夜の学校
特別編1作行きます。
敏麗、鈴花、舞蘭が主役です。
「鈴花、音立てないで。静かに。」
「ちょっと舞蘭さんなんで私達自分の学校入るのにこそこそしているのよ。」
1933年7月。
真夏の熱い夜鈴花と舞蘭は敏麗を連れて自分通う満蘭女学校に忍び込む。入学式は敏麗が撃たれた事により式は中止になったが後日学校関係者だけで行われた。2人は晴れて女学生になれたのだ。
「仕方ないじゃないの。夜は学校に立ち入り禁止なのよ。それに敏麗さんは外部の人だから簡単に立ち入れないのよ。」
事の発端は数日前。ダンスの授業中であった。
「きゃあ!!」
鈴花は何者かに押されて転倒する。
「大丈夫か?プリンセス鈴花。」
ダンスの相手をしていたれいが鈴花に手を差し伸べる。
「ありがとうございます。」
鈴花は頬を赤くしてれいを見つめる。
その様子を遠くから舞蘭が見ていた。
「舞蘭ちゃん、よそ見しない。パートナーをしっかり見て。」
「はい、川島先生。」
舞蘭のパートナーは芳子であった。
「芳子様が言ってたのはそういう事だったのね。」
敏麗は芳子から事の成行を聞いていた。いつも真面目な舞蘭がその日に限って鈴花の方ばかり見ていたと鈴花と舞蘭が敏麗を頼ってきたのはその直後であった。2人はお願いしに来た。広間に何かいるから徐霊してほしいと。
「舞蘭ちゃん、貴女は徐霊しなかったの?」
鈴花が灯す明かりだけを頼りに広間に向かう途中敏麗が舞蘭に尋ねる。
「私にはそのような能力は備わっていないのです。」
舞蘭は霊感はあり霊の姿は見えるが祓うことはできないようだ。
「見えるだけじゃないでしょ。お話もできるじゃない。」
「そうだったね。綾。」
突然綾が後ろから話しかけてくる。千鶴子の一件で彼女を止められなかった事を後悔し地縛霊になりかけていた。舞蘭が自分の家に誘ってくれて今は一緒に暮らしている。舞蘭の家系は代々霊感があり家族も綾の事が見える。綾はすっかり舞蘭の家族の一員である。
「着いたわ。」
敏麗達が到着したのは女学校の広間であった。
入学式をした所だ。
「敏麗さん、何か感じますか?」
舞蘭の問いかけに敏麗は黙っている。
「敏麗さん」
再び舞蘭が声をかける。
「ねえ、舞蘭ちゃん貴女がダンスの授業で見たものってどんな物だったか覚えてるかしら?」
「はい、」
舞蘭は鞄から紙とペンを取り出す。鈴花に灯りで照らしてもらい絵を描く。
「確かこの人でした。」
できた絵を敏麗に見せる。
「これは?」
黒く長い髪を垂らした女性だ。それは敏麗が子供の頃に見た「お姉ちゃん」に似ている。
「私こんなのに突き飛ばされたの?」
鈴花は震えている。
「鈴花ちゃん、急いで芳子様を呼んできてもらえるかしら?それから田中中佐も。」




