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皇后の幽閉

 ここは満州の高級ホテル。鈴花は最上階のスイートルームに1人のセレブ客を案内する。入り口にリビングと寝室、バスルームが完備されている。リビングに入ると鈴花を扉を閉鍵をかける。

「田中中佐、どなたなのですか?」

セレブ客を連れてきたのは田中だ。

「もういいぞ。」

田中の合図でセレブ客は帽子とサングラス、マスクを外す。

「敏麗さん?!」

セレブ客の正体は敏麗だった。

「敏麗がここにいる間彼女の世話を頼む。」

「田中中佐はわたくしをこんなところに連れてきてこれではまるで格子なき牢獄に囚われた姫ですわ。」

敏麗はソファーに腰をかけながら小言を言う。

「敏麗、お前は命を狙われたんだ。もっと緊張感を持て。」

「でしたらそのわたくしを暗殺しようとした不届き者達を早く捕まえてしまえばよいのだわ。あの栄羅という女も。」

 数日前敏麗が部屋に銃弾が飛んできた。勿論敏麗を殺すためだ。綾が狙撃手を追跡した結果反王室派の中国人の仲間だという事が分かった。その中に栄羅の姿もあった。

「敏麗、捕まえるには証拠がいる。」

「証言なら綾が見ていたわ。」

「幽霊がどうやって証言するんだ?」

「わたくしの降霊術で。」

「それは無理だ。」

田中は新聞をテーブルの上に出す。

そこにあったのは敏麗の記事だ。敏麗の霊力は偽物で巧みな芝居で陛下に取り入ったと。

「くだらない内容ですわね。」

「今はお前は矢面に立つべきじゃない。ここで大人しくしてろ。」

「お待ちになって。」

部屋を出ようとする田中を敏麗は呼び止める。

「何だ?」

「皇后がいなければ政や公務はどうするおつもりですの?」

「公務は皇帝1人に任せる。政は舞蘭がいる。二人とも承諾済みだ。ちなみに部屋の外の見張りは俺の部下だが日本の政府要人の妻って伝えてある。」

 敏麗の居場所を知っているのは溥儀と舞蘭、田中、鈴花の4人だけだという。

「逃げようなんて考えるなよ。反王室派と千鶴子の事は俺がなんとかしてやるから。」

田中はそれだけ言うと部屋を出る。



 鈴花と敏麗の2人が部屋に残されると沈黙が走る。鈴花は敏麗の座るソファーの近くに立っている。

「そんなにくっついてなくてもいいわ。逃げたりなんかしないから。」

敏麗の一言が沈黙を破る。

「少しの休暇だと思えばいいわ。どこにも行けないのは癪だけど。」

「でしたら私が話し相手になりますよ。敏麗さんには聞きたい事があるので。」

鈴花は敏麗の向かいのソファーに座る。

「聞きたい事ってプリティーズの事?」

「それもですが、敏麗さんを暗殺しようとした反王室派の一味の事です。彼らは同じ中国人なのになぜ敏麗さんの行いを理解しようとしないのでしょうか?」

「あの連中はねオリュガーナと同じなのよ。」

敏麗は「プリティーズ淑女 GO!!」のラスボスの名前を口に出す。

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