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13.パーティのあれこれ


その日の夕ご飯を食べ終わった後…

「お父さん、お母さん聞いてよ」


「ん?リンどうしたんだ?」


「今日カミトがね約束を破ったの」


「何があったんだ?」

父は少し佇まいを直してしっかり話を聞く姿勢になっていた。


「あのねー昔家族で冒険しようって話をしてたじゃん。それなのにカミト、ライトとミトと組むって今日言ってたの!!」


「なるほどそれで?」


「それでじゃないわよ!家族で組むって言ってたのに嘘ついたのよ!お母さんも言ってよ」


「そうねえ、誰と組むかは本人次第だから、なかなか強制できないのよね。でも組めなくなったのは残念だけど」


「いやいやいや。お姉ちゃん嘘言わんといてよ。」


「どういうこと」

何も言わなかったら勘違いで終わってしまうと思い口を出さざるを得なかった。昼間話していた内容のほとんどが怒り心頭であった姉には通じていなかったようである。


「えっとね。お姉ちゃんの言っていることは正しい部分も確かにある。ただ俺の考えているのとは違う。家族で組みたくないわけじゃないんだけどそこにライトとミトも入れてもらえないかなって」


「なるほどライガの息子さんとオウルの娘さんか、冒険者になりたいと言っているのか?」


「ライトは剣士で、ミトは魔法使いになりたいんだって。」


「そのスキルを取ったからといって、冒険者にならないといけないことはないんだぞ?そのスキル農業に使うことだってできるんだから」


「一緒にパーティを組みたいって言ってたよ」


「うちとしてはライガやオウルの親の許可が取れればいいけどな」

父は母の様子を見ながらそう言っていた。母も頷いている。


「えーなんでよ4人で組むと思っていたのに。確かに2人も気は合うけど」


「ならいいんじゃないか、後々4人で組むことになる可能性もあるんだから。」


「なんで?お父さんたちもまだまだ動けるじゃん」


「リン考えてみろ、お父さんはこれで30を超えた。ある程度の年まではできるとは言っても衰えたりもする。いつ前もまでも一緒という訳にはいかないさ。今すぐできなくなるってわけじゃないからそれまで一緒にやってそこから4人になってもいいじゃないか』


「いや一緒がいいの!」

姉はそう言われても納得する様子がなかった。


「まあまあリン急にたくさん言われたからごちゃごちゃするわよね。少し考える時間も必要よね。でもライトくんとミトちゃんとパーティを組みこと自体は嫌じゃないのよね」


「うん」


「それなら今日はゆっくり休んで考えをまとめなさいな」


「そうする、おやすみなさい」


「「「おやすみなさい」」」

素直な姉である。一晩考えて答えを出すのだろう。すぐに寝る部屋へと消えていった。


「それでカミトどこからそんな話になったんだ?」


「お姉ちゃんがEランクになった話をしている時にスキル構成の話になったんだ。その時に3人で組むには心許ないなっていう話をしたらああなった。約束って昔の話だし忘れてるかもしれないし、先にお姉ちゃんがEになったから自分たちのパーティを組むのかと思ってたから」


「なるほどな、まあお前たちが3歳4歳の頃の話だからな。そこからはあまり話題にあげていなかったからわかんなかったのか。お姉ちゃんはなお父さんと魔物を狩にいっている時には楽しそうに一緒に組むことを話していたんだぞ」


「そうだったんだ。」


「まあお前もいろいろ考えて動いていたんだからしょうがないさ。」


「それならお姉ちゃんに直接聞かなかった僕も悪いなぁ。でも3人で組むって話でお姉ちゃんが怒ったからそれならお父さんお母さんがいいなら6人で冒険したいなって考えたんだ。」


「そこに関してはお父さんもお母さんも文句はないさ。リンの考えが落ち着いて場合によってはライガとオウルのとこに話をしなくてはいけないかもしれんな。そっちの方が可能性は高そうだけど」


「その時は僕も一緒に行くから」


「ああそうだねその時はお母さんも一緒にみんなで行こうか。さあもう夜も遅いからカミトも寝なさい」


「はい、おやすみなさい」


「「おやすみなさい」」

カミトもいなくなった後。


「どうするのあなた」


「サラはどう思っているんだ?場合によってはカミトを説得するが」


「私は、一緒にできれば嬉しいけど2人がそれぞれ独り立ちをするのであれば特にそれでもいいと思っているわ。冒険者に戻るのであれば1番はあなたとの冒険なんだから」


「そうか、家族でパーティを組んでるところもそう多くはないけど、2人の成長を近くで見たいと俺は思っててな」


「それなら私だって一緒よ。本人たち次第よ。私たちだってこれからすごく強くなれるわけではないんだから」


「まそうだな、上級冒険者になりたかったな」


「まだ遅くないわ。そしたら家族でかそこにライトくんとミトちゃんも入れて上級になればいいのよ。2人では頭打ちだったってだけじゃない」


「それまで俺もお前も元気でいないとな」


「そうね、あなたも無茶しないでね」


「分かってるさ。さて俺たちも寝るか。」


「そうしましょうか、おやすみなさい」


「おやすみ」

そうして夜は過ぎていった。父と母の相談は闇へと消えてカミトとリンの耳に入ることはなかった。



次の日…

「おはよう」

姉がまぶたをこすりながら部屋から出てきた。


「「「おはよう」」」

家族全員で姉をあいさつで迎え入れる。眠たそうではあるが足音からは昨日の怒りは聞き取れなかった。


「考えの整理はついた?」

母がそう質問を投げかけた。


「まだ全部ではないけど…私は家族で組みたいのは本当だけどそこにライトとミトが入ってもいいと思った」


「なるほど、それでいいんだね」

父は姉の言葉に確認するように質問をした。


「うんそれでいい」


「なら今日にでもライガとオウルと飲みにでも行くか」


「あなたよろしくね」


「僕もお願いしに行く」


「いやここは大人だけの話をするから待っててもらう。決定したら自分の言葉で伝えなさい」


「そういう形がいいのなら。分かった。お父さんよろしくお願いします。」

家族の中ではライトとミトがパーティに入ることは決定したが2人の親が了承しなければ家族だけのパーティになる。中のいい2人だからこそいい形になって欲しいなと思カミトであった。


午後4人でいつもの場所に集まって話していた。

「それで昨日の夜話してみたけどいいってさ」


「リンお姉ちゃんはいいの私たちが一緒でも」


「家族で行動するのに仲のいいあなたたちがいてもいいかなって考えて思ったのよ」


「リンお姉ちゃんありがとう」


「よかった心配してたんだ。昨日親父たちに話をしたら面倒を見てくれるならっていてくれたんだ」


「私のところはダメともいいとも言われなかったんだ。ダメだったらどうしよう」


「大丈夫よ。無理だったらお願いしに行きましょうそこで頭を下げればいいのよ、カミトが!」


「僕かよ。まあ発案者は僕だし元々そのつもりだったからいいけど。」


「いやいや悪いよ」


「大丈夫大丈夫、ミトのためなら安いものだし、それに今晩お父さん同士で話をしてみるってお父さんが言ってくれてるしさ」


「そうなんだ。一緒に行けるといいな」


「この話はまた明日だな。この後どうする」


「せっかくだから鍛錬しましょう。これからみんな冒険者になるのだから」


「「「サンセーイ」」」

そのあとは夕暮れになるまで全員で筋トレをして過ごした。


その日の夜、カミトは父に話し合いはどうなったか聞こうと遅くまで待っていたが父は帰ってこなかった。

お読みいただきありがとうございました。

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