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新しい女学校

 1933年4月。

鈴花が暮らした農村に新しい女学校が完成した。満州国の満と国花である蘭の花を組み合わせ満蘭女学校と名付けられた。

 教室には13才~18才までの近隣の村の少女達が集められた。彼女達は婉容がデザインした制服を身に纏っている。ピンク、黄色

緑色、淡いブルー、そして紫。この5色だ。皆各々が好きな色をえらんでいる。その中にも鈴花の姿があった。彼女は黄色い制服を着ている。

「素敵ね、この制服。」

「西洋のプリンセスみたい。」

乙女達は制服が気に入ってるようだ。

「ごきげんよう、壮さん。」

鈴花の隣の席にピンクの制服の少女が座っていた。ごきげんようは満蘭女学校の挨拶だ。敏麗がプリティーズで一番好きだったシリーズ「プリティーズ 淑女(れでぃ)GO !!」のヒロインの挨拶から取ったのだ。

「ごきげんよう、えっと」

舞蘭(うーらん)祖舞蘭(そ うーらん)よ。」

「舞蘭、宜しくね。」

鈴花は舞蘭に手を差し出す。その時


「きゃあ!!」


廊下で悲鳴が聞こえた。

「何かしら?」

鈴花は舞蘭と共に廊下にでる。

「嘘?!」

廊下で紙が独りでに動いている。少女達はその姿を見て逃げ回ったり泣き叫んでいる。

(綾ちゃん?どうしてここに?)

鈴花は綾だとすぐに察する?

「ねえ、鈴花さん?」

隣にいた舞蘭が声をかけてくる。

「あの娘、面白い格好ね。布を重ねたような。日本人が着るような物を。」

舞蘭が見える特徴が綾と一致する。

「舞蘭さん、綾ちゃんが見えるの?」

「あの娘綾ちゃんって言うの?貴女もみえるのね。」

鈴花は見えるわけではない。だが敏麗が綾を連れている時に紙やペンが独りでに動いてるのを目撃していた。きっと綾であろう。


カランカラン


廊下の向こう側から鈴を鳴らしたながら女教師が歩いてくる。

「式がもうすぐ始まるわ。整列しなさい。」

教師の指示で少女達は二列になる。出席番号順のため鈴花の隣は舞蘭である。教師の先導で少女達は講堂へと向かう。

 講堂の扉の前には燕尾服姿の紳士が2人。

「お嬢様方、どうぞ。」

2人が扉を開けてくれる。男のような身なりをしているがれっきとした女性だ。敏麗が越劇の養成所や日本にある宝塚を退団した者や受験に失敗したといった男役に未練がある者を集めてきた。彼女達は生徒のエスコート役を務めるのだ。 

 扉が開かれるとオーケストラの演奏と拍手喝采と共に鈴花達は迎えられる。席は長テーブルになっており、エスコート役の男装の女性に手を引かれ席まで案内される。式典と昼食会を同時にやろうとしたのも敏麗の案である。

「如月さん?!」

鈴花のエスコートに当たったのは宝塚の元男役の如月れいだった。

「君も入学していたのか?さあ、どうぞプリンセス。」

れいは鈴花の椅子を引く。

「ねえ、如月さん。」

会場には関東軍の軍人がいた。

「どうして軍の方が?」

鈴花は田中や芳子からは何も聞いていない。芳子の姿もない。

「それが」

れいは鈴花の耳元に口を近づける。

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