かにどの属性の初級の魔法でも死ぬことはあるのだけれど、闇は上位に行くほど危険性が増してくるの、あとは夜とかだと気がつかれずに行動できたりなんかもあるし。逆に光は回復魔法を初級の段階で覚えることができるから有用性が高いの。魔物で光と闇どちらかの魔法を覚えていると厄介さや危険性を増すからとも言われているわ。最後にこれが1番大きいんだけど…」
「なになにー」
「必要スキルポイントが高いのよ」
「「え」」
一瞬そんな話なのと思ってしまった2人であった。
「それが重要なのよ、スキルを取るのにポイントが必要なのは前話したわよね」
「「うん」」
「スキルのレベルを上げるのにも必要になってくるのそれは上位と言われる強いスキルほどポイントが高くなる傾向があるの。だからこそ基本属性と言われるものとそれ以外で種類別されているってことなの」
「なるほど」
「そして物理スキルと大きく違う点はレベルを上げていくと強い魔法を覚えていくことよ、ただ覚えても発動できるかや制御できるかは別問題なんだけどね。」
「そうなの」
「物理スキルに関してはまた説明するけれど魔法に関してはそうなの。なぜなら魔法にはMPを使用するんだけど足りなければ発動できないの。制御に関しては、鍛錬をすることで暴発せずに使用できるようになったりさらに磨きをかけると強くしたり弱くしたりと
や範囲なんかも変えたりできるようになるの」
「ぼ、ぼうはつ」
「ぼうはつはこわいわー、どんなふうになるの?」
「暴発と言っても発動する規模によっても変わるわよ、初級の魔法であれば、小さい爆発で済むけれど上級の魔法ともなってくると自分を巻き込んだり大きい範囲で爆発することもあるの。過去には、戦争で超級の魔法を発動しようとして失敗し敵味方関係なく消滅してしまったこともあるから注意が必要ね。」
「せいぎょできるめやすとかあるの」
「目安というのは特にないわね。ただ感覚で使えるかどうかはわかってくるものなのよね」
(か、感覚かよ、でもここは現実に近いな。魔法に関しての発動のキーはわかるけど練習しなければ使いこなせるようになならないのか…)
「おかあさんつよいまほうってどこでれんしゅうするの?」
「それはダンジョンで使用することが多いわね。地上で練習すると規模によっては迷惑になってしまうからよ。ただ初級に関しては火以外は気楽に練習しても構わないという暗黙のルールはあるけれど。」
「へえー」
「あとは強い魔物になってくると高威力の魔法を使わなくてはいけなくなってくるからその時も制限はないわね、練習するときに限っていうとそうなるの。だからもし魔法を使うときには一緒に練習するわよ」
「「はーい」」
「ギルドに行けばおおよその魔法の範囲も調べることができるから参考にすることもできるし、お母さんは火、風、光に関しては教えることができるからもし魔法を使うのであれば一緒にやりましょうね。」
「おとうさんもまほうを持っているようだけど」
「それはね、生きるためには最低限の魔法を使えないといけないの。移動するときやダンジョンに潜っているときには、野営をすることも少なくないから、火や水を覚えている人は少なくないの。魔道具も値を張るものが多いしどうしても大きくなってしまうから。」
「へぇー、やえいたのしそう。」
「色々と大変よ。まあそれも経験かしら。魔法に関してはこんなところかしら魔法の内容については魔法を覚えることを決めてからね。まずは制御のトレーニングから始めましょうか」
「「はーい」」
「じゃあ午後に備えてご飯を食べましょうか」
「「「はーい」」」
父も入って返事をしていた。リンもこの話もある程度理解できている様子だった。
(知っていることが多かったけど魔法に関してはまだわかっていない事が多そうだな、スキルの説明に関しても漏れている部分もあったからな、今晩にもスキルを取っていこうかな)
神殿やギルドに行かなければ取得することはできないが、カイトは異世界人のスキルの効果でどこでも取得できるため勝手に取ろうと決めたのであった。