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3.思考錯誤

ある日、カミトは目を閉じ思考の渦に呑まれていた。

(異世界へ生まれ変わっていたなんて、ということはこれまでの生活では無くなってしまうっていうことなんだな。ファンタジー系の小説やアニメだとどんな感じっだったっけ?中世的な世界が一般的だったな、この世界はどんな世界なのであろうか…)


異世界への転生がほぼ確実になった今、押し寄せてくるのはこれまで見てきた、ゲームやアニメ、小説やマンガの世界感、一体どのような世界なのか夢が広がる中、不安ももちろんあった。


(食事事情はどうなんだろうか、やっぱりはじめての世界だから異世界独自の美味しいもの食べたいな、それに…)


いろいろなことが浮かんでは消え、楽しみがいっぱいであるが、1番はなんと言っても魔法が使えるかだろう、それによってこれからの生活が一変しかねないと心の中で考えていた。


「ダーダ」

(ステータスオープン)


ステータスオープンと言語として言えなくても頭の中で発言すれば自然と表示されることがわかった。周囲はぼやけて見えるのだがステータス画面だけははっきりと見えた。


(世界観をイメージし過ぎてステータスを見るのを忘れてた。ステータス自体は目で見るのではなく脳内で表示されるような感じで目を瞑っていてもくっきりと見えているんだよなー)


(現在はハイハイから捕まりながらも立てるようにもチャレンジ中だし、若いっていいな〜)


若返りすぎではあるが、本人は至って気にしていない様子、なんなら若返って嬉しいまである。これまで思い浮かべていた世界でもあり浮かれ気味になっていた。


「アイクこの子もいよいよ1歳位になるね。」


「そうだね。たまにこちらの様子を伺っているのかと疑いたくなるような仕草をしてくるのが気になるが」


「それもそうだけれど、最初はほとんど泣かなくてリンの時と比べて心配してきたけれど元気にここまで来れば一安心かしら」


「まあそうか、元気に成長してくれているからいいか」


サラとアイクは訝しがりながらも姉であるリンと同じように元気に成長してくれていることに嬉しさがあり、たまに起こすカミトの不可解な行動には気づいてはいたが見ないふりをしていた。


あくる日…

「おとーとおとーと」ペチペチ」


「んん?んあ?」

(なんだなんだ?」


ゆっくり休んでいる時に急に衝撃が来た。衝撃によって目が覚めたカミトはあたりを見渡し自分と同じような小さいシルエットが自分に対して何かを振り上げている姿が目に映った。


「きゃきゃ、おとーとおきたーー」


「う、いやーいーや」

(痛いからやめて…)


言葉足らずな声が寝ているカイトの上から降ってきていた。この子がこの子が親であろうサラとアイクの会話にたまにあがっていたリンであろうとカイトは当たりをつけてた。


顔は良くは見えなかったが自分と同じような赤ちゃんでありそこまで差がないように感じた。


この日から定期的に同じ部屋に入れられることになった。

たまに考え事をしている最中でも話しかけられたり、叩かれたりと思考の邪魔になることもありたまにイラッとしているカミトであった。


叩かれながらも、構われながらも少しずつ考えていた。


(ステータスオープン、声を出さなくても考えるだけで見れるのは助かったよな。それに目を瞑った状態であれば視力に関係なく見ることができるしそこは助かったな。)


その結果見えてきたステータスがこれだった。


ステータス

名前:カイト(1)

種族:人間

レベル:1

EXP:420/1000

HP :100/100

MP :10/10

STR :10+20

VIT :10+20

IMT :10+20

MND :10+20

DEX :10+20

AGI :10+20

LUK :10+20

スキル:なし

ユニーク:異世界人

ステータスポイント:100

スキルポイント:20


(ステータスの表記はわかる、ステータスポイントやスキルポイントってなんだ?これは強いのか弱いのか比較対象が無くてわからないな。でもこれだけはわかる、レベル1から必要経験値が1000ってやばすぎだろ。このあがり方は俺だけなのか全員なのかどうゆうことなんだ…でももう既に420貯まってるそれはそれでどういうことなんだ)


ステータスが見れるようになったのはいいが情報量が多すぎてプチパニックになっているカイトであった。

それからさらに日が経ち…


見たい部分を長押しもしくは頭で集中すると詳細な内容が見えることに気がついた。

HP:体力、0になった時に死亡する。0にならなくても大きな損害が出た場合などは死ぬ。

MP:魔法を使う際に必要になってくる。規模、威力によって使われる量が変わってくる。MPが足りない場合もしくは熟練度が足りない場合は発動しない。

STR:力の強さ、攻撃力

VIT:物理防御力

IMT:魔法攻撃力

MND:魔法防御力

DEX:器用さ

AGI:素早さ

LUK:運

運以外のステータスは出力可能な最大値であり、何もしなければ弱いままである。戦闘経験や鍛えることがない限りどんなステータスでも弱いままである。


(なるほど、ということはこのステータスはあくまでも目安であり強く自分よりレベルやステータスが上でも勝てる可能性があるわけか。)


カイトは詳細を見ていく中で、ステータスが全ての世界では無く、鍛える必要がありゲームのようにステータスをただただあげればいいものではないと理解した。


(ユニークの異世界人というのはなんだろうか…)

よく調べてみると異世界人というユニークスキルだと思われる効果は、言語理解、説明、全ステータス+20に加えてレベルアップ時のステータスポイントMAXとスキルポイント+3という効果であった。


(これによるとレベルアップによって得られるステータスポイントを使って強くなっていくことがわかったけどスキルポイントはなんだ?あと姉であるリンを見ながらや触りながらステータスと言ってみても現れなかったことから、許可が必要か他人では見れないってこたなんだろうな)


(それにしても最初のステータスから全て+20てすごいよな。レベルアップでもらえるステータスは5〜10の変動型。この時点で最低でも14レベル分得しているってことだもんな。これから他の人との差も見ていけばいいか)


そして、色々試ししていく中で姉との交流深めたり、姉で自分以外のステータスを確認できるか試したりと思いつくことを少しずつ試していった。

そうこうしていくうちにカイトは2歳になった。


カイトはだいぶ目のぼやけが薄れてきて少しずつ家族の様子を確認できるようになってきた。

様子を見ていると、日中は母であるサラだけが家に残っており、父であるアイクはどこかへ出かけることがほとんどであったこと。姉のリンは1歳年上で毎日元気いっぱいに動き回っていること。そして少し前まで別々に過ごしていた部屋から、姉と同じ部屋に移されたが家自体はそんなに広くないこともわかってきた。


(異世界に飛ばされてのテンプレって基本王族、貴族が多いんだけれどこの家は貴族ではなさそうだな…。でもあるかわからないが奴隷とかの身分ではないことも確かでそこは助かったかな。)


2歳を少し過ぎた頃、ステータスに変化があった。


名前:カイト(1)

種族:人間

レベル:2

EXP:0/1000

HP :100/100

MP :10/10

STR :10+20

VIT :10+20

IMT :10+20

MND :10+20

DEX :10+20

AGI :10+20

LUK :10+20

スキル:なし

ユニーク:異世界人

ステータスポイント:110

スキルポイント:28


(レベルが上がった…変化はステータスポイントとスキルポイントか説明通りだな)


異世界人のユニークスキルの効果にある説明の使い方もしばらく前にわかりある程度のやり方がわかってきた。説明自体はスキルのことが中心になってくるがその端々にこの世界の情報が載っていた。

基本的にそれぞれのポイントはある一定の場所でないと変更ができない点、異世界人のスキルを持っていればいつでも変えられる点、1日1経験値がもらえそれ以外では魔物を倒せば得られることや、1回上げたステータスは元に戻せない点などが書いてあった。色々なことを調べていくうちにステータスのことに関しては結構詳しくなってきた気がしたカイトであった。

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