30.母からの圧
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「それで、カミトあれはどういうことなの」
「あれって?」
「魔法しかないじゃない。ミトちゃんからは2発あなたに至っては5発ファイヤーボールが飛んでいったじゃない」
「お母さんだってこれくらいできるだろ」
「できるのは3発までよ。あとは連続で打てばそれらしきものができると思うけどあなたのは同時だったじゃない」
「できるならいいじゃないか。それに今は戦闘中だよ」
「大丈夫よそのへんは私がしっかり見ているから。私だって強くなりたいのよ。教えてくれてもいいじゃない。」
「試したことないの?」
「あるわよ、だから3発同時に撃てるんじゃない。でも4発以上は何故かできないのよね。だから魔法を覚えたてのミトちゃんが2発同時に撃てるのがおかしいんじゃない」
「撃てる人はいないの?」
「いるわよ。ただその人は軒並み私より強いのよ」
「聞けばよかったじゃん」
「魔法は聞いても教えてもらえないことも多いのよ。信頼されないと教えてくれなかったりね。」
「そうなんだ。」
そう話している間に討伐が終わったのか3人が話しながら戻ってきた。
これで追及から逃げられるかなと淡い期待を持つのであった。
「終わったぜー」
「お疲れ様。巣の方も終わったの?」
「そうよ、無事ゴブリンを全部倒したわ」
「雑魚はもちろんリーダーは最後にリンが倒したんだ」
そう父に言われ少し胸を張っている姉であった。
「それでどうしたの?お母さんがカミトに迫っていたように見えたんだけど」
「そうよ。2人の魔法の威力みた?」
「ん、サラあれって2人にお願いされてお前も打ったんじゃないのか?」
「打ってないわよ。全部この子達が打ったのよ」
「それにしては数が多かった気がするんだが。あと威力も」
「そうよすごいのよ。だから教えて貰おうとしてたのよ」
「そんなにすごいことなの?」
「リン何言ってるのよ。数が増えればそれだけ殲滅力が上がるじゃない、だから巣もやりやすかったんじゃないの」
「そういうことなんだ。でも2発なら私も打てるよ?」
母にすごいの意味を聞かされ確かにそうだと納得した姉。ただ黙っていて欲しいと言っていたのに自分も2発同時に撃てることを言ってしまった。その話を聞いてさらに目を輝かせた母がこちらを向いてきた。
「まあサラ少し落ち着いて。」
「落ち着いてられないわよ。私も強くなれるのよ」
「そうかもしれないがここは森の中だから帰ってからにしよう」
「しょうがないわね」
父が母を止めてくれた。そしてここからの移動を提案してくれた。帰りは順調で早く家に帰りたい母が敵を見つけ次第魔法で倒していった。確実にオーバーキルだった。敵が可哀想なほどの苛烈さだった。
「それでカミトどういう風にやるの」
帰ってきて早々母からの追及が始まった。父は面白いものを見るように座りながらコチラを見ていた。ライトとミトは到着すると各々の家に帰って行った。ライトだけは残って話を聞きたそうにしていたが母に帰るように言われていた。
「それでどうなの、早く」
「お母さんが教えてくれたようにイメージをしっかりしたらできたんだよ」
「詠唱はどうなの」
「詠唱はお姉ちゃんに試してもらったんだけど詠唱の意味も理解しないと発動できないこともわかったよ」
「あなたたち私に隠れてそんなこともしてたの」
「だから僕が使えてそれを教えてもお母さんが使えない可能性もある。」
「そうなのね。一応教えてくれない」
「わかった。じゃあ外にいこ。発動したら大惨事になるから」
そう言いながら外に出ていつも鍛錬をしている場所にきた。
「それじゃあ詠唱をいうよ。火球よ 分身して攻撃せよ フェムバーストっていうんだ」
「わかったわ火球よ 『分身して攻撃せよ フェムバースト』発動しないわね。イメージするってこれはどんな感じのイメージなのよ」
「その前にお母さんの3発同時の詠唱って何なの?」
「詠唱しないわよ。だって詠唱省略を10まであげてるんだから初級なら完全に詠唱しなくても発動するのよ。」
理由がわかった気がした。詠唱省略はイメージをしやすくするためのもの、しっかりイメージできなかったり、スキルレベルを超えたりるものは発動しないというのは詠唱をしなくて良いと言っても一緒なのだろう。
詠唱省略では、詠唱が短い初級魔法が詠唱をなしで放てるようになる。そうなった時に、詠唱をなしにした以上のスキルレベルを持っていたらそれはさらに数が増やことができたり威力を増加させやすくなったりするのだろうとあたりをつけた。それならまだやりようはある。
「お母さん試してみたいんだけど。詠唱の内容だけど分身しては、一つのものを分けるのではなくて一つのものを増やすイメージ。フィムバーストは5発の爆散するファイヤーボールって意味なんだ。わかった?」
「何となく。やってみるわね『火球よ 分身して攻撃せよ フェムバースト』……できたわね。できたわ」
母は教えたイメージをしっかり持ってやったのだろう5発のファイヤーボールがしっかり飛んでいった。
「やったーあなたーできたわ」
気がつかないうちにこっそりみられていたようで母の喜びの声でカミトも気がついた。
「みていたよ、1発でできるなんてすごいじゃないか」
「カミトの教え方が上手なのよ。私の方が何年もやってきたのに分かりやすさが違ったわ」
「そうなのか。リンとは違った才能だなこれは」
「そうね2人ともすごいわ」
自分はあまり気にしていなかったのだが気にしているようにみられていたのか、優れている部分を見つけて2人とも嬉しそうであった。
「カミト他に隠していることない」
「ないよイメージをしっかり持てるよう詠唱の内容とか組み合わせを考えながらやってるだけだから」
「教えてよ」
「サラ、ストップしようか。カミトだって色々考えながらやっているんだ。結果だけ貰われるのは納得しないさ。それは親であっても同じだ」
「でもー」
「カミトが教えてくれる範囲で教えて貰えばいいじゃないか。あまりがっつかれるよりはいいと思うぞ。それにイメージをしっかり持って詠唱っすればできる幅が広がるって教えてくれたんだから色々試してみろって」
母がグイグイきて辟易していたところに父からの助け舟が飛んできた。自分が遠回しに言ったことに対してしっかり受け止め母に伝えてくれて感謝で心が一杯になった。自分の成果だけを聞かれるのは前世でも同じだがやっぱり気分がいいものではない。今回は命がかかっているため多少ならいいが、自分でも少しは頭を使おうぜというのが根本にあった。自分も求めるだけではなくてどんなことにも工夫し考えていこうと改めて思った1面でだった。
そこから母は教えるだけでなく自分の鍛錬にもかなりの時間を割くようになっていった。リンやカミトが依頼を受けにいっている最中も色々魔法の詠唱の組み合わせを考えているようだった。
「カミトありがとう」
「お母さん唐突にどうしたの?」
数日後の夕食の後唐突に母からの感謝を伝えられ。主語がないため何に対しての感謝なのかわからず聞き返してしまった。
「魔法の詠唱についてよ。本当にありがとう」
「何か進展があったの?」
「あったってもんじゃないわ、私の魔法のレパートリーがさらに広がったわ」
「いくつぐらい増えたの?」
「まだ3つくらいよ。でもこの方法で魔法の数や威力を変えられることがわかってから自分の魔法使いとしてのレベルが上がったように感じるのよ」
「よかったね」
「これもカミトのおかげよありがとう」
「いいよ。でもあまりこのことは言わないでね」
「わかっているわよ。改めて考えたけど貴族だったら秘伝にするような内容だものあまり大ぴらに言えないわ。この前はごめんね」
「あれ以降聞きに来なかったし大丈夫」
母の謝罪も受け入れこの考えを言わないように口止めもできた。ただ貴族もいる世界だしどんな状況になるのかわからないので何とも言えないところだが母があの話以降その話題を振ってこなかったところからも申し訳ない気持ちがあったのだろうと見当がついた。
こうして母にバレてしまったがパーティが強くなることを考えると悪くないタイミングだったのかなとも思っていた。
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