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廃墟での降霊

「敏麗、どこだ?!」

「敏麗ちゃん、返事をしてくれ。」 

田中と芳子は霊の後についていった敏麗の後をつけて2階へと上がった。

「敏麗ちゃん!!」

「敏麗!!」

二人は大声で彼女の名前を呼ぶが返事はない。どの部屋も開けるが敏麗の姿がない。

「田中さん!!」

芳子が施錠された部屋を見つける。ドアのブを何度も回すが開かない。

「敏麗ちゃん、いるなら返事をしてくれ!!」

芳子が叫ぶ。

「芳子様?!」

中から敏麗の芳子を呼ぶ声がする。

「敏麗ちゃん、そこにいるのか?」

「ええ、いるわ。芳子様、あの娘が扉を閉めてしまったわ。」

あの娘とは幽霊の少女の事だ。

「分かった。今田中さんに開けてもらうから待っててくれ。」

田中が拳銃でドアノブの真下を撃つ。空洞から手を入れ中かは鍵を開ける。

「敏麗、大丈夫か?」

「敏麗ちゃん??」

芳子と田中が部屋に入ると敏麗はテーブルの周りに椅子を並べ持ってきた蝋燭をテーブルの上に置く。テーブルの真ん中には少女の写真が飾られている。

「芳子様、田中中佐、ちょうどいい所に来ましたわ。」

「敏麗ちゃん、何をしているんだ?」

芳子が尋ねる。

「何って降霊の準備ですわ。」

「霊ってさっき見かけた霊か?」

田中か尋ねる。テーブルの中央の写真の少女はさっきまで追っていた霊と面影がある。「ええ、佳代子ちゃんを襲った霊を。」

敏麗は霊に直接話を聞こうとする。

「芳子様も田中中佐もおかけになって。」

敏麗は二人に席を勧める。降霊には最低3人必用だ。

「芳子様、ライターはありますか?」 

芳子は椅子に座るとスーツの上着の内ポケットからライターを取り出す。

「これでいいか?」

「ありがとう。」  

敏麗は蝋燭に火を付けるとライターを芳子に返す。

「さあ、始めましょう。」

3人が互いの手を握ると敏麗がお経を唱え出す。窓はしまっているのにカーテンが揺れ始める。テーブルの上の写真はガタガタと音を立て揺れている。敏麗がお経を唱え終わるとその場に倒れ込む。霊が乗り移った合図だ。

敏麗がゆっくりと顔をあげる。

「お前は私の家に無断で入った不届き者か?!」

敏麗、いや敏麗に乗り移った少女の霊が芳子を睨み付けながら尋ねる。

「勝手に入った事は謝る。悪かった。」 

芳子が頭を下げる。

「お前だけじゃない。軍のやつらもだ。」

敏麗の視線が田中へと移る。 

「俺じゃない。」

「お前も軍の仲間であろう?白々しい。」

「君は誰なんだ?ここで何があったんだ?」

芳子が尋ねる。 

「お前達の仲間に聞けば良いであろう?」

「俺達は満州から来た。だから日本で起きた事は知らない。日本軍のやつらの事も。」 

「仕方ない。教えてやろう。」

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