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1.プロローグ1

初投稿ですよろしくお願いします。

「下校時間だぞー、早く帰れー」

「先生さようなら」

「はい、さようなら。気をつけて帰るんだぞ!」


いつもの日常その前半が終わる。

俺は、佐藤洋治、数年前に教員になってから数年が経ち、やっとこの生活にも慣れてきた。

少し前から世間では、「教員はブラックだ」と言われ始めた。そのせいか定時退勤や残業時間の削減をするような指示が教育委員会や校長先生、教頭先生から言われるようになってきた。

しかし……


「生徒の下校完了っと時刻は16時30分か、明日に向けてやることやらなきゃな…」


仕事の定時は16時30分、その時間に生徒が帰っていれば定時退勤など土台無理な話である。

ここから欠席の生徒への連絡、明日の授業の準備、生徒指導があればその報告、対策その他諸々、やることは山積みである。忘れ物を取りに来る生徒や放課後に登校する生徒もいたりする。


「今日は、欠席者が…8人多すぎだろ。」

「佐藤先生しょうがない、インフルエンザが流行り始めたから。」

「コロナが落ち着いたと思ったらこれですよ大変ですよね。」


季節は11月、数年前から突如として現れたコロナは猛威を振るった。学校現場もいつクラスターが起きるかわからない中で学校が再開するなどてんやわんやし続け数年前の5月に季節風と同じ分類となった。

それでもコロナは治らなかった。ある程度の人数がコロナになったのだろうそれでもだんだんと人数を減らしてきたが今度はインフルエンザの季節となっていた。


先輩の先生に慰められながら一人一人に連絡をしていく。連絡が終わった頃には18時近く次の仕事へと意識を向ける。


「よしっと、時間は…うわ20時じゃん、またイベントに参加できなかった。仕方がないそろそろ帰るか。」

「イベントって何かありましたか」

「あっいやゲームの話です。」

「ゲームですか、好きですねー」

「もちろんですよ。お先に失礼します」

「お疲れ様でした」


ひとしきり仕事を続けひと段落したところで時刻を確認するともうすぐ20時になるところであった。


俺はゲームが好きで色々なタイトルをやっている。RPG、アクションゲーム、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、レースゲーム、音楽ゲーム(リズムゲーム)、ホラーゲーム、FPS、カードゲーム、ジャンル問わずどんなものにも手を出してきた。現在はRPGゲームを中心に何タイトルかやっている。


「このゲームの日課はこれで終わりだな。次はこっちのギルドバトル、城が落ちそうだ部隊の補充をしないと。」


日課やイベントが終わった時にはおおよそ23時になっていた。

ここからさらにインターネットで投稿されている小説を読み日付が変わる頃にやっと眠りにつく。


翌朝……

「は!朝!今何時だ?!5時30分か」


朝、いつもの時間に自然と目が覚め飛び起きるようにベットから降りると目覚ましが鳴る、ほぼルーティンとなっている。昨晩の残りを手早く食べ、シャワーを浴びてから学校へと向かう。

早くに出勤してできる限りの仕事を終わらせたいという思いから最近は早く学校へ行くようにしている。


「もうチャイムがなった!生徒が入ってくる」


学校につき前日やりきれなかった仕事や今日やる仕事の準備などを手際よく進めていく。時計を見ずに仕事をしているといつの間にか8時になり昇降口が開くチャイムがなった。


まだかまだかと待っていた生徒が雪崩のように入ってくる。


「「「おはようございます」」」

朝から生徒の元気なあいさつが飛び交い一気に学校が賑やかとなっていった。


「っとそろそろ教室に行かないとまずいな」


慌てて仕事を片付け教室へと駆け足で向かう。


「おはようございます」

「「「おはようございます」」」


俺は教室に入り大きな声であいさつをすると教室のあちこちで固まって話している生徒から返事が返ってくる。

生徒と朝の交流を行なっていると時間となり朝の会が始まり問題なく終わった。

ここから怒涛の1日が始まるのだ。


「今日は5時間授業か…」

中学校では、毎日6時間授業があるが教員は6時間フルに授業が入っていることは少ない。

だがその授業のない時間は、休憩の時間ではなく生活ノートや宿題、その他の仕事を進めていかなければならないため一息つく暇もなく時間に追われることとなる。この時間に生徒対応が入ることもある、その時にはやらねければいけないことができなくなってしまうから対応が入らないことを願う日々である。


キーン、コーン、カーン、コーン

「‥‥よし今日はここまで!!、次回は今回の続きをやるからなー。あいさつしたら給食当番すぐ動けよー!」

「起立、気をつけ、礼、ありがとうございました。」

「「「ありがとうございました。」」」どたばたどたばた


慌ただしく生徒が動き始める。

それを見ながら俺は適宜指示を出していく。給食の時間になっても食育指導と言うことで生徒の様子をを続けなければならない。この時間は本来であれば休憩の時間に当たるはずなのだが休憩をした記憶はない。


こうして休みもなく1日働き続け生徒が帰っていく。

「生徒の笑顔が好きだし、職員間の関係も良好だからやってて楽しくはあるんだけど‥‥」


と1人になったときに時折愚痴が出てしまう。

考えてること思っていることは仕事内容でなければ基本出さないようにしている、どこで誰が聞いているかわからないし、とられ方次第では立場が悪くなってしうからだ。


「お疲れさまでした。」

「お疲れさまでした。」

今日の仕事もほどほどにあいさつをして帰っていく。


「今は18時15分か、イベントには間に合いそうだな。」


働き始めは22時、23時が当たり前で月の残業時間100時間を超えない方が珍しいくらいであったが、最近は100時間を切ることも増えてきた。

友だちに話すと感覚がバグっていると良く言われる。

それに付け加え残業代も気持ち程度である。基本給の4%となっていて30代に入ったばかりの自分では1万円いかないくらいである。


「先月の残業時間が108時間だったから切り良く100時間で計算すると‥90円くらいか。はは、いまどき小学生のおこづかいでももっともらってるよな~、もう少しまともに残業代が出るようにならんのかな」

現実は非常である。友達に言わなくてもブラックいや漆黒じゃね?と何度思ったことか。

一時、給料が上がる!給特法がうんぬんかんぬんと国会で審議されていたこともあったが変わることなく聞かなくなって久しい。一般の人から見たら先生は楽に見え、さらに残業も勝手に残っていると見られているようであった。始業前、終業後の残業時間が100なのであって昼休憩まで入れたらとんでもない時間になってくると一般職であればもらえたであろう残業代を何度想像したことだろうか。


ちなみに8時から16時30分まで就業時間は8時間30分。8時間以上は1時間の休憩を取らなくてはいけない。お昼休憩は12時から12時45分、さあ残りの15分はというとなんと16時30分から16時45までである。

おかしいと感じた人も多いだろう。就業時間が終わってから休憩の時間になるのである。どう言うことなのであろうか…


「今日は久しぶりに走ってから帰るか、今日は軽く5キロ程度にしておくかいけたら10キロで。」


30歳を超えてからいや大学を卒業したあとは運動の機会がめっきり減ってきた。そのため体つきがもっちりとお腹も出てきて目も覆いたくなるような体型にと変わってきてしまったので少しでも動けるようにとたまに走るように心がけている。部活中心の生活だったため交遊関係がそこまで広くもなく、一緒にやってくれる人もいないため走るしかやれることがないのが悲しいところである。そのかいあって少しずつではあるが体型が戻ってきた。お腹の余分な部分は別にしてだが……


「お!ラッキーこれで戦力が上がる。でも戦力差があってまだまだ上位の人には太刀打ちできないけどな(笑)」


いつもやっているのはいわゆる課金ゲー、課金をしてなんぼであるのだが独り暮らしの俺にはそこまで割ける金銭的余裕はなく。ほどほどの課金しかできないため上位の人には追い付けない。それでも続けているうちに上位に入ってきた。


「また人が少なくなったな、これでこの鯖の人数も20人切ったか‥」


落ち目のゲームってこともあり日に日に人は減っていく。すべてのサーバーを足しても一万人はいないのではなかろうか。

それでも数年続けてきたからこそやめることなく続けてきた。人数が少なくなった今、全員知っているメンバーしか残っていない。


「負けるのは嫌だけどラノベみたいにゲームの世界や異世界に行ってみたいな‥もしくは小学生くらいからやり直せないかな~。」


と独り言を言って今日も終わる。大人になった今、後悔が後を立たない。あの時こうしておけばあの時こうすればと、悔やんでは仕方がない過去のことだからと思いながらもそう思ってしまう。

教員の仕事に好きなことに使う時間、両立させながらもこんな日々が一生続くのかななんて考えながら日常が過ぎ去っていく。

そんなある日、唐突にこの生活は終わりを告げるとはこの時夢にも思わなかった。

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この作品紹介の前書き 「初めての作品になります。少し行き当たりばったりなところや設定がおかしなところがあると思いますが、多めに見てもらえると助かります」 「多め」は→「大目」です
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