27.ライトとのいざこざ
順番を間違えてしまい申し訳ありませんでした。
「カミト、リン今日は一緒に依頼やろうぜ」
依頼をこなしていたある日今まで別で依頼を受けていたライトから急に誘いがあった。
「いいけど、どうしたんだ。」
「いや、そろそろ2人も依頼にねれてきた頃かなって思ってな」
「一緒にやること自体はいいけど1人でやるより依頼の効率は多分悪くなるぞ」
「わかってるって、大丈夫だ」
おそらく俺とミトの様子を見て、一緒にやった方が効率が良さそうだと感じたのだろうと当たりをつけていた。
「それで今日は何の依頼を受けるんだ?」
「今日は草刈りの依頼を受けるんだよ」
「俺、草刈りの依頼得意だぞ、任せてくれよな」
「ああ頼りにしているよ」
そんなやりとりを3人でやりながら依頼を受注し草刈りをする場所まできた。
「ライト、どんな感じでやっているか見せてくれよ」
「いいぜ。ちょっと離れてな」
そう言いながらライトはおもむろに剣を構え横薙ぎに振るっていった・
「お、おい、ライト」
「ん、カミトなんだ」
と言いながらまた剣を振るう。
「少し止まってくれ」
「何だよ一体」
そう言いながら剣を振うのをやめてこちらに体を向けた。
「毎回こんな感じでやっていたのか」
「そうだぞ、時間も切った草をまとめる方がかかるくらいだな。あったまいいだろ」
カミトは正直何も言えなかった。なんて言ったらいいのかわからなかった、なぜなら…
「ライトくん、あのね依頼はもう少しちゃんとやった方がいいと思うの」
「しっかりやっているだろ。背の高い草も無くなってるし」
「私とカミトくんは草刈りの依頼もたまに受けてるの」
「それは知ってるぞ」
「そお依頼の中に今回みたいにある程度の高さに切られただけの草刈りの依頼も何回かやってるの」
「どういうことだ」
ほぼ答えを言っているミトだがライトは察しが悪く気が付いてはくれなかった。
「ライトいいか、依頼というのはただやればいいというものではないんだ。過程もそうだが結果が求められるんだ」
「それで」
「ライトのやり方でやったものが再度依頼として出ている。ここまで言えばわかるか?」
「どういうことなんだよ」
「はあ、それはな、聞きたいんだが依頼としては終わってるんだよな」
「ああリードさんにいつも「これでいいのか」って言われるが「大丈夫」って答えると「終了だ」って言ってくれるぞ」
「それ多分依頼としては終わってるけど、おそらく未達成か減点されてるぞ」
「はあ?!どういうことだよ」
「やり方が雑すぎるんだよ。もっと丁寧にやらないと」
「納得がいかない。リードさんに文句言ってくる」
そう言いながらギルドの方へとライトは走って行ってしまった。
「ど、ど、どうしようカミトくん」
「とりあえず僕たちも追いかけようか」
「うん」
急いでミトと一緒にギルドの方へと向かって走っていった。
「どういうことだよ」
ギルドの扉を開けようとしたところ中からライトの大きな声が聞こえてきた。急いで扉を開けて入っていく2人
「はあ、知らねーよ何でだよ」
「ライトよ落ち着けって、な」
「落ち着いてられるかよ」
「カミトいいところに、こいつをどうにかしてくれ」
ギルド内に入っていくと修羅場になっていた。ライトがリードさんに殴りかからん勢いで噛みついていた。様子を伺っているのをリードさんに発見されてしまい助けを求められたので動かないわけにはいかないカミトであった。
「ライト少し落ち着けって」
「落ち着いてられるかよ。カミトもミトも一緒にリードさんに言ってくれよ」
「それはできないぞ」
「何でだよ、仲間じゃないのかよ」
「だから落ち着けって。お前の今後にも関わってくるかもしれないんだよ」
「いやでも」
「落ち着いてきたか、というか話は聞いてくれ」
「わかったよ」
「話していくぞ。まずは確認だな。リードさん何回達成したらランクが上がるとか教えてもらえますか」
「それは言えないんだ」
「もう一つ、依頼の達成に評価はありますか」
「あるぞ、Fランクはギルド職員が、Dランク以上は依頼主が評価をしているぞ」
「評価は何段階ですか」
「4段階だな、S、A、B、Cだ」
「基本はBでいいですか」
「そうなるな」
ライトを落ちつかせてリードさんに幾つか質問をして必要な知識を補填していく。ここは慣れ親しんだというか想像していたような流れだったようで安心した。
「最後に僕とミトとライトだとどっちの方がEランクに近いですか」
「本来は言えないんだがカミトは想像ついていそうだからな。正直なところで言うと辛うじてライトってところか」
「辛うじて、ね。やっぱりそうか」
「なんで4ヶ月も遅くに始めたカミトたちと同じくらいなんだよ」
「今からわかったことを伝えるから落ち着いてくれって」
カミトとミトが同じぐらいだと聞いて再度ヒートアップしそうだったライトを慌てて落ちつかせた。
「リードさんは言えないこともあるだろうから僕から言うぞ。落ち着いて聞いてね」
「わかった」
「依頼回数の他に達成した時の評価によって次のランクまで何回達成すればいいのかが変わってくるんだ。」
「それで」
「おそらくだがリードさんが毎回確認してたのはそのまま行くとC評価になるがいいのかってことだと思う」
「え、そうなのか」
「言えるわけねえだろ。ただ今のところカミトは間違ってはいないな」
「そんなー、何でだよ」
最低の評価の確認をされていたと知って慌ててリードさんに確認をしているライト。言えないが遠回しにあっていると伝えられショックを受けたライトであった。
「えっとだな、さっきの場所でも言ったがやり方が雑だってことだよ。どの程度かはわからないが依頼主が満足するかが基準になっているはずだよ。そうだよねリードさん」
「そうだSは基本的にないが想像以上の結果を出した時に出される。Aは十分満足した、Bが依頼通り、Cが不満だがまあよし、もう一つが失敗だな」
「でライトは失敗ではないがC評価が多いってことだと思うぞ。評価ってその場で教えてもらえないんですか」
「教えられないんだ。C評価って言われて文句言われる可能性もあるからな。ただFランクの場合は気がついて欲しいから評価が落ちそうな時には確認をしているんだ。聞かれたら答えてもいいことになているんだがあまり聞き返されることはないがな」
「そうなんですね。と言うことだライト。俺たちは2人だけどある程度の評価をもらっている。対してよい評価をもらえていないライトはどんどん差が縮まってきているってことだよ」
「そうだったのか。」
「ライト気がついたところで一言いいか」
「はい」
「お前は雑な結果が多すぎる、早く討伐を行いたい人間に多い傾向だな。だがそんな内容で今後ランクが上がった時に依頼主が満足するかは明白だな。それに早く気がついて欲しかったんだよ。ま気がついてよかった。そのままランクが上がっていたら大変なことになっていたかもな」
「大変なことって」
「ギルドからの注意だな、何回も繰り返されるようならよりランクが上がりづらい状況になっていくんだ」
「そんな…」
「まだFランクだ遅くないから考え方を改めろよ」
「はぁーい……ぐすん」
オーバーキルだったようだった。カミトからもリードからも今までの行動は評価されていないと知ってショックを受け続けライトは泣きそうになっていた。今後考えを改めて行動をしてくれるよう願いを込めてリードさんも言ってくれているだろう気遣いが伝わったのかしっかりと返事をしていた。
「ライトくんまずは今日の依頼頑張ろ」
「ミト、ありがとー俺頑張るよ」
ミトに慰められ少し前向きになり始めたライトであった。その後は文句を言わずカミトとミトのやり方に合わせて草刈りを行なっていった。
「リードさん終わりました。」
「今日もいいなお疲れさん」
「俺とは対応が違う…」
「ライトよそれは昼間言っただろ」
「はい…わかってます」
「リードさんこの依頼の評価教えてもらえってもいいですか」
「おういいぞ依頼はA評価になるな。ここまで綺麗にしてくれたんだそうなる。」
「これでA評価…」
リードさんが答えた評価に対して愕然とするライト…ここまでしないとA評価にならないのかと思ったのであった。
「ちなみにBランクの基準は」
「草刈りの基準は草の高さや綺麗さ具合だな。切っていてもいいんだが短くないとダメだってことだ」
「わかりましたありがとうございました」
「おう、また頑張れよ」
「「「はい」」」
リードさんと別れた後、その場で3人は別々に家に帰って行った。心なしかライトの足取りが重かったように見えた。
その日以降、ライトはカミトとミトに頼み込んで依頼を一緒にやってくれるよう他もみこみ。一緒に依頼をこなしていくことになったのであった。
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