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49.後始末2

おはようございます。

かなでです。

そろそろ一章にも区切りがつきます。

感想でもいただきましたが名前を書き間違えている部分や設定の見直し等の修正、改稿をしたいと思っています。

そのため更新が少し遅れるかもしれませんので前もってお知らせさせていただきます。


頑張ります。('ω')

「はーあめんどくさ、坊主これも頼む」


「わかりました


乱暴にゴブリンを投げる冒険者に返事をするカミト。同じことの繰り返しでやる気をなくし始めている人も多くなってきた。


数百転がっていたゴブリンの数もだいぶ減ってきたが回収しに行く距離が伸びたことで苦労が増していたようだった。


自分はひたすら燃やし続けているのでそっち方面での大変さはわからないのだが、ずっと肉の焼ける匂いが漂っており、しばらくは肉を食いたい気持ちにならないだろうなと一緒に作業をしている人と話していた。


「ふう、疲れたな」


「そろそろ交代しようか」


「ありがとうございます」


魔法使い同士で魔力が切れる前に交代をしている。他の魔法使いも魔力を温存しながらやっているのでどんどんゴブリンの山が出来上がっている。


「それにしてもゴブリンがかなり溜まってきているな。少し派手にやってもいいかな。そうしないとお父さんに連れて行ってもらえないからな」


明日以降連れて行ってもらうためにも、今日中に少しでも早く終わらせたかった。そのためにフェムバーストを打ち込むことも考えたが肉片が飛び散ってしまうのも困るので使えずにいた。


「魔力は…あと600くらいか。ちょっと試してみようかな」


ここで必要なのは破壊力ではない、高い火力で燃え続けること。

炎の温度が上がることで現れる変化は色の変化だ。この辺は小説や同僚の理科の先生から教わったことがあった。ちなみにガスコンロの火が青いのはそれだけ高温というわけではなく、メタンガスの炎色反応だと言われている。

ガスコンロよりもはるかに高温のはずの太陽が青く見えないのは青くなる温度まで達していないからなのだ。


現在の自分や周りの人の火の色は赤っぽい色、この温度はおよそ中心部分で1000度くらいになる。亡くなった人を火葬するのは800〜1200度の間となっているので十分ゴブリンも燃やせているが、火の温度をもっと高くすれば早く燃え尽きることになる。まずは火の色を白色に近づけたいと考えた。


「火の温度を上げるには酸素の供給量を上げる、あとは酸素以外のもので燃やすイメージ、他には、できるだけ火の熱を逃さないように凝縮させるくらいか」


そこまで詳しいわけではないが火の温度を上げるものにはある程度目星はついた。今度はそれをどうイメージするかや、どういった詠唱にするのかを考えなくてはいけない。


本人は忘れているが、魔法はイメージがしっかりしていれば発動するので何回も使っているものや、INTが高い人は無詠唱でできる。だが長年の習慣で、詠唱をした方がイメージを固めやすくなってしまうために、簡単には無詠唱でできないのが現状である。


「とりあえず、『白炎よ 敵を 滅せよ ファイヤーボール』はまあ無理だよな」


詠唱でなんとかなるものかと適当に言ってみたが案の定うまくいかなかった。


「詠唱も最初は恥ずかしかったけど慣れるもんだな。…まだ1年くらいしか使ってないけど」


自分で言った言葉に自分で突っ込んでと1人漫才をしていた。その様子を見ていた周りの魔法使いは変な人も見る目でカミトから少し離れていった。


「酸素を供給し凝縮するイメージ。『炎よ 酸素と一つに混じり合い 凝縮せよ ファイヤーボール』」


詠唱の中に酸素を供給するようそのまま落とし込んでみたが魔法は発動しなかった。原素の内容を理解している自分だからこそこの詠唱でも発動すると思ったのだが思うように行かない。


その後もいくつか詠唱を繰り返していくがなかなか発動しなかった。


「『火よ 酸素よ 収束し 燃え盛れ ファイヤーボール』お?」


詠唱を繰り返していく中でやっと一つ発動した詠唱があった。

炎の様子は思ったような白い炎ではないが、他の魔法使いの魔法よりもオレンジがかっているように見える。

試しにゴブリンの山に向けて放ってみると着弾したところのゴブリンの燃焼が早い気がした。


「なるほど詠唱は一文を短く区切った方がいいのかな」


魔法をしっかり発動したいがために具体的にイメージを詠唱に入れていると長くなってしまっていた。

もともとの詠唱が長くなっても、区切りを入れることで短文で詠唱ができるが長くなってしまうのがネックだった。


「やっぱり詠唱省略をとった方がいいのかな、でもせっかく他の人に比べて前世の記憶がある分想像しやすいのに」


科学の分野はもちろん、現代までの知識を学習していた自分がこの世界の人よりも先んじているのは確かなので、どうにかして無詠唱でできるようにしていきたいと考えていた。


世界の考えはこれまでの歴史の積み重ねであり、たまに存在する特異点によって新たな考えや知識が増えていく。その点で言うとカミトは元の世界の知識がある分詠唱の内容や魔法への発想など他の人が考えられないことを考えることができているのだが、小説やゲームの部分を意識しすぎて気がついていなかった。


「これにさらに中心に集めるようにしたら高温になっていくよね『火よ 酸素よ 収束 凝縮し 燃え盛れ ファイヤーボール』やっぱりか」


いつも使っているファイヤーボールよりも小さいが色合いは薄いオレンジのように白みがかっていた。

そのファイヤーボールを再度ゴブリンの山に近づけると燃焼速度は先ほどよりもはるかに早くなっていた。


この魔法でさらに魔力を込めることでこのゴブリンの死体の山を早く処理ができると喜んだ。


「おい坊主」


「はいなんでしょう」


「すごいなその魔法、この調子でどんどんやってもらいたいんだが魔力は大丈夫か」


「そうですねやってみないとわからないのでできる範囲でやりますね」


「頼む、報酬はいいんだがこの作業は辛い」


「「「頼む」」」


少し遠巻きに様子を伺っていた魔法使い達がカミトが高威力の魔法を放った姿を確認してすぐに近寄ってきた。

魔法の内容を聞くのはマナー違反なのでどのような魔法かはわからないが恐ろしく火力が高いことを知り、早く依頼を終わらせてほしいとお願いしてきたのだった。


魔法に関しては基本的には発動するための魔力で良いのだが、待機させて初めてわかったことがあり形を維持するのにもごく少量だが魔力が消費されることがわかった。先ほども消費したので残り500とすこしそのくらいあればしばらくはできるかなと返答したのだった。


「これまで以上に魔力を…MP200くらいかいくぞ『火よ 酸素よ 収束 凝縮し 燃え盛れ ファイヤーボール』」



魔法を発動することでこれまで50cmくらいの大きさだったのが1mくらいの大きさのファイヤーボールが出現した。巨大で高温のものが出現したため普通のファイヤーボールよりも周囲の温度がかなり上がったように感じた。

因みに普通の魔力量で発現した場合10cmくらいだった。


白炎もどきを近づけていくことでどんどん炭となって無くなっていくゴブリン。今までかかっていた時間が嘘のように感じるほどだった。

周囲の魔法使いも喜び自分たちのできる範囲でどんどんもよしていくことで初日にしてかなりの量のゴブリンを灰にすることができた。この調子でいけばあと1日2日ほどで終わるだろうかと言うところだった。カミトがいてでの話であるが。


こうして今日の作業はおわりそれぞれが証明書を受取って散っていった。カミトもリンやライトと合流して家に帰っていた。


「ねえミトはどうしたんだ」


「もう帰ったわよ」


「そうなの」


「うん、お母さんに言われているからって。残念そうにしていたわよ」


母に言われていることをしっかり守っているミト、その姿に少し残念に感じるカミト、早くこの期間が終わらないかなと思いを馳せるのであった。

お読みいただきありがとうございました。

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