11.姉の魔物討伐
遅くなりました。
今日はクロッカの24日、本日は一大イベントの為神殿にいく準備を始めていた。
何かというと
「「「リン(お姉ちゃん)誕生日おめでとう」
「みんなありがとうこれで私も10歳になったわ」
「これでリンも立派な大人だな」
「もちろんお母さんみたいに綺麗になるんだから」
「そうね。頑張りなさいね」
「うん、早く神殿に行きましょ!スキルを早く取りたいわ。」
「そうだなでも変更はできないから相談した通りに最初はやるんだぞ」
「うん」
移動をしながらステ振について確認をしていった。
「こんにちはカリドさん、今日はリンが10歳になったからスキルをとりにきたよ」
「こんにちはアイクさん、おめでとうリンさんでは印加の間へどうぞ。」
「カリドさんありがとうございます。じゃあみんな言ってくるわ」
「「「頑張って(こい)」」」
しばらくすると
「お待たせ。終わったわ」
「よし帰ろうか。カリドさんありがとう」
「いいんですよ。これからたびたび利用することになるんですから。またよろしくお願いしますね」
「ステータスオープン、ステータスオープン、見てみて」
家に着いてすぐにリンはステータスを全員に見えるようにした。
名前:リン(10)
種族:人間
レベル:4
EXP:800/1000
HP :1600/1600
MP :60/60
STR :30
VIT :20
IMT :20
MND :20
DEX :20
AGI :70
LUK :10
スキル:火魔法1、剣士4、直感4、AGI増強4、見切り1
「こうなったわ」
「おおあれからもレベルアップでいいポイントがもらえたみたいだな」
「そうねいい感じにあげることができているわね」
「でしょー決まってたとはいえ悩んだんだから」
「僕も早く10歳にならないかなー」
「お父さん早速手合わせお願い」
「いいぞ、だがステータスが上がった分鍛錬の成果も出ているはずだから振り回されないようにしろよ」
「分かっているわ」
「では、こい」
ステータスが上がった分なのか、余剰分が上がったのかどうなっているのかわからないがリンの力が増している気がしたカミトであった。その感覚に漏れることなくこれまでの手合わせとは違った激しさがあった。
「ぬ、いいぞ、ステータスが上がった分ぎこちなさが取れて良い動きになっている」
「これなら」
「まだまだ…ここまでだな」
「2人ともすごい」
(いつも以上の激しさがあった。これがステータスをあげるってことなのかな。ただ体力面はまだまだ負けるわけにはいかないっていうのが俺の気持ちだ。速度を上げて走り続けられるようにしていこう)
「リンはすごいな。しっかり考えながら鍛錬していることによって、確実に同じステータスのものより強いはずだ。」
「やったあ、なら今度は魔物の討伐に連れてってよ」
「そうくると思った。俺は経験としていいと思うんだがサラはどう思う?」
「いいんじゃないかしらしっかり怪我のないようにあなたが様子を見てくれるのだったらだけど」
「それはもちろんだよ」
「ねえ、俺も行きたい」
魔物討伐の話題になり俺はいてもたってもいられなくなり会話に入っていった。
「えっとだな、緊急時以外は基本的に成人になってからなんだ。スキルを取っていないのに魔物と戦うのは危険度が高くなるからな」
「行きたい。みてるだけでいいから」
「行くの自体が危ないと言っているんだ。行商人や旅をしている者ではないのに未成年が外で戦うことはないから10歳になるまで我慢してくれ。」
「そうよ、お母さんと魔力のトレーニングをして待ちましょう」
「えー分かったよ…その代わり10歳になったらすぐに連れていってよね」
「もちろんだ。それまでに色々考えていかないとな」
そうこうして父と姉は近くの森に向かっていった。
「お母さん魔力の扱いが結構上手くなったんだ見てよ」
「分かったわ何からやる?」
「まずは循環させるやつからかな、それが1番感じやすいだろうし」
「はいはい、手を繋ぐわよ…あらこらは凄いわね」
今やっているのは最初の頃のように、ただ入ってきた魔力に対して反対の手から押し出されるように循環するのではなく、入ってきた魔力を体全体を通してから反対の手から出している。
「こんなこともできるのね凄いわ。私もこんな感じかしら。」
見たものをすぐに真似できるということは、この力はまだまだ魔力の扱いとしては初級なのかなとカミトは思った。
「お母さんすぐできるなんて凄いね。」
「これくらいはね。ずっと魔力の鍛錬をおこなってきたわけだし_似たような鍛錬もあるからね。次を見せてちょうだい」
「次はねー凄い頑張って練習したんだ。」
「!!凄いわ、魔力の放出が完全抑えられているわ、いつ練習していたの?
「夜寝る前とかにひっそりやっていたんだ」
「ここまで抑えられるのは中級ではそこまで居ないわ。完全に消せて上級と言われる程だもの。」
「びっくしさせれて良かった〜」
「なら次の課題を出すわね」
「やった。今度はどん鍛錬なのかな」
自分がやってきた方向性は正しかったようで嬉しかったカミト。地球の知識で試したいことはまだまだあるため少しずつ練習していこうと思うのであった。そうこうしているうちに父と姉が帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえりなさいどうだった?」
「やはりリンは筋がいいぞ、スライムとはいえすぐに核を見つけて倒すことができたんだ。」
「えへへ〜どうってことないわ」
照れながらも強がりを言う姉。表情を見ているととても可愛く見えてくるから謎だ。もう精神年齢は40に近いはずなのに。小さい時もそうだったが、年齢に引っ張られてるのかな。考え方は30くらいの自分だけど刺激としては小さい頃の刺激しかない訳7日はわからないが解明できるはずもなく置いておくしかなかった。
「スライムってどんな魔物なの?」
「スライムはな、核を中心としてゲル状のものが包み込んでいる生物なんだ。核を動かす個体もいるが基本は中心にあり、真ん中を攻撃すれば倒せるんだ」
「へえ…お姉ちゃんスライム強かった?」
(アメーバ見たいのよりは球体に近いのかな。どんなふうに動くか見てみたいな)
「どうってこたとなかったわ、全部一撃で倒せたし」
「いいな〜俺も早く魔物倒したいな〜」
「調子に乗ってはダメだぞリン、スライムは動きがゆっくりだから誰でも倒せるんだ。でも油断していると装備を溶かされてしまうし、魔法を使う個体も居る油断せずに向かい合いなさい・」
「はーい」
「あとは強くなってくると人型のモンスターも増えてくる。代表的なのがゴブリンだな。人型というのは人を切っているのと同じ感覚になるため忌避感が強く出てそれを乗り越えられない人も一定数いるんだ。ランクも上がって来ると盗賊のような本当の人間を相手にすることもあるんだ。」
「あなた何もそこまで言わなくても」
「いやいや冒険者になるのであればいずれ通らなければならない道だ、最初の段階で覚悟を持っていた方がいいのさ」
「盗賊もいるなんて物騒だね」
「カミト、盗賊は許せるものではないけど中には飢饉で食えるものがなくなってしまった者や、税が厳しくて止むに止まれずという者もいる、だから許せるものではないけれどそんな困っている人も中に入るってことを知っておいてくれ、リンもな」
「「分かった」」
「今日はたまたまゴブリンはいなかったが、次回見つけたら倒してもらうからな」
「絶対負けないんだから」
「こればっかりは精神的なことだからな。俺やサラでもどうしようもできん」
「そうなのよねー。でも私とあなたの子どもだから心配しなくても大丈夫な筈よ」
この世界には、死がありふれたものとして存在している。そんな中、日本という地球でも死からは最も遠い場所にあるような国で平和に過ごしてきたカミトは、そんな重圧に 耐えれるだろうかと思ったのであった。
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