23.魔法研究
最近寒くて寒くて仕方がないですね。
ステータスはレベルが上がるごとに更新していく人は多いがスキルはポイントが貯まるまで取っておく人が多い。貯まるのが遅いだけなのだが。
「僕は人より2倍の速さでスキルポイントが貯まっていくから有利だよな…」
レベルが上がったことでスキル自体は上げることができるのだが1つ悩み事があった。
「どうしようか、経験値増加と減少はセットで取りたいが倍のポイントが必要なんだよな。でも普通のスキルを取るにしてもレベルが上がる分ポイントを損するんだよなー」
そうポイントを取るか、スキルを取るかで悩んでいるのである。選択肢がなければ楽なのだが、広い選択肢がある分悩んでしまう。贅沢な悩みだとはわかってはいるのだがしょうがない
「最初はポイントを取るか、攻撃力が足りなくなったらそこで改めて考えよ」
自由に使えるポイントというのは魅力的である。そのためまずは経験値増加と減少を優先的に取って行こうと決めたのだった。
「よし俺はこれからギルドに行ってくるな。そろそろEランクになれるかもしれないんだ」
「「頑張ってなー」」
「そういえばお姉ちゃんはどうなんだ?登録して1年以上経ったよね」
「え?私?もうDランクになれるよ」
「いつの間に。」
「リンお姉ちゃんすごい」
「依頼をこなしていたらすぐに上がるわよ。まだまだ初心者のうちだから失敗もしないしお父さんもいるからね」
気がつかないうちに姉がランクアップしそうな件について。本当に優秀なのではなかろうか。
「すごいね。Dランクにはならないの?」
「なれないわけではないけどお父さんがまだあげる必要ないって言ってるから」
「そうなんだ。理由は聞いた?」
「うん、この辺ではランクをあまり高くしても強い魔物は森の奥の方までいかないといないから必要ないんだって」
「そうだったんだ」
「だからあげられるけど上げていないってこと。みんなを待ってるってのもあるわね」
「上げれるだけあげればいいなじゃないの?」
「いずれ追いつくだろうし」
待ってないであげられる時にあげたほうがいいのではないかと思っていたのであえて待っているということだったので聞いてしまった。
「お父さんと一緒にやってきたけどこの前の家族でワイワイやるのも悪くないなって。だからあなたたちと一緒にやりたいのよ。」
「なに、お姉ちゃんが可愛い」
「リンお姉ちゃんはいつも可愛いよ」
ミトに突っ込まれてしまった。
「それはわかっているんだけどさ。いつも普通だからこんな感じの時は滅多に見れないんだよ」
「そうなんだ」
「うっさいわよ」
「ごめんごめん」
「今日は私も魔法をやろうかしら」
いつもであれば剣の鍛錬に誘われるが今日は一緒に魔法の練習をやると言ってきた。
「でもお姉ちゃんのいつもやっているやつより動きが少ない分退屈かもしれないよ」
「いいのよ私も火魔法持ってるんだから」
「それならいいけど、じゃあ練習しようか。お姉ちゃんは詠唱知ってるの?」
「その辺は大丈夫よ教えてもらっているから」
姉の火魔法のスキルレベルは1だったはずなのでそこまで早くは発動できないだろうと思っている。
「練習と言ってもどうする?ミトは魔力を循環させる練習だし。俺は色々工夫しながらやってるんだけど」
「じゃあカミトと一緒にやるわ」
「わかった。
今日は複数の魔法を最大いくつまで打てるかやってみたいんだ」
詠唱がなくてもいいことがわかり練習を続けているが今日は姉が近くにいるため、違うことをやってみることにした。最大いくつまで同時にできるのか。そしてレベルが低いとその分差が出るかなどだ。
「お姉ちゃん2つ一度にうてる?」
「やってみるわ。『火の玉よ 二重になりて 敵を打て ファイヤーボール』」
「おー、ちゃんと2つになるね」
「なったわね」
「でも詠唱が長くなっちゃたね。どうすれば2小節のままいけるかな」
確かに2つのファイヤーボールが飛んでいったが詠唱が1小節増えてしまっていた。これでは連続で出すよりはマシだが手間がかかる。
「次はカミトがやって見てよ」
「了解」
「りょうかい?」
「わかったってこと、いくよ『双火よ 敵を打て ファイヤーボール』」
「すごいじゃない。2小節のままできたじゃない。なら私も、『そうかよ 敵を打て ファイヤーボール』…あれ?出ないよ」
「違いはなんなのだろうか」
大体想像はできる。おそらくレベルが足りないかイメージが足りないか。でも3小節の時は姉でも打てていたことを考えるとイメージの違いかなと想像していた。
「小節を短くするのにレベルが足りないのか、イメージが足りないのかどっちだと思う?」
「試し用がないわ。お母さん呼んでこようか?」
「お母さんは詠唱破棄を持ってるから正確じゃないんだよな。」
「それもそうね。じゃあこれで終わりなの?」
「まだ時間あるしなーどうしようか。」
火のつく原理など教えてどうにかなるものなのか、そしてこれは教えてもいいのかすごい悩むところである。
「ん、お姉ちゃんもう一回詠唱してもらえる」
「わかった『そうかよ 敵を打て ファイヤーボール』…はい」
「わかったかも?お姉ちゃん、「そうか」てなんだと思ってる」
「「火の玉よ」を言い換えたものじゃないの」
「違うよ。ってことは「火の玉よ 二重になりて 敵を打て」って火の玉を二つに分けて打てってこと」
「そういうイメージでやったよ」
根本的なイメージが違っていたのかもしれない。僕は2つの火を思い浮かべていたけど、姉は1つの火を2つに分割して打っていたのだ。その違いがわかればやりようはあるかもしれない。
「ちょっと考え方を変てみて。1つの火を2つにするんじゃなくてそもそも2つの火を用意するみたいな感じ。で「そうか」っていうのはそのまま2つの火っていう意味なんだ」
「そういう意味だったのね。ちょっとやってみるわよ。『そう火よ 敵を打て ファイヤーボール』」
「ははは、なんかツッコミされてる感じがする、そうかとよの間を少し開けてみて」
「うん『双火 よ 敵を打て ファイヤーボール』出たわね」
「ならもう少し間を狭めて続けていうんだけど単語をはっきりいうようにしてみて」
『双火よ 敵を打て ファイヤーボール』
ドーンという音ともに何度目かわからないファイヤーボールが飛んでいった。これまでと違ったのは、しっかり発動したのはもちろんのこと3小節と変わらない威力があったことだった
「これいいわね。魔力はとわからないからもう一度使うわね。」
そう言うと姉は再び発動させた。
「15くらいかしら。2回打つよりもいいわね。」
「そうなんだうまくいって良かったよ。」
「カミトの説明がわかりやすかったからよ」
「でも複数体いる時にしなよ。一体しかいなかった場合は5も無駄になっちゃうからね」
「そうねもしくは1発で倒せない的に場合ね」
「そう言うことだね」
「一つ戦闘のバリエーション増えたわ。ありがとう」
姉は嬉しそうに跳ねながらミトの方へと向かっていった。それを追いかけるように歩いてついていった。
「ミトミト〜、聞いてー」
「リンお姉ちゃんどうしたんですか」
「カミトに教えてもらって新しい魔法が使えるようになったの」
「え、それはすごいね。どう言う魔法なの」
「ファイヤーボールが2つ同時に打てるの」
「そんな魔法ありましたっけ」
「だから新しい魔法よ、いいでしょ〜」
「いいなー私も早く魔法を使えるようになりたいな」
「ミトももう少しで10歳になるじゃない。もう少しの辛抱よ」
ミトの誕生日まであと2ヶ月ほど、冒険者として本格的に動き出す前に魔法の研究に勤しむのであった。
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