37.異変
寒い、寒い、布団から出たくない日々が続いていますね。
話の中にどの程度世界観の説明を入れるべきか、何か説明を入れ忘れてる気がする‥
「お姉ちゃん、それはそうと明日のことを聞かなくていいの」
「そうだった、お父さん明日予定通り奥の方に行ってみてもいい?」
「うーん、まだ本格的に増えてきたと確定した訳じゃないからいいけど大規模な集団や強い魔物とあった場合はすぐに逃げるようにな」
「「はーい」」
ダメかと思われた討伐だったが許可が出た。ただし制限があるのだが、逃げきれなかった場合はどうするのだろうか。その辺りも異世界感覚が溢れていてついていけていない部分の一つだったりする。
「今日は、奥まで行くわよ」
「うん」
姉はとてもウキウキした表情と声で誘ってきた。
足取りも比較的いや、今にもスキップしそうなほど軽く先頭を歩いて村の入り口に向かっていた。
たまに小走りになりながら姉を追いかけていった。
門の近くになってくると浮かれ気味な歩調からしっかりとしたいつもの足取りへと変わっていった。
「カミトここからはいつ戦闘が起こってもおかしくはないわ、警戒を怠らないようにね」
「その言葉お姉ちゃんにそのまま返すよ」
切り替えた姉は集中するようにと自分に言ってきたが、ブーメランである。あんだけ浮かれてたのにしっかり切り替えられるところはさすがというところだろうか。
「森まで一気に行くわよ。今回はスライムも基本は倒さずに行くわよ。魔法は控えてね」
「わかった。スライムは迂回していくの?」
「いえ、私かカミトの剣で倒していくの。MPはできるだけ温存していきたいからね」
前回のように2人で相談しながら進んでいく。MPはいざという時に強力な武器となる。できる限り温存しておき何かあった時に対処できるようにとの方針であった。
ただ迂回をしていると時間がかかってしまうためわざわざスライムを避ける必要もないがMPを使うのはもったいないとのことだろう。魔法を使うのは森に入ってから特にいつも討伐で回っている範囲より奥に入ったら使用していくことにしよう。
「そういえばカミトMPはどのくらいあるの」
「ファイヤーボールだったら50発ってところかな」
「なら奥の方に行ってもあまり乱発は出来なさそうね」
実際はもっと打てるだけの魔力があるのだがいつものように偽の魔力量を教えた。魔力を過大に言っていたらいざという時に使えないなどの問題はあるが過小に報告する分には大丈夫だろう。
それに複数打ったり、強く打てば魔料をそう多く使わなくても済むし、時間経過もあるので倍ぐらいは打てるだろうと思っている。
「今日はどこまで奥にいくの?」
「普段は30分から1時間程度の場所を探索しているから少なくても1時間30分程度は行きたいわね」
「まだ午前中だから2時間ぐらいまではいけるんじゃない」
「いえ何があるかわからないからまずは1時間30分くらいにしましょ」
「そうだね。そうしようか」
今回は異常発生の可能性が捨てきれないためウォームアップも兼ねていつもより奥にいく程度にしておくことになった。
森に入り進んでいくと、昨日のようにゴブリンと遭遇回数は変わらなかった。昨日と違うのは魔法を使わない点で、1回にかかる戦闘の時間はかかってしまうが着実に奥へと進んでいった。
「ここら辺からかな」
「そうだね。より注意していこう」
いつも索敵している辺りからそろそろ抜け出すというところでお互い声を掛け合って再度気を引き締めていった。
慣れた道ではないため歩みもゆっくりにしていつどのような敵が出ても対応できるようにした。
「ここら辺は逆にゴブリンいないね」
「そうね何かあるのかな」
自分が疑問に思ったことを姉に伝えた。奥に進み始めた当初はゴブリンとの戦闘が変わらずにあったのだが、奥に進むに連れて遭遇する回数が減ってきた感じがしたのである。
「今日はこの辺で様子を見ましょうか」
「そうしようか。戦闘回数も気持ち少なくなってきたし何かあるのかな」
入り口から1時間30分ほどの地点までにゴブリンが多いと考えられるのは2つあった。1つ目は、入り口からこの地点までにゴブリンの集団ができつつある可能性。2つ目は、ここより奥の地点にゴブリンより強い個体が現れた可能性。どちらも可能性であるが故にたまたま増えた可能性も捨てきれない。何事もなければ良いのだが。
「ここまでもそうだけど戦闘の回数は多かったけど上位種があまり見かけないね」
「そう言えばそうね。10体前後の集団にはたまにいるのにほとんど見かけないわね」
今回、森に入ってから約2時間ほど、途中で休憩を挟んだが戦闘は8回、ゴブリンは40〜50ほど普段の倍近くの戦闘回数を行っていた。魔力の残量は戦闘に魔法の使用を極力抑えているためまだまだある。上位種も全然見かけないため不安が広がってきた。
「あとどのぐらい回る?」
「うーん、今日はもう戻りましょ」
状況がわからない中で続けても良くないために帰還することにした。時間でいうと13時を回ったところであり急いで戻るほどでもないため、お昼を食べゆっくり戻ろうという話になった。
「やっぱり森の入り口付近になってくると多くなるわね」
「そうだねぇ、でも上位種は相変わらずいないね」
姉からの呟きに、現状を言い返すしかできなかった。帰りということもあり、魔法を解禁し戦闘時間を短縮しながら戻ってきている。上位種は見かけないがゴブリンを何体も相手にするのは変わり映えのない戦闘で飽きてくる。命のかかった戦闘に飽きてくるというのも不謹慎な気がするが10体程度では怪我をせずに倒せるため作業のような感覚になってくるのだ。ゴブリンも基本は木の棒が多いのだが鋭利なものを使っている個体もいるため完全に油断はしていないのだが、時々集中力が切れてしまっている。
「カミトあと少しだから集中しなさい」
「大丈夫だよ」
「森に入る時よりも注意が散漫になってきてるわよ」
「わ、わかったごめん」
自分の気持ちを見透かされるような1言にドキッとしてしまった。索敵ができるような魔法の開発を進めていこうと思った。索敵というと小説などでは風魔法が多かった。今まで火魔法ばかりで出番のなかった風魔法を使う時が来たと感じた。
「あと少しよ、頑張りましょ」
「うん」
木々の切れ目から草原が見えるようになってきた。
草原は特に問題もなく談笑しながら戻ってきた。
「ただいま」
「おう、お二人さん今日は奥の方まで行ってきたのか」
「行ってきたわよ。これ討伐証明ね」
「わかった。それでどうだった」
「昨日と同じでゴブリンの遭遇率は高かったわ。それはゴブリンの耳の数を見ればわかるでしょ」
袋いっぱいのゴブリンの耳を指差しながら姉は話している。わかっていることを聞かれているため多少めんどくささが見受けられる。
「ものだけじゃなくて直接聞くことが大事なんだ。その辺は理解してくれ」
しっかりと言葉や紙面にしてこその意味があるとリードさんは言っていた。状況証拠だけでは、場所や状況がわからないからだ。
「ああと、上位種が少ないように感じた」
「そうそれもあったわ。10体くらいの集団での上位種がいる割合が半年前と比べると少なく感じたのよ」
「そうかあとは」
「奥にいくほどゴブリンの数が少なくなった気がするよ」
「そうか、少し調査をした方がいいかもしれないな。今日もアイクとサラに伝えてもらっていいか」
「はーい、じゃまたよろしくお願いします」
「はいよ、気をつけて帰れよ」
話が終わりギルドを出て家に帰ってきた。そこで今日あったことを昨日同様に伝えると今回は、明日ギルドに行くと言われた。そして森の奥の探索にいくのも、明日はやめておけと言われてしまった。
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