32.ミト両親との交渉
2週間ほど過ぎた頃ライトがEランクへとランクアップした。その喜びようはすごく村中を駆け回りながら叫びんでいた。その叫びは20分ほど続きその騒々しさに家々から人が飛び出し羽交締めにされたライトを囲んで怒るほどだった。
その後はライガさんとライトで村中の家に謝りに回っていた。
「ライトお前何やってるんだよ…」
「いやー嬉しくてな」
「ライトくんその調子じゃ今後のランクアップの時は鎖でもつけておかないといけないかな」
「いやいやいや。アイクさん大丈夫です」
「本当かな。あまり信用できないんだが」
「本当です。今後はそうならないようにします」
「まあ今後ランクアップしそうな時は私も同行するから必ず呼ぶように」
「はいぃぃぃ」
信用ならないライトの言葉に父は必ず同行させるようにと制限をつけていた。
知り合いが多い村でも羽交締めにされてるのだ、ここよりも大きい村や街に行ったときには捕まる可能性もある。ぜひ大人しくさせる為にもそうしてくれと思ったのだった。
「お父さん、お母さん、これで僕たち4人ともEランク以上になったけどどうするの」
「ああとりあえずライトくんの1ヶ月の指導の期間を終えてからにしようと思っている。」
「え、それ…」
「カミト静かに、続けるぞいいか」
「う、うん」
指導の期間は省くことができると知っていたので、咄嗟に言おうとしてしまった。だがライトに伝わるのはまずいのか自分の話を遮り父が話を続けた。
「1ヶ月が過ぎた後にミトちゃんのお父さんのオウルに実力を見せて認めてもらおうと思っている。ミトちゃんいいね」
「は、はい」
「ライトくんも良いね」
「わ、わかった」
ミトの実力を上げる期間でもあるなら必要な期間だと感じたが今でも十分強いはずでありどのくらい強くなれば良いのかの目標が考えられなかった。
「お父さん、ミトはどのくらい強くなればいいの?」
「そうだな、魔法はもちろんだが数字で見せるのが良いかな。レベル6か7くらいになればある程度の魔物を討伐できると判断してくれると思うぞ」
「わかった。ミト今何レベル」
「今5レベを超えたところだよ」
「ならあと最低で2レベか1ヶ月で上げられるの?」
「それはミトちゃん次第だが大丈夫だと思うぞ」
「お母さんも手伝うから頑張りましょ」
「サラさんありがとうございます」
「お母さんちなみにどのくらいの魔法を使えれば大丈夫」
「その辺はもうクリアしてると思うわよ。カミトに教えてもらってるみたいだからね。その調子で教えて貰えば良いわよ」
母は最近自分のイメージをより強く持てるように日々鍛錬している。そのきっかけを作ったカミトがそばにいるのであれば魔法に関しては問題ないだろうという判断をしていた。ただ自分の技術を磨くのに集中したくて鍛錬をカミトに丸投げしたともいう。
それからというもの依頼を受ける頻度を減らしレベルアップするための魔物の討伐の頻度を上げたのであった。
ゴブリン、スライム、ゴブリン、ゴブリンetc…、草原や森の浅いところで討伐を繰り返していった、だが近場にいるのは低ランクの魔物のみ倒すのは容易いが経験値に乏しい。レベル上げは難航していた。
「ミト、今経験値どのくらい?」
「今のレベルは5レベで後500くらい経験値が必要みたい」
「そうか。なかなか上がらないもんだね」
「ダンジョンが近くにあれば良いのだけれどその前にはミトちゃんを強くしないといけないのよね」
「お母さん、ミトのお父さんにすぐに今の強さを見せることは可能なの」
「可能ではあるけどお父さんの判断が必要よ」
「認めてもらえないかな」
「お父さんはもうミトちゃんを認めてるわよ。厳密には前のゴブリンの巣の時点でね」
「そうだったんだ。じゃあなんでダメなの」
「それは、お父さんも言ってたけど魔法の強さ以外に目に見えて強いというのがレベルということよ」
「そっかそれなら仕方がないのか…」
今までレベルという概念がなかった世界で生きていたため、レベルが上がるだけで強さの証明になるということにいまだに慣れない。だが一概にレベルが上がれば強いわけではなく鍛えないといけないために強さの幅はレベルが上がるほど広がってくるため、レベルにこだわるのは威張りたいだけの者か強さに触れて来なかった者に多い傾向にある。
夜、夕ご飯を食べながら
「お父さん、ライトの指導って後どのくらいなの」
「後2週間は切ったはずだから…残り18日くらいだな、何かあったのか」
「いやミトのレベル上げがなかなか進まなくて」
「それはそうだろうそんなにとんとん拍子で上がっていたらお父さんたちの立つせがなくなってしまうだろ」
「そうなんだけどさ、レベルが上がらないと冒険一緒にできないじゃないか」
「もともとすぐにどうこうって話ではないからな、焦る必要はないのんびり行こう」
自分たちを産むためにこの村に拠点を移してきた父であるがためにそこまで急いでダンジョンに入ろうとする気持ちはなかった。
「でもさ早く言ってみたいんだよ」
「私もそこはカイトに賛成よ」
姉も自分と同じように早くダンジョンに潜りたい様子で援護射撃をしてくれた。
「うーんでもなあ、サラはどう思う」
「あなたもわかっている通りミトちゃんは魔法使いとして同年代よりも強いわ、だから今成果を見せても良いと思ってるわ」
「なるほどなぁ、一回話をしてみるか」
「お父さんお願い」
母の後押しもありミトのお父さんに1度成果を見せれるよう話をしてくれるようになった。
数日が過ぎタンジの月初め
「カミトちょっと来てくれ」
「はーい、どうしたの」
朝ごはんを食べた後カミトは父に呼ばれた。
「この前話していたミトちゃんの成果披露の件なんだけどな」
「うん」
「初めはオウルも5ヶ月で何が変わるんだと突っぱねていたんだが、成長を見るだけでもと説得して3日後のゴブリン討伐に同行してもらえるようになった」
「お父さんありがとう。このことってミトは知ってるの」
「いやまだ伝えていない。オウルの方から話すそうだ」
「どうなると思う」
「前にも言ったが力としては十分だ。後は親心だな」
「そうだね」
感情というのは仕方がない。可愛がってきた子どもが自分の手を離れて遠くに行ってしまう心配、この世界でも一緒のようで納得ができない部分でもあるのだろう。
午後になりミトが家にきた。
「ミト、オウルさんから話は聞いた?」
「聞いたよ。3日後に討伐一緒に来るんだって、どうしよう」
「お父さんも言ってたけどちゃんと力をつけてるからいつも通りやれば大丈夫」
「うーん、緊張するよ」
「そりゃそうだよ。今日はどうする。魔法の練習でもする?討伐に行く?」
「魔法の練習にする」
「了解、いつもの場所に行こうか」
「うん」
「お母さん今日は魔法の練習でいつもの場所に行ってくる」
「はーい、気をつけてね」
最近の練習は基本的に自分たちで行うようになってきた。この時間母が何をするかというともちろん家事や自分の魔法の練習を行なっているようだった。
2人はいつもの広場に行きファイヤーボールの精度を上げる練習を休憩を挟みながら繰り返し行っていった。最近は動いている的に当てる練習もしており7割ぐらいの的中率になってきた。
そうして成果を見せる日の当日…
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