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35.ミトとカミトの問題

「カミト、今回は助かった。ありがとう」


「いいよ。無事でよかった。もう無茶するなよ」


「ああ、わかっている」


こってり絞られたのだろう、次の日の朝少し思い詰めたような表情でライトは謝ってきた。もちろん心配をかけさせたライトに一言言いたかったカミトであったが、怒られている時の姿や今回の謝罪の表情などで反省しているのが伝わってきたので保留することにした。


それからと言うものライトは父の言うことをよく聞くようになった。ただ聞くだけではなく自分のわからないこと、自分の考えと違うことは聞くようになった。そのため父の評価もかなり上がってきた。


俺はというと継続してミトのレベルアップのために討伐を行っていた。


「カミトくん今日はどうしようか」


「今日もレベル上げかなー」


「ライト、ミトちゃんちょっといい」


「お母さんどうしたの」


今日やることを決めていたところ母が間に入ってきた。


「今日からしばらくお母さんがミトちゃんを見るわ」


「え、どうしたの急に」


「いいじゃないちょっと理由があるのよ」


「なら僕も一緒でいいんじゃないの」


いつもは同じく行動してくれているのに今日からは自分も除いて進めていくらしい。なぜ今日からなのか気になって質問をした。もちろんなんとなくであれば撤回してもらおうと考えていた。


「そうねぇ、今回のライトくんの件で色々思うことがあったのよ」


「え、うん、それで何を思ったの」


少し言いたいことがわかってきた気がする。


「ミトちゃんも聞いてね。今回ライトくんがいわゆる暴走をしてしまった。これは自分のコントロールができなかったからなの」


「僕もそうだと思う。でもミトはわからないことは聞いて来てくれるよ」


「はい」コクコク


「それよ。」


「え」


母にわからないことを聞いていることに対してダメだと言われて戸惑ってしまうミトだった。


「なんででしょうか」


「ミトちゃん。はっきり言うとね、ライトくんは自分の思いが強すぎて暴走してしまった。あなたは逆で自分の思いがそれほど強くないのが問題なのよ」


「も、問題なのでしょうか」


「ええ問題よ、カミトは心当たりがあるようね」


「…あるよ」


「な、どう言うことなのカミトくん」


「なんといえばいいんだろう、お母さんが言っていたようにライトは自分のやりたいことを優先させてしまった。ここまでは大丈夫?」


「うん」


「ミトは逆に僕に委ね過ぎているって言いたいんだよねお母さん」


おそらく魔法を教えるだけなら多分問題はなかったはずだ。ただステータスの方も俺が言った通りにしたり戦闘でも意見を仰いできたりした。それは一見いいように見えてダメなのだ、仰いでいるように見えて自分の意思を持たず俺の言ったことをやっているだけなのだから。


「そうよ。今は子がいいのかもしれない。でも将来それがいいとは限らないのよ」


「そうなんですか」


「それにカミトがいなくなったらどうするの」


「考えたこともないです」


「そうよね。怪我でカミトだけ動けない大怪我で復帰できなくなってしまった。考えたくもないけど死んでしまった場合あなたはどうするの」


「そんなことにならないです。考えたくもないです」


俺はおそらく死ににくいはずだ。他の人よりステータスの上がりが早いから同レベル帯では負けないと思っている。父や母でBランクとう言うことは上はまだまだいるし強い魔物もいるはずだからそこは避けなければいけないと考えていた。


「それはわからないわよ最悪を考えなきゃ。今はカミトに頼りっきりの今、今後も続けていくのであれば立ち直れなくなってしまうと考えたのよ。だから少しでも1人で立てるように私が訓練するってこと」


「お母さん期限は」


「今はまだ決まってないわよ。ミトちゃん次第かしらね」


「そうなんだ。僕も一緒はだめ?何も口は出さないから」


「ダメよ。いるだけで心の拠り所になってしまうから。依頼や訓練の後も会うことは禁止ね。それを守れないようであればミトちゃんは連れていけないわ」


「えー、わかったよ…じゃあ僕は何をすればいいの」


「依頼を受けたいのであればリサと一緒に行動しなさい。ミトちゃんもいいわね」


「お姉ちゃんとか、はーい」


「は、はい」


「ミト頑張ってな。僕も頑張るからさ」


「うん、私頑張るね」


期限は決まっていなくそれまでは会えない。おそらく後何日で会えるなど希望を持たせたくはないのだろう曖昧な回答をしていた。これからはお姉ちゃんと行動することになりそうだ、今まで家族でゴブリン討伐に行く以外はそこまで一緒に行動していなかったため良い機会になると考えた。


その場で母とミトと別れて姉の方へと移動してきた。姉は訓練場の片隅で1人で鍛錬をしている最中であった。ミトのレベルアップのために別行動が多かったため鍛錬を一緒にやることがほぼなくなっていたため久しぶりに動きを見た。姉の動きは前よりも洗練され魔法をしようしたとて自分に太刀打ちできるのだろうかと考えさせられるほどだった。


「カミトどうしたの」


「鍛錬の手を止めちゃってごめんね」


「いいわよそれぐらい。でどうしたの」


「しばらくミトと離れてお姉ちゃんと組みなさいってお母さんが」


「へぇーどうしてそうなったの」


それからしばらく姉に事のあらましを話していった。年上と言ってもそこまで経験のない姉はなぜそう言う話になるの最初はかわからない様子だったが根気よく噛み砕いて説明していくことで一応理解してくれた。一緒に行動する話も特に問題ないようで、ランクを上げなくなってからは特に焦る必要もなくなったため鍛錬の時間を増やしていると聞いた。


「お姉ちゃんは家族で行く以外にゴブリン討伐とかしてるの」


「あまりしないわよ」


「なんで?」


「だってゴブリンじゃあもう物足りないもの」


姉は家族で行く以外はゴブリンの巣どころかゴブリン討伐もあまり行っていない様子だった。自分は魔法の練習をしているが試す以外ではミトのランクアップに森に行っているだけだったが効率としては悪くないと考えていた。


「でもレベルアップのためには討伐した方がいいんじゃないの」


自分考えとしては少しの経験値しかもらえないゴブリンを倒すのは億劫であるが地理も積もれば山となるである。コツコツやるのが大切だと思っている。


「でもあまり討伐に行くと力が伸びている感じがしないのよね」


「それならさいつもより奥に行かない」


「でもこの辺ゴブリンしか見た事ないわよお父さんもそう言っていたし」


そうなのだ、父や母も言っていたがこの辺りはゴブリンしか出ないようなのだ。ただ奥の方までは確認していないようだったのでいってみる価値はあると思っていた。


「伝えて言ってみようよ。僕の魔法とお姉ちゃんなら多少の数のゴブリンなら対処できると思うからさ」


「そうね行ってみるのもいいかもしれないわね」


姉も乗る気になってきた。ここで強い相手と戦えれば経験値や経験としてもいいので一石二鳥と感じたのだろう早速父に言いに父の方へと2人で歩いて行った。


「お父さん」


「リサ、カミトどうした」


「森の奥の方に行きたいから一応伝えようと思って」


「そうだな、2人だけで行くのか」


「そのつもり」


姉が父と話を進めていく。最初は渋りがちではあったが姉の鍛錬の様子をよく見ていたことやこの前の巣の討伐の時に放った自分の魔法を考慮して許可をもらえた。ただ初めてみる魔物や数が多過ぎた場合はすぐに逃げてくるように注意をされた。

お読みいただきありがとうございました。

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