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売られた花嫁

話が長引きそうなので「特別編」としてお届けします。

 中華服の男は李剛真と名乗った。旦那様は小さい会社を経営している。大陸に視点を作ることになりそこの代表だという。

「社長、宜しいのですか?」

「ああ、彼女は君の物だ。」

剛真は千鶴子に近づいてくる。

「人形のような少女だ。白い肌、ぱっちりてした目長く綺麗な髪。」

剛真は千鶴子の髪を撫でる。そして

「こっちもいいじゃないか。」

千鶴子の胸に触れる。

「やめて下さい!!」

千鶴子は剛真の手を振り払う。

「千鶴子ちゃん、私は今日から君の夫になるんだよ。そんな態度は困るな。」

夫?今日あったばかりのそれも1周り以上年の離れた相手となぜ自分が結婚しなければいけないのか? 

「千鶴子、中国では親友同士が自分の子を養子に出す風習があるんだ。しかし彼は君を養女ではなく妻として迎えたいと言っているのだ。これからは日本と中国は良好な関係を気付くことを目指している。その第1歩にもなるんだよ。そのために中国語も今日まで女学校で習ってきただろう?」

「全て私を売るためだったんですか?」

「売るだなんて人聞きが悪い。これは結婚、日本と中国の結婚だよ。」

「嫌よ!!」

千鶴子は扉を開けて出ていく。しかし目の前にはスーツ姿の男が2人立っていた。

「お嬢さん、騒がない方が身のためですよ。」

男の1人が千鶴子の腕を掴む。

「おい」

剛真が止める。

「私の大事な花嫁だ。手荒な真似は辞めてくれ。」

男は腕を離す。

「では社長、頂いていきますよ。」

千鶴子が剛真に肩を抱かれ連れられ部屋を出ようとした時

「千鶴子姉ちゃん!!」

目の前に綾がいた。

「千鶴子姉ちゃんを離して!!」

綾は男の足にしがみつく。

「離れろ、このがき!!」

「千鶴子姉ちゃんを連れて行かないで!!」

「黙れ!!」

綾は蹴り飛ばされる。

「何するのよ?」

千鶴子が庇おうとしたとき


「きゃあ!!」


銃声と共に綾が出血して倒れる。

打ったのは剛真だった。剛真は銃を懐にしまうと放心状態の千鶴子の肩を抱き屋敷を出る。



 時は流れ数ヶ月後の上海。

一台の馬車が走行している。

中には軍服姿の軍人が二人乗っていた。

1人は窓の外を眺めている。

「川島、どうした?ぼうっと外なんか眺めて。」

「見て下さい、田中さん。これが中国人達の有り様ですよ。」

外には靴磨きの少年、日本人相手の娼婦、花売り娘などが往航している。中には靴すら掃いてない者もいる。

「ヨーロッパ諸国のやつらが来て我々中国人の居場所を奪っているのですよ。」

川島と呼ばれた将校は窓から絹の寝間着姿の少女を眼にする。目がどこか虚ろで焦点が合っていない。

「止めてくれ。」 

川島は馬車が止まると飛び降りて少女の元へと向かう。

「大丈夫か?」 

川島は少女を抱き止めめる。

「あっあなたは?」

少女は力を振り絞って日本語で弱々しい声を出す。

「日本人か?名前は?」

「千鶴子、荻島千鶴子です。」

少女は安心して腕の中で眠ってしまう。 

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